2025.01.14
時効援用
消滅時効援用の「通知書」とは?書き方や注意点を解説
消滅時効援用の「通知書」とは、借金の返済義務を時効により消滅させるために、債権者へ意思表示を行うための正式な書類です。正しく作成された通知書を送付することで、法律に基づいて借金の支払い義務を免除することができます。ただし、書き方に不備があると時効が成立しない場合もあるため、注意が必要です。この記事では、通知書の基本的な書き方や作成時の注意点をわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。
時効援用通知書とは?
時効援用通知書は、借金の返済について一定期間が経過し、法律上の時効が成立したことを前提に、その時効を援用する意思を債権者に通知する書類です。この通知により、債務者は時効の利益を受け、法律の上で債務を消滅させることができます。
時効援用通知書は、債務者本人や弁護士、司法書士が作成して、債権者に送付します。時効援用通知書を送付することで、その権利を行使し、債務者は正式に時効を援用したことになり、その時点で債務が消滅します。
しかし、時効援用通知書の作成や送付には条件があり、注意が必要です。例えば、時効期間が経過していることや、時効中断事由がないことを確認した上で、書式や記載事項についても正確でなければなりません。送付先住所が正確でないと、時効援用が正しく行われないこともあります。そのため、専門的な知識が必要であり、弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。
時効援用通知書の基本概要
時効援用通知書には、以下のような内容を記載します。
・債務者の氏名および住所
・債権者の氏名および住所
・時効が成立した旨の記載
・債務の内容および金額
・時効が成立した理由
消滅時効の期間は一般的に、個人間の債務で10年、商取引や消費者金融など信用取引で5年とされます。ただし、返済の一部を行ったり、支払意思を示す行動を取った場合、債務の承認とみなされ、時効期間がリセットされることがあるため注意が必要です。
時効援用通知書を作成・送付する際は、形式や記載内容に不備があると無効となる場合があるため、司法書士など専門家に相談することをおすすめします。適切な手続きを行うことが重要です。
時効援用通知書が必要な状況とは
借金や債務の消滅時効の利益を得るためには、時効期間が経過した後に、債務者自身が「時効援用」という意思表示を行い、これを債権者に正式に通知する必要があります。その際に必要なのが「時効援用通知書」です。この書類は、法的に借金返済の義務が消滅したことを主張するための重要なものとなります。
時効援用通知書が必要となる主な状況としては、以下のようなケースです。
1.消滅時効期間が経過した後も債権者から請求を受けている場合
債権者が督促状や催告書を送ってきた際、正式に時効を主張しないと返済義務が続く可能性があります。
2.訴訟を提起される恐れがある場合
消滅時効を主張しないまま裁判になった場合、債務の承認とみなされるリスクが高まります。
3.信用情報への登録が懸念される場合
時効援用を行わないと、返済義務があるとみなされ続け、信用情報が更新される可能性があります。
正確な通知書の作成と適切な手続きが必要となるため、司法書士などの専門家に相談することが大切です。通知書を作成する際は、時効の成立要件を満たしているか、確認することが重要で、これが不十分だと時効が認められない場合もあります。
また、時効援用通知書が必要とされる状況は、以下のようなケースも考えられます。
・債務の返済が困難な状況で、時効期間が経過したことを確認し、時効を援用して債務を消滅させたい場合
・債権者から返済請求がされず、時効期間が経過している可能性がある場合
・債権者が変更され、時効期間の経過が確認できない場合
時効援用通知書を作成・送付する際は、時効期間が経過していることを確認する必要があります。ただし、時効援用の主張が通らない可能性もあるため、専門家と相談し、適切な手続きを行うことが重要です。
時効援用通知書と法的効力の関係
時効援用は、消滅時効期間が満了しているだけでは効力を発揮しません。借主が援用の意思を明確にしなければ、貸主は請求権を主張し続けることができます。そのため、時効援用通知書の送付は、法的効力を得るために欠かせない手続きです。
