2025.06.16
過払い金請求のデメリット・リスクとは?メリットと合わせて解説
「過払い金請求にはデメリットもあるって本当?」
借金を返済中、あるいはすでに完済した方にとって、「過払い金が戻ってくる」という話は魅力的に映ります。しかしその一方で、「カードが使えなくなる?」「ブラックリストに載る?」など、不安な噂も後を絶ちません。
この記事では、多くの方が見逃してしまいがちな、過払い金請求の「隠れたリスク・デメリット」について解説します。
■過払い金請求の「隠れたリスク・デメリット」を知ろう
過払い金返還請求は、多くの方にとって借金の減額や返済の負担軽減に繋がる大きなチャンスですが、知っておくべき「隠れたリスクやデメリット」も存在します。請求を行うことで一時的な返済金額が減る一方、今後の信用情報に影響が出る場合や、予期せぬトラブルに繋がることもあります。過去にカード会社からのキャッシングやカードローンなど、何らかの形で借入を行い、「過払いがあるのでは?」という疑問をお持ちの方は、これらのリスクを十分に理解した上で、専門家のアドバイスを受けながら慎重に進めることが重要です。
過払い金請求をした金融会社は利用できない!?その実態とは
過払い金請求をした後、信用情報機関に「事故情報」として登録されることは基本的にありません。つまり、過払い金請求をしたことで信用情報が、いわゆる「ブラックの状態」にはならないのが一般的です。過払い金請求自体は借り入れに関する支払い義務が果たされていると見なされ、借金の返済を済ませたことや返済中に過払い金を取り戻したことは、金融会社にとって「返済義務が履行された」ことを意味します。そのため、通常は借り入れに関するネガティブな情報がブラックリストとして信用情報機関に登録されることはありません。
しかし、借り入れをしていた金融会社に対して過払い金請求を行った場合には、一定の影響が出ることが考えられ、今後の借入れやクレジットカードの利用に制限がかかる場合があります。これは、過払い金請求を行ったことがその金融会社にとって、信頼関係の破綻や支払い義務が完了したことを意味するため、金融会社が今後も同じ利用者に対して新たな信用を提供することに慎重になる場合があるからです。
金融会社が過払い金請求後に取る対応の違い
過払い金請求についての対応は、金融会社によって異なるため注意が必要です。具体的には、過払い金請求をした金融会社が、その後新たに借り入れを行う場合やクレジットカードの利用を希望する場合に、拒否や制限を行う可能性があるという点です。
1.過去の取引履歴をもとに審査
金融会社は、過払い金請求をしたことを契約履歴として認識している場合、その後の融資審査に影響を与えることがあります。特に過去に過払い金請求を行った金融会社は、今後の融資やクレジットカード利用に対して慎重になることがあります。利用者がその会社に対して過去に過剰な金利を支払っていたことから、金融会社としてはリスクを避けるために、過去の利用履歴を理由に新たな契約を結ぶのを避ける場合もあります。
2.信用情報機関に過払い金請求の履歴が残る場合
完済後の過払い金請求が信用情報に記録されることはありませんが、一部の金融会社は過払い金請求を行った履歴をもとに「取引履歴」として内部で保持し、将来的な借り入れに影響を与える場合もあります。そのため、過払い金請求を行った金融機関で再度借入れを希望する場合、過去に請求を行ったことがその後の審査において不利に働くことがあります。
3.過払い金請求後の借り入れ制限
過払い金請求を行った後、金融会社がその情報を内部で記録し、その後新たな借り入れに関して制限をかけることがあるため、今後の金融サービスの利用に影響を及ぼす場合があります。これにより、別の金融機関からの融資を受ける際にも、過去の過払い金請求が影響を与える可能性があることを理解しておく必要があります。
注意点と対策
過払い金請求をする際に重要なのは、請求をする金融会社のポリシーや、その後の影響を十分に理解しておくことです。過払い金請求が原因で新たな借り入れが難しくなる場合もあるため、特に借り入れが必要な場合や、クレジットカードを積極的に利用する予定がある場合は、事前に影響を確認しておくと良いでしょう。
・信頼できる専門家と相談
