2018.11.09
債務整理
借金を債務整理せずに完済する方法とは?判断基準とポイントを解説
債務整理は多額の借金を整理し、経済的な再スタートを切るために有効な手段です。債務整理の方法には種類があり、払い過ぎた利息が戻ってくる過払い金請求や、すべての借金の返済義務が免除される自己破産、他にも任意整理や個人再生と、債務整理の手続きには様々な方法があります。
しかし、それぞれにデメリットと感じられることがあるのも事実です。債務整理をすると、信用情報に記録が残り、一定期間新たなクレジットの利用やローンの申し込みが難しくなることがあります。また、場合によっては、身近な人々に借金問題が知られてしまう社会的な影響も考慮する必要があります。
債務整理の手続きを検討する前に、どのようなデメリットがあるのかを知っておくことで、生活再建に向けた準備の仕方も変わってきます。また、よく「デメリット」と思われているものは、誤解であるケースも少なくありません。
この記事では、今ご自身が債務整理をするかどうか迷っている方へ、債務整理の「デメリット」や誤解されているケース、その後の生活について解説します。
債務整理をするべきケースとは?
債務整理は、借金の返済が難しい状況に陥った際に、返済金額の減額や分割払い、借金の取りまとめなどを行って、借金問題を解決する方法です。
以下のような状況の場合には、債務整理を検討した方がよいでしょう。
・年収の3分の1を超える債務がある場合
・すでに滞納している場合
・きちんと返済しているのに元本が減らない場合
具体的なケースや方法について詳しく見ていきましょう。
年収の3分の1を超える債務がある場合
年収の3分の1を超えるほどに債務が膨らんでしまった場合、借金を返すのが難しくなることが考えられます。
このような状況では、任意整理や個人再生、自己破産などの債務整理を検討して、借金の総額を減らすことや、利息のカット、分割による支払の設定などを行うことをおすすめします。これらの方法はそれぞれメリット・デメリットがあり、借金の状況や給料、生活状況に応じて選択する必要があります。専門家と相談しながら、適切な方法を選択しましょう。
すでに滞納している場合
すでに滞納している場合、かなり借金の返済が苦しくなっている状況が考えられます。債務整理をすることで、返済の遅れを解消し、将来的なリスクを回避することができます。
滞納が続くと、債権者からの督促や取り立てが始まり、生活が困難になることがあります。また、信用情報機関に登録され、クレジットカードの利用停止や住宅ローンの審査に影響を及ぼすことがあります。
債務整理を行うことで、遅延損害金を含む借金の再評価が行われ、返済計画が見直されることがあります。過払い金が発生している場合には、過払い金請求も行うことができます。
きちんと返済しているのに元本が減らない場合
きちんと返済しているのに元本が減らない場合、高い利息が原因となっていることが考えられます。特に、リボ払いやカードローンを利用していた場合には、長期に渡ってしっかり支払をしているにもかかわらず、どうしても返済額が減らない、といった事例もあります。
そのような場合には、債務整理を行うことで、利息のカットや借金の総額の減額が可能です。任意整理や個人再生といった手法を選択することで、返済計画の見直しや利息制限法に基づく利息の引き下げが行われます。
これにより、月々の返済額が減額されるなど、負担が軽減され、借金返済がスムーズに進みます。
借金で借金を返済している場合
借金を返済するために、別の金融機関から新たに借金をしなければならないような場合は、いわゆる「自転車操業」と言われる状態で、債務整理を検討するべきでしょう。
債務整理をするに当たっては、まず弁護士や司法書士と相談し、借金の返済計画を立てることで、返済が困難な状況を改善しようとする方法です。任意整理、自己破産、個人再生などがあります。
任意整理は、金融機関やカード会社など債権者との話し合いを通じて、返済金額や利息の減額を目指す方法です。これにより、現実的な返済計画が立てられることもあります。
自己破産は、法的手続きを経て、借金が帳消しになる方法ですが、財産の差し押さえや信用情報機関に情報が残るなどのデメリットもあります。
個人再生は、裁判所を通じて合意に達した返済計画に基づき、借金を減額して分割払いを行う方法です。これによって、返済が苦しい状況から抜け出すことができることがあります。
また、国民生活金融公庫や信用保証協会などの公的機関を利用し、借り受けをすることも一つの方法です。これらの機関は、借金の返済や生活費の借入をサポートしており、金利が低く、利便性も高いと言われています。
さらに、副業や節約を行い、収入を増やし、支出を減らすことも効果的です。返済に充てられるお金を増やすことで、借金の返済がスムーズに進むことが期待できます。
家族や友人、専門家と相談することも大切です。借金を繰り返している状況においては、一人で悩まず、なるべく早く彼らのサポートや知恵を借りることは、解決に向けて重要なものとなるかもしれません。
債務整理の「デメリット」とは?