・債務の返済義務が消滅
・債権者からの取り立て行為が法的に無効となる
・債権者は訴訟を提起しても請求が認められない
また、通知書を送る際には、内容証明郵便を利用することが一般的です。これにより、送付日時や内容を証明でき、貸主とのトラブルを防ぐことができます。ただし、時効援用通知書の内容に重大な誤りがあった場合や、実際には時効期間が経過していなかった場合などは、法的効力が発揮されないことがあります。そのため、時効期間の経過を正確に確認し、適切な手続きをとることが重要です。
時効援用は債権者の同意を必要とせず、適切に通知が行われれば即時に効力が発生します。しかし、時効援用は適切な手順を踏むことで初めて成立します。放置しているだけで成立することは、ありません。正確な内容で通知書を作成し、法的効力を確実に発揮させるために、専門家に相談することをおすすめします。
時効援用通知書を自分で作成するメリットとデメリット
借金の消滅時効を主張する際に必要となる時効援用通知書は、自分で作成することも可能です。しかし、手間やリスクが伴うため、メリットとデメリットを理解することが重要です。
メリット
1.費用を抑えられる
司法書士や弁護士に依頼する場合の費用を節約できます。特に、負担を軽減したい方にとっては大きなメリットです。
2.迅速に対応できる
自分で作成することで、手続きにかかる時間を短縮でき、すぐに貸主へ通知を送れます。
デメリット
1.内容不備のリスク
法律的に有効な通知書を作成するには正確な知識が必要です。不備がある場合、時効援用が無効になる恐れがあります。
2.交渉時の不安
貸主が通知を受け取った後、交渉や返答を求めてくる可能性があります。専門知識がない場合、適切に対応するのは難しいこともあります。
3.心理的負担
法律に関する手続きを一人で進めることに不安を感じる方も少なくありません。
自分で作成するメリットもありますが、通知書の内容に誤りがあると、法的効力が発揮されない恐れがあります。また、状況に応じた適切な手続きを取ることが難しく、結果的に問題が解決できない可能性があります。安全かつ確実に手続きを進めたい場合は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。
時効援用通知書の記載内容
時効援用通知書とは、消滅時効を主張するために必要な意思表示を貸主に伝える文書です。この通知書には、正確かつ適切な内容を記載する必要があります。不備があると効力が認められない場合があるため、注意が必要です。
時効援用通知書に記載する基本項目
時効援用通知書には、以下の基本項目を記載する必要があります。
・宛先
通知を送る相手(貸主または債権回収会社)の名称、住所を明記します。
・差出人の情報
自身の氏名、住所を記載します。場合によっては連絡先を記載することもあります。
・債務の特定
時効援用の対象となる債務を具体的に記載します。例えば、「契約番号〇〇の借入金」といった形で特定します。
・時効援用の意思表示
「本書をもって貴社に対し、〇〇の借入金について消滅時効を援用する」などの文言で、明確に意思を示します。
・日付と署名
通知の日付を記入し、自署します。署名は手書きで行うことが推奨されます。
時効援用通知書は法律文書として扱われるため、正確性が求められます。これらの項目を正確に記載することで、債権者に対して時効援用を行使し、返済義務を消滅させることができます。
時効援用通知書の記載例
通知書を作成する際、特に重要なのは債務を正確に特定することです。債務が特定されていない場合、時効援用が適切に成立しない可能性があります。以下の情報を漏れなく記載することが求められます。
・債権者の名称と住所
・債務者(あなた自身)の名称と住所
・債務の発生時期や契約内容(例:契約日、借入金額など)
・通知書の送付日
以下に、時効援用通知書の記載例を示します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
時効援用通知書
○○○○(債権者の名称) 御中
〒□□□□-□□□□
○○県○○市○○○丁目○番○号
拝啓
私○○○○(債務者の氏名)は、貴社に対して下記の債務について消滅時効が成立していることを確認し、これを援用することを通知いたします。