過払い金請求を行う前に、信頼できる司法書士や弁護士に相談することで、請求後の影響についてもアドバイスを受けることができます。専門家は、金融会社の対応や過払い金請求後の状況についても説明してくれるため、納得した上で請求を進めることが可能です。
・今後の利用に備えた準備
過払い金請求後に新たな借入れが難しくなる場合がありますので、その点についても考慮し、金融会社の対応を踏まえた上で、生活設計をしっかりと立てることが大切です。
万が一、貸付を行った金融機関が破産・倒産している場合には、過払い金返還請求はできません。過払い金請求を行うことで得られるメリットは多い一方で、金融会社によっては今後の借入れに影響が出ることがある点を理解し、慎重に行動することが求められます。
[誤って事故情報を登録されてしまうことも…]
先ほどと同様に、完済後に手続きをした場合や、取り戻した過払い金で借金を完済した場合は、事故情報として登録されることはありません。にも関わらず、金融会社のミスなどによって事故情報として登録されるケースがあります。これこそ、隠れたデメリットです。
事故情報の登録がないはずなのに、ローン審査が通らない、クレジットカードを作れないという場合は、信用情報機関から信用情報を取り寄せ、確認してみましょう。万が一、金融会社のミスなどで誤った事故情報が登録されていた場合は、金融会社に申し出れば、登録された事故情報を削除してもらえます。
[「自分で手続き」の大きなリスク・デメリット]
一般の方にとって、利息の再計算が非常に高いハードルとなることがデメリットです。取引履歴の内容を読み取りながら、利息制限法の上限金利に基づいて金利を計算し直すという作業は、膨大な量の計算が必要になります。ネット上には「自動計算ソフト」といったものも出回っていますが、簡単な計算式を組み込んであるだけで、正確な計算結果は期待できません。
ご自身で手続きをする場合、金融会社とのやり取り・交渉も当然ご自身で行います。金融会社によっては交渉に応じてくれないこともありますし、不利な和解条件を提示されることもあります。ご自身での判断が難しい場合も、多々あるでしょう。金融会社からの電話や書類のやり取りがもとで、借金の事実がご家族に知られてしまう可能性もあり、ご自身での手続きはリスク・デメリットのみならず、負担も大きいといえます。
[手続きを依頼する前に…悪徳業者に要注意]
過払い金請求を行う際には、悪徳業者に注意が必要です。特に、過払い金請求を取り扱う事務所やNPO法人を名乗る業者が存在し、その中には法的に不正な手続きを行う業者が含まれています。これらの業者は、依頼者の不安につけ込み、高額な手数料を請求したり、過剰な広告宣伝を行ったりすることがあります。また、過払い金請求を行う過程で不正確な情報を提供したり、依頼者にとって不利益な結果を招いたりすることもあるため、十分に注意しなければなりません。
悪徳業者の中には、過払い金請求の手続きを「無料」や「格安」で提供するという誘い文句を使って、依頼者を引き寄せることもあります。しかし、実際には手数料が高額であったり、後から追加料金を請求されたりすることがあるため、最初の条件が明確でない場合には警戒が必要です。また、過払い金請求を行うためには、法律に基づいた資格を持つ専門家に依頼する必要があります。認定司法書士や弁護士など、過払い金請求に関する専門的な知識と資格を持っていない者が手続きを代行することは、できません。
過払い金請求を依頼する際には、必ず信頼できる専門家に相談し、契約内容や手数料の確認をしっかりと行いましょう。資格を持った専門家が対応する事務所を選ぶことが、無駄なトラブルを避けるための重要なポイントです。
■改めて確認しよう!過払い金請求をする意義・メリット
この記事では、過払い金請求の手続きで見落としがちなデメリットについてご説明していますが、ここで改めて過払い金請求をする意義・メリットを確認しておきましょう。
過去に消費者金融やクレジットカード会社から借り入れをしていた場合、支払いすぎた利息を取り戻せる可能性があります。支払いすぎた金額を返還してもらうことで、そのお金を借金の返済にあてることができ、そのことで経済的にも精神的にも余裕が生まれます。
過払い金が発生する仕組みと確認方法
過払い金請求をすることで、過去に支払いすぎた利息を取り戻すことができる場合がありますが、どのような仕組みで過払い金が発生するのか、どのように確認すればよいのかについて、しっかりと理解しておくことが大切です。
過払い金が発生する仕組みとは?