債務整理は、借金問題を解決する手段ですが、いくつかのデメリットも伴います。まず、信用情報に記録が残ります。これは「ブラックリスト」とも呼ばれ、記録が残る期間は、新たな借入れが困難になることを意味します。通常、この記録は5年から7年間保持されます。
また、債務整理をすると、クレジットカードの利用や新たなローンの契約が制限されることがあります。これにより、急な出費が必要な場合にも資金調達が難しくなることが考えられます。
・信用情報への影響
・財産の差し押さえ
・再度の借金が難しくなる
・心理的なストレス
以上のような「デメリット」について解説します。
信用情報への影響
債務整理を行うと、信用情報機関に一定期間、事故として記録されることがデメリットのひとつです。信用情報が影響を受けることで、ローンやクレジットカードの審査が厳しくなる場合があります。
ただし、債務整理を通じて借金問題を解決し、無理のない返済計画を立てることで、信用回復の道筋が立てられます。また、過払い金請求などを行うことで、一部の金融機関ではある程度、信用情報が改善されるケースもあります。
長期的に信用を回復させるためには、債務整理後の生活管理や返済計画の遵守が大切です。督促や滞納がないよう注意し、きちんとした収入と支出管理をすることで、信用が徐々に回復していくことでしょう。
財産の差し押さえ
債務整理によって、場合によっては住居や財産の差し押さえが行われることも、デメリットのひとつです。特に自己破産の場合、現金や預貯金、不動産などの財産が差し押さえられる可能性があります。
しかし、個人再生や任意整理の場合は、財産の差し押さえが発生しない場合もあります。例えば、住宅ローンを抱える場合、債務整理の方法によっては、家族と一緒に住む住宅を守ることができるかもしれません。
財産の差し押さえを避けたい場合は、専門家と相談して、適切な方法を選ぶことが大切です。債務整理の方法やケースによっては、財産を保護しながら借金問題を解決することが可能です。早い段階で解決方法を探ることが重要だといえるでしょう。
再度の借金が難しくなる
債務整理を行うことは、借金を解決するためには非常に有効ですが、そのデメリットの一つに、再度の借金が難しくなることが挙げられます。その理由は、債務整理を行ったことが信用情報機関に記録され、信用スコアが低下するためです。これにより、ローンやクレジットカードの審査が通りにくくなります。
具体例としては、住宅ローンや車のローン、クレジットカードの利用が制限されることが考えられます。また、再度の借金が難しくなる期間、つまり信用情報機関に「ブラックリスト」として登録される期間は、債務整理の方法によって異なりますが、多くの場合、数年間は影響を受けることになります。
無理な借金をしなくて済む生活を送り、自己管理能力を身につけることが大切です。
心理的なストレス
債務整理を行う際には、精神的なストレスもデメリットとして考慮しなければなりません。まず、債務整理の手続き自体が煩雑であり、各種書類の手配や、弁護士や司法書士など専門家とのやり取りが必要となります。これらの手続きにより、身近な人たちとの関係性や生活環境に影響がある場合もあります。
また、債務整理については、家族や友人からの理解が得られない場合があります。人間関係にストレスが生じることもあります。
心理的なストレスを軽減するためには、まず自分自身が債務整理の意味を理解し、前向きな気持ちで取り組むことが大切です。また、家族や友人にも事情を説明し、理解を求めることが重要です。
債務整理の手続きごとに異なるデメリット
債務整理にはいくつかの方法がありますが、それぞれにデメリットも存在します。この点を理解することは、どの手続きを選ぶかを決める際に重要です。
まず、任意整理の場合、利息をカットしたり、返済額を減らしたりすることが可能ですが、手続き中は新たなローンやクレジットカードが利用しにくくなります。また、完済までの期間が長くなることもあります。
個人再生では、借入額を大幅に減らすことができるものの、手続きが複雑で時間がかかり、費用も高くなりがちです。
自己破産の場合は、ほとんどの借金を免除してもらえますが、財産を失うことになり、破産者としての社会的な信用も低下します。また、一定期間は公的な資格や職に就くことが制限されることがあります。
過払金請求については、デメリットは特にないものの、時効があるため、注意が必要です。
これらの方法を選ぶ際には、自分の状況や将来の計画を考えながら、デメリットを理解した上で最適な選択をすることが大切です。
ここでは、各債務整理のデメリットについてご説明します。
過去に完済した借金に対する過払い金請求
過払い金とは、消費者金融などの借入れにおいて、法定利息以上に支払われた金利のことを指します。もし過去に完済した借金がある場合でも、過払い金が発生している可能性があります。この過払い金を取り戻すためには、過払い金請求を行うことが必要です。
過払い金請求をするには、まず過去の借金の契約内容や支払い記録を確認し、どれだけの過払いがあったかを計算します。この計算は複雑であるため、専門家である弁護士や司法書士へのご相談をおすすめします。専門家が計算と交渉を行い、必要な書類を整えて金融機関に対して返還を請求します。
