2018.08.08
個人再生
「個人再生」が認められる条件とは?条件に合わない場合はどうする?
借金問題を解決する「債務整理」の方法の一つに、「個人再生」手続きがあります。個人再生は裁判所に申し立てを行い、債務を大幅に減額した上で原則3年で分割返済をしていく方法です。自己破産のように財産を処分する必要もありませんし、住宅ローンが残ったマイホームも維持することが可能です。
債務者にとってはメリットの大きい方法ですが、その分提出書類も多く、手続きも簡単ではありません。では、「個人再生」手続きとはどのようなものなのでしょうか?
制度としての概要の他、申し立てを行うために必要な条件、また条件に合わない場合や、万が一、個人再生が不認可になった場合の対策についても詳しくご説明します。
■個人再生を利用するための基本的な条件
個人再生(個人民事再生)は、裁判所を介して行う手続きになります。債務額にもよりますが、一般的には債務を1/5もしくは最低弁済額100万円まで圧縮し、原則3年で返済する「再生計画」を立て、その計画を裁判所に認可してもらうことで債務を大幅に減額できる手続きです。個人再生の申し立てを裁判所に認めてもらうには条件があります。
[将来にわったて継続的・反復的な収入が見込めること]
個人再生手続きを行っても借金が無くなるわけではありません。残りの借金を、再生計画通りに返済できるかどうか厳しく審査されます。アルバイトやパートの場合でも、再生計画に基づいた返済が出来る見込みがあるのであれば申し立てを行うことは可能です。
サラリーマンのように、毎月の固定収入ではない個人事業主や自営業の場合でも、再生計画に沿った返済ができる定期的な収入があれば、「反復的な収入」と認めてもらえます。
[借金の総額が5000万円以下であること]
住宅ローン以外の債務が5,000万円以下である必要があります。
■個人再生は2種類ある
個人再生には自営業者や個人事業主が利用するケースが多い「小規模個人再生」と、給与などの安定した収入があるサラリーマンが利用できる「給与所得者等再生」の2種類があります。前述の基本条件はどちらにも共通のものです。
異なるのは「小規模個人再生」の場合。すべての債権者の2分の1以上が「再生計画」に反対する場合、再生手続きは認可されません。「給与所得者等再生」は、債権者の同意は必要ありません。
■個人再生が不認可になった場合
万が一、個人再生手続きが不認可になった場合について触れておきましょう。まず、不認可になったことで法律上の制限やリスクなどが生じる心配はありません。
対応策としては、不認可になった原因がハッキリわかっていて、改善が可能であれば「再申請」ができます。例えば「小規模個人再生」で債権者の反対による不認可の場合、債権者の意向は問わない「給与所得者等再生」で再申請をする方法もあります。再申請の条件が整わない場合、残された方法は「自己破産」になりますが、財産の処分などのリスクを伴います。
裁判所への申し立ては提出書類も多く、複雑なため、ご自身で行うことは困難です。個人再生を検討する際は知識と経験が豊富なアヴァンス法務事務所へご相談ください。