過払い金が発生する主な条件は、借入れをした金融機関と利息制限法に基づく上限金利(借入額に応じて年15~20%)を超える金利で契約をしていた場合です。特に、2010年6月18日以前に消費者金融などで借り入れを行っていた方に多く見られます。消費者金融の金利は高いもので年29.2%にも達しており、これは利息制限法で定められている上限金利を大きく上回っています。
実際に過払い金が発生するのは、借り入れ期間中に支払いすぎた利息部分です。例えば、年利29.2%で借り入れを行っていた場合、利息制限法では年利15~20%が上限となるため、超過した金利分は「過払い金」として取り戻せる可能性があります。
過払い金が発生するかどうかの確認方法
過払い金が発生するかどうかを確認するためには、まずは過去の借入れや返済の履歴を把握する必要があります。具体的には、以下の方法で確認できます。
・金融機関に過去の取引履歴を請求する
借入れをした金融機関や消費者金融、つまり債権者に対して、過去の取引履歴(契約内容や返済履歴)を請求します。取引履歴の保存義務は5年とされていますが、過払い金請求のためには5年以上前の履歴も必要になることがあります。保存期間を過ぎても、業者が保管していれば開示請求は可能です。
・司法書士や弁護士に相談する
過払い金の請求には専門的な知識が必要です。司法書士や弁護士に依頼することで、過払い金の発生有無を適切に調査し、必要な手続きを進めることができます。なお、司法書士が代理人として対応できるのは「1社ごとの元金が140万円以下」の場合に限られます。それを超える場合は弁護士に依頼する必要があります。
・過払い金調査の依頼
司法書士や弁護士に依頼すれば、過払い金の調査も代行してもらえます。取引履歴を基に、どれだけの過払い金が発生しているか、どれだけ取り戻せる可能性があるのかを明確にしてもらえるため、確実に過払い金を確認することができます。
過払い金請求をするタイミング
過払い金請求は、過去の取引終了(通常は完済)から10年以内に行う必要があります。また、2020年4月1日以降の民法改正により、「完済から10年」または「請求できることを知った時から5年」のいずれか早い方で時効が成立します。時効を過ぎると請求できなくなるため、早めの対応が重要です。
もし過去に借入れがあり、支払いが長期間続いていた場合、過払い金が発生している可能性は十分にあります。特に、利息の支払いが多かった方や、2010年以前に消費者金融から借り入れをしていた方は、過払い金請求を検討する価値が高いです。
過払い金は、上限金利を超えた金利で契約が行われていたことが原因で発生します。そして、その確認方法は、取引履歴を請求したり、専門家に依頼して調査を行ったりすることです。過払い金請求は、気がついた時点でできるだけ早急に、そして時効に注意を払いながら手続きを進めることが大切です。
過払い金請求のメリットとは?