記
債務の内容
契約日:令和○年○月○日
借入金額:金○○○円
契約番号:○○○○
申請の内容
本書をもって、時効の援用を行います。
敬具
令和○年○月○日
住所:○○県○○市○○○丁目○番○号
氏名:○○○○(署名または捺印)
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通知書は内容証明郵便で送付するのが一般的です。内容証明郵便は送付内容と日付を証明するため、後々のトラブルを防ぐことができます。時効援用に関する手続きでお困りの際は、専門家である司法書士にご相談ください。
債権者・債務者の情報記載方法
債権者と債務者の情報は、時効援用通知書において重要な要素です。債権者と債務者の氏名や住所は、正確かつ詳細に記載することが求められます。
住所の記載方法としては、郵便番号から始め、市区町村、丁目、番地、そして建物名や部屋番号までを含めた具体的なものが望ましいです。また、氏名はフルネームを使用し、カタカナや漢字で表記しましょう。本人確認を可能にするために、生年月日を記載することもあります。法人の場合は、正式な商号と本社所在地、代表者名を記載します。
債務に関する情報も重要で、借入金額、利息、契約日、契約番号または会員番号、最終返済日などを具体的に記載することで、時効援用の根拠を明確に示すことができます。これらの情報は、債権を特定するために不可欠です。
また、時効援用通知書には、時効を援用する日付と、消滅時効を援用する旨の明確な意思表示を記載することが必要です。さらに、個人信用情報機関に登録されている事故情報の削除依頼も含めると良いでしょう。
失敗しないための時効援用通知書の書き方とポイント
時効援用通知書は、借金の消滅時効を正式に主張するための重要な書類です。不備があると時効が認められない可能性があるため、正確に作成することが必要です。作成時のポイントをわかりやすく説明します。
1. 必要事項を正確に記載する
通知書には以下の情報を必ず記載します。
・自分の氏名、住所、連絡先
・債権者(貸主)の名称、住所
・借金の詳細(契約日、金額、契約内容など)
2. 時効援用の意思を明確に示す
文中で「私は本書をもって、債務について消滅時効を援用します」といった具体的な表現を使い、時効援用の意思を明確に伝えます。
3. 適切な形式で作成する
公的な書類としてふさわしい形式で作成します。タイトルは「時効援用通知書」とし、文末に署名または記名押印を必ず行いましょう。
4. 内容証明郵便を利用する
通知書は内容証明郵便で送付すると、送付の事実や内容を証明でき、後々のトラブルを防げます。
時効援用通知書は法律的な効果を持つ重要な書類です。作成や手続きに不安がある場合は、司法書士に相談することで、確実に手続きを進めることができます。
時効援用通知書は内容証明郵便で送るべき理由
時効援用通知書は、消滅時効を主張するために債権者に送る重要な書類です。この通知書を内容証明郵便で送るべき理由は、主に以下の3つがあります。
1. 内容証明郵便は「いつ」「誰が」「どのような内容の通知」を送ったかを証明する手段です。
これにより、送付した日時や内容が記録として残り、後々の紛争時に有力な証拠として活用できます。
2. 受取人が通知を受け取った事実を証明できる点です。
内容証明郵便には配達証明を付けることができ、相手が通知を受領した日付を明確に確認できます。これにより、時効援用の効果がいつ発生したかを確実に示すことが可能です。
3. 通知の正式性を高める効果があります。
内容証明郵便を利用することで、債権者に対し「時効援用を行う」という意思を強く伝えることができ、交渉や無効な請求を防ぐ抑止力にもなります。
法律上は内容証明郵便以外の方法(普通郵便、FAX、電話など)でも時効援用は有効です。しかし、証拠として残りやすい内容証明郵便が一般的に推奨されています。
また、債権者が大手の貸金業者で、時効援用後に債務不存在証明書を送付してくれる場合など、状況によっては普通郵便やFAXで時効援用通知書を送ることもあります。
時効援用は正確な手続きが重要です。不安な場合は弁護士や司法書士に相談し、個々の状況に応じた適切な方法で通知を送るようにしましょう。
内容証明郵便とは?
