2018.12.14
「過払い金」って何?過払い金の正しい知識を身に付けよう
テレビCMなどで「過払い金」という言葉を見聞きする機会があると思いますが、「過払い金」とはいったい何なのでしょうか。今回は過払い金が発生する仕組みから、過払い金請求の手続きの流れについて、正しい知識が身に付く基礎知識をご紹介します。
■「過払い金」はなぜ発生する?どうすれば取り戻せる?
[過払い金は「グレーゾーン金利」が原因で発生する]
「過払い金」とは、借金の返済時に発生した「払い過ぎていた利息」のことです。2010年6月17日の法改正前は、「出資法」と「利息制限法」という2つの法律が存在し、それぞれの法律が定める上限金利が異なっていました。
そこで、多くの金融会社は上限金利が高い出資法の範囲で金利を設定し、多くの利益を得ていたのです。出資法と利息制限法の間の金利は「グレーゾーン金利」と呼ばれ、これが「払い過ぎていた利息=過払い金」ということになります。
[過払い金請求は、払い過ぎていた利息を取り戻す手続き]
「過払い金請求」とは、金融会社と交渉し、払い過ぎていた利息(=過払い金)を返してもらうための手続きのことをいいます。過払い金請求のメリットは、返済中の借金を減らせたり、お金を取り戻したりできるという点です。
また、すでに借金を全額返済(完済)している場合でも、過払い金請求の手続きは可能です。ただし、完済から10年が経過すると時効が成立し、手続きはできなくなりますので注意が必要です。
■「過払い金」のデメリットについても知っておこう
過払い金請求は、ご自身が払い過ぎていた利息を取り戻すための手続きではありますが、デメリットもあります。手続きを検討中の方は、デメリットも正しく理解しておきましょう。
[「返済中の借金」に対する過払い金請求の場合]
返済中の借金に対して過払い金請求を行い、借金をすべて返済できれば、手続きをしても信用情報機関(俗に言うブラックリスト)に登録されませんので、手続きのデメリットはないといえます。反対に、過払い金請求をしても債務が残った場合は信用情報機関に登録されるため、今後5年~10年の間は、新たな借り入れが難しくなる可能性があります。
[「完済した借金」に対する過払い金請求の場合]
この場合、信用情報機関(俗に言うブラックリスト)に登録されないため、手続きのデメリットはないといえるでしょう。ただし、完済から10年が経過すると時効を迎え、過払い金請求ができなくなってしまうのでご注意ください。心当たりのある方は、早めのご検討・ご相談をおすすめします。
■「過払い金請求」ができる条件と大切なポイントを知ろう
[過払い金請求ができる人の条件とは?]
(1)2007年(平成19年)以前に借入を開始している人
(2)借金を完済している場合、完済から10年以内の人
「過払い金が発生しているかもしれない」という心当たりがある方は、お早めにアヴァンス法務事務所にご相談ください。
黙っていては「過払い金」は戻ってこない!
過払い金は、金融会社に対して過払い金請求の手続きを行い、「払い過ぎていた利息を返して欲しい」という交渉をしない限り、取り戻すことはできません。また、交渉の仕方によって、戻ってくる過払い金の金額が変わる可能性があります。
戻ってくる金額は、金融会社によって条件が異なることがあります。中には、交渉に応じてくれない金融会社もあります。だからこそ、過払い金請求の手続きや交渉の経験豊富な認定司法書士や弁護士などの専門家への依頼が大切です。
より多くの過払い金を取り戻すには「裁判」という手段も
過払い金請求の手続きを行い、金融会社と交渉したものの、提示金額に納得できない場合、裁判をすることでより多くのお金を取り戻せる可能性があります。裁判を検討する前に、裁判にかかる費用や時間について確認しておくと良いでしょう。
■「いくら取り戻せるのか?」を計算する方法はあるものの…
過払い金が発生している可能性がある場合、「過払い金の金額はいくらなのか?」が気になることと思います。過払い金の金額を計算する手順は、以下の2つになります。
(1)お金を借りた金融会社から、これまでの「取引履歴」を取り寄せる。
(2)利息制限法内の上限金利に基づいて「利息の再計算(引き直し計算)」をする。
※利息制限法に基づいて地道に再計算をする必要があります。
簡単なようですが、実際はそうではありません。取引明細や金融会社との契約書が手元に残っていない場合、(1)のように金融会社に連絡して取引履歴を取り寄せる必要があります。しかし、金融会社によっては送付までに1ヶ月以上かかる場合があります。
そして(2)の「利息の再計算」は、まさしく気が遠くなるような作業です。「返済をした」もしくは「借り入れ」をした全ての取引について、地道な計算を繰り返す必要があります。金融会社との取引期間が長くなるほど、計算は膨大な量になります。
また、取引履歴そのものが読み解きにくく、計算間違いが起こりやすいため、ご自身での正確な金額の算出は困難を極めます。よくある「過払い金シミュレーション」「計算ソフト」などは簡単な計算式を利用しているだけなので、こちらも正確な計算結果は期待できません。
アヴァンス法務事務所にご相談いただくと、過払い金の有無の診断から、過払い金の正確な金額の算出までを無料で行います。そして、金融会社との交渉まで、過払い金請求の手続きすべてをお任せいただけるので安心です。
■「過払い金請求」の手続きの流れとリスクを知る
[認定司法書士や弁護士に依頼する場合]
過払い金の有無の調査、利息の再計算、交渉までおまかせ。過払い金請求や、その他の債務整理を得意とする事務所に依頼すれば、ご自身で取引履歴の取り寄せ、利息の再計算、金融会社との交渉といった大変な作業をする必要はありません。
豊富な経験・実績・ノウハウを持つ事務所なら、ご自身では難しい過払い金の有無の診断や、利息の再計算を正確に行ってもらえます。また、金融会社との交渉もスムーズに進むため、より良い条件で和解しやすくなります。
[自分で手続きをする場合]
1:金融会社から取引履歴を取り寄せる。
先ほどご説明した通り、金融会社からこれまでの取引内容がわかる「取引履歴」を取り寄せます。取引履歴の取り寄せには、おおむね2週間~3ヶ月かかります。
2:利息の再計算(引き直し計算)をする。
次に、金融会社から取り寄せた取引履歴を確認し、利息制限法の上限金利に基づいて利息の再計算をします。これにより、払い過ぎていた利息の金額が分かります。自分で計算することは可能ですが、非常に膨大な量の計算になるため、正確な金額の算出は極めて難しくなります。
3:金融会社に対して、過払い金請求の交渉をする。
利息の再計算ができたら、過払い金を取り戻すために金融会社と交渉します。ご自身で金融会社と交渉することは可能ですが、必ずしも金融会社が交渉に応じるとは限りません。
また、たとえ交渉に応じた場合でも、お客様に不利な条件を提示する可能性があり、全額を取り戻せるか分からないというリスクもあります。