長年にわたって高い金利で借り入れをしていた場合、過去に払い過ぎた利息を取り戻すことができる可能性があります。特に、消費者金融やクレジットカードの利用者にとっては、過払い金請求をすることで本来の利息よりも高く、不当に支払ったお金を取り戻すことができる手段です。過払い金請求をすることで、返済負担を軽減したり、すでに完済した借金から返金を受けたりすることができ、経済的な救済となることが多い一方で、過払い金請求には一定の条件や手続きが必要ですので、専門家に相談しながら進めることが大切です。
[取り立て・返済をストップできる]
過払い金請求の手続きを認定司法書士や弁護士に依頼すると、依頼を受けた専門家は金融会社に対して「受任通知」を発送します。これにより、金融会社からの取り立てと返済を一時的にストップすることができます。
[払い過ぎていた利息を取り戻せる・借金を減額できる]
過払い金請求の最大のメリットは、金融会社に対して払い過ぎていた利息を取り戻せるという点です。借金を返済中の場合でも、借金を完済して、さらに手元にお金が戻ってくることもあります。残りの借金が多い場合でも、払い過ぎていた利息分を借金に充当することで、借金を減額することもできます。
[信用情報機関に登録されない]
すでに借金を完済している方が過払い金請求の手続きをしても、信用情報機関に登録されることはありません。また、返済中の方で、過払い金を取り戻せた場合も信用情報機関に登録されることはありません。
[家族などに知られずに手続きができる]
過払い金請求の手続きは、金融会社と直接交渉するため、家族などに知られずに手続きを進めることができます。アヴァンス法務事務所では、電話連絡のタイミング、連絡先の電話番号などに最大限配慮し、強い交渉能力を発揮しております。
グレーゾーン金利と過払い金の関係
過払い金請求を検討している方の中には、「グレーゾーン金利」と「過払い金」の2つの関係について、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。特に、過去に消費者金融やクレジットカード会社からお金を借りていた方は、この問題に関心が高いはずです。ここでは、グレーゾーン金利と過払い金の関係について、詳しくご説明いたします。
グレーゾーン金利とは?
・利息制限法の上限金利:借入額に応じ年15~20%
・当時の出資法の上限金利:年29.2%
この「利息制限法の上限を超えつつ出資法の上限以下」の金利を指し、業者はこの領域で高金利を設定していました。
※現在は貸金業法改正により撤廃され、金利上限は利息制限法に統一されています。
グレーゾーン金利と過払い金の関係
過払い金とは、過去にグレーゾーン金利適用時に支払いすぎた利息を指します。
グレーゾーン金利が適用されていた場合、利息制限法の上限を超えた部分は無効であり、差額が過払い金となります。過払い金請求により、この超過分の返還を求めることが可能です。
過払い金請求のメリット
・不当な利息の返還:支払いすぎた利息を取り戻せます。
・借金の減額:現在借入中の場合、過払い金を残債の相殺に充てられます。
・精神的負担の軽減:経済的不安の解消につながります。
過払い金請求の時効
2020年4月の民法改正により、時効のルールが変更されました。
・完済から10年
・過払い金の存在を知ってから5年
いずれか早い方で時効が成立します。早期の対応が重要です。
グレーゾーン金利は過去の制度ですが、適用されていた場合、過払い金が発生している可能性があります。過払い金請求を検討されている方は、時効に注意し、早めに専門家へご相談ください。
過払い金の正確な算出方法
過払い金は、過去の取引履歴に基づく「法定金利での再計算(引き直し計算)」によって算出されます。個々のケースで金額が異なる理由は、元本の返済状況に応じて適用金利が変動するためです。
1. 過払い金算出の基本プロセス
1.取引履歴の取得
貸金業者に過去の取引履歴(借入日・金額・返済額)を開示請求します。保存義務期間(5年)を超えても、業者が保管していれば入手可能です。
2.法定金利での再計算
利息制限法の上限金利で全取引を再計算します。
借入額に応じた上限金利は次のとおりです。
・10万円未満の借入れの場合、上限金利は年20.0%となります。
・10万円以上100万円未満の借入れの場合、上限金利は年18.0%です。
・100万円以上の借入れの場合、上限金利は年15.0%が適用されます。
3.引き直し計算の実施
実際の返済額と法定金利での計算額の差額が過払い金となります。
以下の点に、それぞれ注意が必要です。
・返済ごとに元本が減るため適用金利が変動
・返済額の内訳(元本/利息)を法定金利で再分配
2. 計算時の重要なポイント
・返済状況の影響
返済途中の借入では、その後の取引を含めた全履歴の精査が必要です。完済後も過去の取引が対象となります。
・専門性の必要性
引き直し計算は複雑なため、司法書士(※元本140万円以下/1社)や弁護士に依頼することをおすすめします。
・時効のリスク
請求権は「最後の返済から10年」または「過払い金の存在を知ってから5年」の、いずれか早い方で消滅します。
過払い金の正確な算出には、専門家による法的根拠に基づく引き直し計算が不可欠です。特に司法書士に依頼できるのは「1社あたり元本140万円以下」の場合に限られる点にご注意ください。
失敗しないために。安心して請求するための心得
過払い金の返還請求は、法的な手続きが必要となるため、慎重に進めることが大切です。しかし、デメリットやリスクを考慮した上で、正しい知識を持って適切なアプローチをすれば、過払い金を取り戻すことは十分に可能です。まずは、信頼できる専門家に相談し、手続きの流れや必要な書類をしっかりと理解しておくことが成功への第一歩です。
過払い金の返還請求は完済後が良い?返済中でもできる?