内容証明郵便とは、送った文書の内容と送付した日付を郵便局が証明してくれる特別な郵便サービスのことです。これは、主にトラブルや法的手続きで「相手が通知を確実に届けたこと」を証明するために利用されます。
たとえば、債務の返済請求や契約解除の通知を送る際、相手が受け取ったことやその内容を後で証明できるため、万一の争いを防ぐための有効な手段となります。また、債権の時効完成を6カ月間猶予(停止)する効果もあります。
利用する際は、文書を3通作成し、1通は相手に送付、1通は郵便局が保管、もう1通は自分で保管します。記載内容に法的効力を持たせるため、弁護士や司法書士など専門家に相談し、正確な表現で作成することをおすすめします。
ただし、内容証明郵便自体には法的拘束力はありません。例えば、慰謝料請求の内容証明郵便を送っても、相手に支払義務が自動的に生じるわけではありません。
内容証明郵便は、債権の処理(相殺や債権譲渡の証明)にも利用でき、また確定日付を取得することで、特定の日時にその文書が存在していたことを公的に証明できるため、後のトラブルを避けるのに役立ちます。
トラブルの防止や法的対応をスムーズに進めるために、内容証明郵便の活用をぜひご検討ください。ただし、一度送付すると取り消しができないため、内容や送付のタイミングについては慎重に検討し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。
通常郵便と内容証明郵便の違い
通常郵便は、一般的な手紙の送付方法で、相手に郵便物を送る際のもっとも基本的な手段です。しかし、差出人が何を送ったか、相手が受け取ったかなどを証明することはできません。そのため、証拠を残す必要がない日常的なやり取りに適しています。
一方、内容証明郵便は、郵便物に記載された内容を郵便局が証明してくれる特別な方法です。例えば、金銭の請求や契約の解除通知など、法律的な証拠が必要な場面で利用されます。また、受取人が実際に受け取ったことを確認するため、配達証明を付けることも可能です。
通常郵便と内容証明郵便の違いは、法的効力や証明力にあります。通常郵便は、相手に郵送物を届ける目的のみであり、発送時の日時や郵送物の内容を証明する力はありません。一方、内容証明郵便は、法的に発送日時や内容が証明されるため、トラブルが発生した際に証拠として利用できます。
また、内容証明郵便は、訴訟において司法書士や弁護士が援用できる証拠となる力があります。通常郵便に比べて費用は高くなりますが、法的なトラブルに巻き込まれた場合のリスク軽減のためにも、内容証明郵便の利用を検討しましょう。相手に対して強制力はないものの、相手が内容証明郵便を受け取ったことで、対応の度合いが違ってくることもあります。
ただし、時効援用通知に関しては、法律上は、内容証明郵便である必要はありません。普通郵便でもFAXでも、さらには電話で口頭による時効援用を行っても法的には有効です。しかし、後のトラブルを避けるため、また証拠を残すために、配達証明付きの内容証明郵便で送ることが一般的です。
内容証明郵便で送ることの利点
時効援用通知書を送る際に内容証明郵便を利用することは、借金の消滅時効を確実に主張する上で非常に重要です。
まず、内容証明郵便は「いつ」「誰が」「どのような内容の書面を送ったか」を公的に証明できる手段です。これにより、時効援用の意思を相手方に確実に伝えた証拠が残ります。特に、後日トラブルが発生した場合でも、この記録があれば自分の主張を裏付けることが可能です。
また、内容証明郵便を利用することで、相手方が通知書を「受け取っていない」と主張するリスクを防ぐことができます。送達日の記録も残るため、時効の成立要件を満たしているかどうかを明確にする上でも役立ちます。
内容証明郵便には、付け加えると以下のような利点もあります。
1. 受取人が受領を拒否した場合でも、送達が完了したとみなされるため、証拠能力が保たれます。
2. 弁護士や司法書士と相談しながら作成することで、適切な内容が確認できます。
3. 郵便局が発行した証明書は一定の信用力があるため、相手に対して真剣に受け止められる効果が期待できます。
こうした利点から、証拠として残りやすい内容証明郵便が一般的に推奨されています。
内容証明郵便の書式と作成部数
内容証明郵便は、特定の内容を相手に送った事実を郵便局が証明してくれる制度です。法的な効力を持つ場合もあり、契約解除や催告など、重要な通知を行う際に活用されます。
書式のポイント
内容証明郵便には、以下のように書式にもルールがあります。
・用紙サイズ:A4用紙が一般的です。
・文字数と行数:1行あたり20字以内、1ページあたり26行以内と規定されています。
・署名・押印:作成者の署名や押印を忘れずに行います。
書き方は、誰が誰に対して、何を求めているのかを明確かつ簡潔に記載することが重要です。
作成部数
内容証明郵便を送る際には、以下の部数を用意する必要があります。
1.郵便局提出用:郵便局が保管します。
2.相手方送付用:相手に送る文書です。
3.自己保管用:自分で保管する控えです。
計3部を作成するのが基本ですが、複数の相手に送る場合は人数分の送付用を追加で用意します。
内容証明郵便の作成は法律的な手続きと深く関わるため、ミスを防ぐためにも専門家に相談することをおすすめします。
内容証明郵便の具体的な発送方法
内容証明郵便は、債務の返済や契約の解除など、相手に対して書面で意思表示が必要な場合に効果的です。まずは、内容証明郵便を作成する際に必要な事項を確認しましょう。
・相手の氏名、住所、その他連絡先
・自分の氏名、住所、電話番号など
・請求事由や借金の額、期限、遅延損害金など
・内容証明郵便の目的(例:返済催促、契約解除等)
これらを含めた文書を作成し、専門の事務所や弁護士に依頼して確認してもらうことをおすすめします。確認が終わったら、郵便局で内容証明郵便の手続きを行います。発送時には、郵便局員に発送方法や料金などを確認しましょう。
内容証明郵便を発送する流れ
1.書類の準備
内容証明郵便に記載する文書を3通作成します。1通は相手に送る分、1通は郵便局が保管する分、1通は差出人の控えです。文面には日時や送付内容を正確に記載しましょう。
2.書式の確認
文字数や行数の制限があり、1行は20字以内、1枚は26行以内に収める必要があります。郵便局に提出する前に、書式を確認してください。
3.郵便局での手続き
内容証明郵便は、取扱可能な郵便局でのみ受け付けています。書類を持参し、窓口で内容証明郵便の手続きを依頼します。必要に応じて、配達証明を付けると、相手に到達した日時も証明できます。配達証明は別途350円かかります。
4.費用の支払い
内容証明郵便には、通常の郵便料金に加えて内容証明の手数料がかかります。1枚目の内容証明料は480円で、2枚目以降は1枚につき290円追加されます。窓口で合計金額を確認し、支払いを行います。(※郵便料金の改正に伴い、変更の場合があります。ご確認ください。)
必ずレシートを保管しておくことで、後々のトラブル防止につながります。
郵送後にすべきこと
借金の消滅時効を成立させるために、内容証明郵便で時効援用通知書を送ることは重要な一歩です。しかし、それで手続きが終わりではありません。
・通知書が確実に相手方に届いたかを確認してください。
内容証明郵便には配達証明を付けることで、相手に届いた日時を記録として残せます。この記録は、後日トラブルが発生した場合の重要な証拠となります。
・相手方からの返答内容を注意深く確認しましょう。
時効援用が認められれば、返済義務が消滅したことを文書で通知される場合があります。一方で、相手から異議や追加の請求が届いた場合には、その内容に適切に対応する必要があります。
・内容証明郵便の控えや配達証明などの記録を大切に保管してください。
これらは、万が一訴訟に発展した際に有力な証拠となります。
通知書を送った後の対応が複雑になるケースもあるため、司法書士や弁護士にアドバイスを受けることで安心して手続きを進めることができます。アヴァンス法務事務所では時効援用の事例もございます。知らないところから請求書や督促状が届いた場合も、まずはお早めにご相談ください。
内容証明郵便を利用する際の注意点
内容証明郵便は、送った書類の内容や送付日を郵便局が証明する手続きです。法的な証拠能力を持つため、契約の解除通知や債権の請求など、重要な場面でよく利用されます。ただし、利用時にはいくつか注意点があります。
まず、内容証明郵便は内容そのものを確認するだけで、法的効力が自動的に生じるわけではありません。内容に不備や法律的な問題があると、証拠として十分な効果を発揮できない場合があります。そのため、事前に専門家に内容を確認してもらうことが重要です。
また、内容証明郵便には差出人が書類の内容を3部作成し、1部を郵便局に保存する必要があります。内容に改ざんがあってはならないため、正確な表記や適切な言葉遣いを心がけましょう。
もしも、内容証明郵便を受け取る相手が、その文書を受け取らなかった場合、発送した事実は証明されますが、相手が内容を確認しなかった場合の対応策を検討することも大切です。
内容証明郵便は、正しい方法で活用することで大きな力を発揮します。ご不明な点や不安があれば、ぜひ司法書士などの専門家にご相談ください。
時効援用通知書を送る際の注意点
借金の消滅時効を主張するために時効援用通知書を送る際には、いくつかの点で注意が必要です。これを怠ると、時効が認められない場合や、トラブルに発展する可能性があります。
1.通知書の内容は正確であることが大切です。
消滅時効を主張する意思を明確に伝え、具体的な借入先や借入額、消滅時効が成立した理由(最後の返済日など)を正確に記載しましょう。
2.通知書は必ず内容証明郵便で送付してください。
これにより、相手が受け取った事実を証明でき、後々のトラブルを防ぐことができます。
3.消滅時効が成立しているかを慎重に確認することも重要です。