過払い金とは、法定金利を超える利息を支払っていた場合に、過剰に支払った利息のことを指します。過払い金は、借金の返済中でも完済後でも請求することができます。
1. 借金返済中でも過払い金請求は可能
返済中に過払い金請求を行うことで、過払い金が借金残高を上回れば、借金が完済され、さらに差額が現金で戻ることもあります。過払い金が借金残高に満たない場合は、残りの借金を減額できます。
2. 完済後の請求のメリット
完済後に過払い金請求を行う場合、信用情報に事故情報が登録される心配がなく、デメリットはほとんどありません。また、返済が終わっているため精神的にも余裕を持って手続きができます。
3. 返済中の請求の注意点
返済中に過払い金請求をすると、借金が残る場合や債務整理を伴う場合は信用情報に事故情報が登録される可能性があります。一方で、過払い金が借金残高を上回る場合は、事故情報が登録されずに済むこともあります。
4. 時効に注意
過払い金請求には時効があります。完済後は「完済から10年」または「過払い金の存在を知った時から5年」のいずれか早い方で時効が成立します。時効が成立すると請求できなくなるため、早めの手続きが重要です。
過払い金請求は、完済後でも返済中でも可能です。状況によってメリット・デメリットが異なるため、まずは専門家に相談し、自分にとって最適なタイミングで請求手続きを進めることをおすすめします。
過払い金の請求に失敗したらどうすればいい?
過払い金返還請求を行う際、成功すれば嬉しい結果が得られますが、万が一「失敗した」と感じる場合もあるかもしれません。過払い金請求が思うように進まなかったり、予想以上の返還額が得られなかったりした場合、どう対処すればよいのでしょうか?失敗したと感じる状況において重要なのは、冷静に次の一手を考え、適切な対応をすることです。
まず、過払い金返還請求を失敗と感じる理由について考えてみましょう。
1. 過払い金の返還額が予想より少なかった
過払い金返還請求をした場合、「返還額が予想以上に少なかった」と感じることがあります。これは、利息の上限や返済履歴に基づいて計算されるため、必ずしも全額が返ってくるわけではありません。そのため、過払い金請求の結果が自分の期待に達していない場合もありますが、これは必ずしも失敗ではありません。返還された金額が全額ではないことを理解し、次のステップを踏むことが重要です。
2. 業者が過払い金を返還しない
過払い金請求をした後、業者が返還を拒否したり、請求に対して無視したりする場合もあります。このような場合、弁護士や司法書士(1社ごとの元本が140万円以下の場合)が代理人として交渉を行いますが、業者側が返還を拒否することもあります。もしも業者が返還しない場合は、法的手続きを進めることも視野に入れましょう。裁判所を通じて請求することもできるので、諦めずに専門家に相談することが重要です。
3. 請求できる期間を過ぎてしまった
過払い金返還請求には時効が存在します。現行法では、「完済から10年」または「過払い金の存在を知った時から5年」のいずれか早い方が時効成立となります。時効が成立している場合、請求できる権利を失い、原則として請求はできません。ただし、時効期間内に内容証明郵便で請求する等、「時効の更新・中断」があれば、時効がリセットされる場合があります。時効が成立しているかどうか、または借金の消滅時効の援用が可能かどうかは、専門家に確認しましょう。
失敗した場合に行うべき対策
1.再度、専門家に相談する
失敗したと感じた場合は、まず信頼できる専門家に再度相談しましょう。過払い金請求の専門知識を持った弁護士や司法書士(1社ごとの元本が140万円以下の場合)が、新たなアドバイスをしてくれるでしょう。諦めずにプロの意見を聞くことが大切です。
2.法的手段を検討する
もし業者が返還しない場合や、交渉が進まない場合は、裁判を通じて法的に解決することも選択肢の1つです。少額訴訟などの方法もあるため、訴訟を通じて法的に過払い金を回収することができます。
3.請求期限に注意し、早めに行動する
過払い金請求には時効があります。時効期間を過ぎてしまった場合は、今後の対応が難しくなることがありますので、早めに行動し、期限を過ぎないように注意しましょう。
4.過払い金請求以外の方法を検討する
もし過払い金請求が難しい場合は、債務整理による借金の減額の方法を検討しましょう。債務整理には、主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つの方法があり、それぞれの状況に適した方法を選択し、進めることになります。自己破産では、手続を行うことで、債務が免除される可能性もあります。
過払い金請求が失敗したと感じた場合でも、最も重要なのは、専門家に相談し、確かな知識と経験を持つ専門家と共に次のステップを踏んでいくことです。
まとめ
過払い金返還請求は、借金の支払い過ぎを取り戻すために非常に有効な手段ですが、デメリットも理解した上で進めることが大切です。過払い金請求を行う前に、どのようなリスクやデメリットがあるのかを把握しておくことで、納得して手続きを進めることができます。
まず、過払い金請求のメリットから考えましょう。過払い金とは、貸金業者が法律で定められた上限金利を超えて利息を取った場合に生じるもので、その金額は取り戻すことができます。特に長期間にわたって高い金利で支払っていた場合、返還額が大きくなることもあります。この返還金は生活に必要な資金として役立つことが多いです。
しかし、過払い金請求にはデメリットや注意点も存在します。代表的なのは、以下のような事例です。
1.請求できない場合がある
すべての契約において過払い金が発生しているわけではありません。過払い金が発生していない場合もありますので、過払い金があるかどうかをしっかりと確認することが重要です。
2.時効に注意
過払い金請求には時効があり、原則として取引終了から10年以内に請求しなければなりません。時効が過ぎてしまうと、過払い金を取り戻すことができなくなるため、早めに相談することが求められます。
3.返還請求の手続きにかかる費用
司法書士や弁護士に依頼して過払い金返還請求を行う場合、手数料が発生します。これにより、返還額から手数料を差し引かれることになりますので、その点も考慮して請求を進める必要があります。ただし、着手金が不要で成功報酬型の料金体系を採用している事務所もありますので、料金体系を事前に確認しておくことが大切です。
4.信頼性のある業者に依頼する
過払い金返還請求を行う際には、信頼できる専門家に依頼することが重要です。悪徳業者に依頼すると、手数料が不当であったり、手続きが遅れたりする可能性があります。事前に事務所の評判や信頼性を確認することをお勧めします。
5.過払い金請求後の借入れが影響する場合も
返還請求後、過去に借入れをしていた金融機関の信用情報に影響を与えることがあります。特に過払い金請求後に、その金融機関との関係が悪化することを心配する方もいらっしゃいます。過払い金請求を行う前に、信用情報への影響についても考慮しておくことが大切です。
過払い金請求は確かにメリットの大きい手段ですが、上記のようなデメリットも理解した上で、慎重に進めることが必要です。
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アヴァンス法務事務所は2007年の設立以来、「安易な和解」を良しとせず、お客様に寄り添った解決策を探りながら、過払い金請求・債務整理に取り組んでいます。
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