返済履歴や督促状の記録を見直し、時効の進行が中断されていないか確認してください。既に裁判を起こされていて裁判所から通知が来たり、強制執行や差押えなどの手続が取られている場合には、成立しません。
通知書の作成や手続きが不安な場合は、司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。専門家のサポートを受けることで、手続きのミスを防ぎ、確実に時効援用を行うことができます。安心して手続きを進めるためにも、ぜひご相談ください。
時効が援用できたかどうかを確認する際は慎重に
借金の消滅時効を援用した場合、債権者がその主張を受け入れているかどうかを確認することが重要です。次のようなポイントを参考に、時効援用が適切に行われたかどうかを確認しましょう。
・時効援用通知を内容証明郵便で送付している場合、郵便局の控えを保管しておきましょう。
これにより、通知が確実に債権者へ送られたことを証明できます。
・債権者からの反応を確認します。
通知後、債権者が請求を取り下げた、または回答がなく、何の連絡もない場合、時効援用が認められた可能性があります。ただし、債権者が異議を申し立てている場合は、時効が争われる可能性もあります。
・信用情報機関で自身の借入情報を確認する方法も有効です。
時効援用が認められると、借金の記録が抹消されている場合があります。(されていないケースもあります。)
万が一、債権者が時効を認めない場合や不安がある場合は、司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。
時効援用が認められなかった場合の対処法
時効援用が認められなかった場合でも、冷静に対処することで解決の可能性があります。まず、援用が認められなかった理由を明確にすることが重要です。例えば、時効期間の計算が誤っていた、債権者からの請求が時効期間内に行われていた、または時効完成後に債務の一部を返済してしまい、時効が中断していた可能性があります。
問題点を確認したら、以下のような対策を検討します。
1.債権者との交渉
時効が成立していない場合でも、債権者と相談し、分割払いなどの柔軟な返済計画を提案することができます。
2.内容証明郵便の再送付
時効援用通知に不備があった場合、正しい手続きで改めて通知を送ることで、再審査を求めることが可能です。
3.法的措置の検討
債権者が不当な請求を行っている場合、法的な手続きにより問題を解決できることもあります。
4.専門家への相談
時効援用や債務整理の経験が豊富な司法書士に相談することで、適切な対応策を提案してもらえます。
時効援用に失敗した場合、多くのケースではその後、再度債務整理を検討します。債務整理には種類があり、債権者と直接交渉することで、返済の計画を再編する任意整理や、住宅ローンがある場合は個人再生により、返済を継続することになるでしょう。どうしても返済が困難な場合は、免責により借金がゼロになる自己破産を視野に入れますが、家などの財産を失う可能性があります。また、過払い金がある場合は、返還請求により払いすぎた利息を回収することができるかもしれません。
まずは問題を正確に把握し、専門家と連携して最適な対策を講じましょう。アヴァンス法務事務所では、依頼される方の約8割が任意整理による債務整理を選択されます。また、返済期間中は、新たに借金をしないようにお願いしております。困った際はぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
消滅時効援用の「通知書」とは、借金の消滅時効が成立したことを主張し、返済義務を法的に免除してもらうために債権者へ送る正式な文書です。民法で定められている「時効の援用」は、通知書による意思表示を行わない限り成立しないため、この通知書は非常に重要な役割を果たします。
書き方の基本
通知書には以下の項目を明記する必要があります。
1.宛先:債権者の正式名称(会社名や担当部署)。
2.差出人:借主の名前、住所、連絡先。
3.主張内容:具体的な債務(契約日や金額など)を記載し、消滅時効を援用する旨を明確に伝える。
4.発送日:通知書の作成日。
5.署名または記名押印:本人の確認を可能にするため。
注意点
・証拠を残す:内容証明郵便を利用し、発送記録を残すことが重要です。
・誤記に注意:契約内容や金額を間違えると、時効援用が無効になる可能性があります。
・専門家への相談:記載漏れや形式不備を避けるため、司法書士や弁護士に相談するのがおすすめです。
時効の援用は借主にとって大きな影響を持つ手続きです。通知書作成に不安がある場合は、専門家に依頼することで確実に進めることができます。
アヴァンス法務事務所では全国から土日を問わず24時間、電話やメールでの無料相談を受付しています。時効援用のみならず、借金にお悩みの方、債務整理を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。