この場合は信用情報に登録されることもないのでデメリットはないと言えるでしょう。
過払い金請求は、返還が認められるとその金額を取り戻すことができますが、請求には時効があります。そのため、気づいたらすぐに行動を起こすことが大切です。特にデメリットというわけではありませんが、完済後、10年が経過すると時効になり、過払い金請求を行うことができなくなるのでご注意ください。
現在、返済中の借金に対する過払い金請求
過払い金請求を行うには、まず過去に払い過ぎた金利を確認するため、借入れと返済の履歴を調査します。この調査を基に、どれだけの過払い金が存在するかを計算し、貸金業者に対して返還を求める請求を行います。現在、返済中の借金でも過払い金請求をすることで、その金額を取り戻すことが可能です。
返済中の借金に対して過払い金請求を行い、債務が残った場合は、信用情報機関に登録されるため、一般的には今後5年~10年の間は新たな借り入れが難しくなる可能性があります。ただし、過払い金請求によって借金をすべて返済できる場合は、手続きをしても信用情報機関に登録されないため、デメリットはないと言えるでしょう。
任意整理の場合
任意整理は、多重債務を解決する一つの方法です。任意整理では、債権者と債務者が直接交渉し、裁判所を通さずに済むため手続きが比較的簡単であるというメリットがあります。しかし、いくつかのデメリットも存在します。
任意整理を行うと、信用情報機関に登録される、つまり「ブラックリスト」と呼ばれるもので、今後5年〜10年の間は新たな借り入れが難しくなる可能性があります。
また、任意整理を行っても、すべての借金が免除されるわけではありません。交渉によっては元金の一部しか減額されないこともあり、利息がカットされただけの場合もあります。そのため、返済は続くことになります。
さらに、任意整理をすると、連帯保証人がいる借金の場合、その保証人に返済の責任が移ることがあります。借金に保証人がついている場合、保証人に支払う義務が発生しますので、事前に事情を説明し、保証人の方も返済が難しい場合は同時に債務整理を行うことを検討したほうが良いでしょう。
個人再生の場合
個人再生を行うには、裁判所に申し立てをして、返済計画を提出する必要があります。この計画は、裁判所と債権者の承認を得ることが必要です。計画が承認されると、借金は減額され、通常3から5年の間で分割払いで返済することになります。
個人再生は多額の借金を減額して再スタートを切る手続きですが、いくつかのデメリットもあります。まず、手続きが複雑で時間がかかることがあります。通常、個人再生の手続きには数ヶ月から1年ほど必要です。また、税金や罰金は減額されません。また、一定の収入が必要とされるため、安定した収入がない場合は個人再生の手続きができないこともあります
個人再生の場合は全ての債務が対象になり、親戚や友人からの借入もすべて手続きの対象になります。また、ローンが残っている車などの財産も引き上げの対象になる可能性があります。
信用情報については、任意整理と同様に信用情報機関に登録されますので、今後5年~10年の間は新たな借り入れや、カードの発行が難しくなる可能性があります。また、保証人についても任意整理と同様に保証人に支払い義務が発生しますので、事前に事情を説明し、保証人の方も返済が難しい場合は同時に債務整理を検討したほうが良いでしょう。
また、「官報」という国が発行する機関紙に債務整理を行った事実が掲載されますが一般の方が目にする機会はほとんどありません。
自己破産の場合
自己破産の場合は「財産の処分」「資格制限」「免責不許可事由」があげられます。
まず財産については、車や住宅など、一定の財産を処分する必要があります。ただし、裁判所の規定内の日常生活に必要となる家具や家電、99万円以下の現金などについては手元に残すことが可能です。
次に、仕事への影響として「資格制限」があり、申し立ての期間中は弁護士や税理士などの士業、警備員や保険募集人などの職業に就けなくなります。この制限は、財務的な信頼性が特に求められる職業で、責任を果たす能力に疑問があると判断されるために設けられています。ただし、資格がはく奪されるわけではありませんので、自己破産の手続き後は再び同じ仕事に就くことが可能です。
「免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)」とは、あまり聞き慣れない言葉かもしれません。自己破産をすると、多くの場合、債務から解放される「免責」という手続きがありますが、特定の状況下では免責が許可されないことがあります。これを「免責不許可事由」と呼びます。
例えば、債務者が借金をする際に虚偽の情報を提供した場合、不正な方法で借金を隠したり増やした場合、または浪費やギャンブルなど不適切なお金の使い方をして借金が増えた場合など、借金の内容によっては自己破産が認められにくくなります。さらに、破産手続き中に財産を隠したり、正確な申告をしなかった場合も免責が許可されない可能性があります。
これらの行為は、信用や公平性に反するため、法律では厳しく扱われます。免責不許可事由に該当すると、自己破産をしても債務が消えることはなく、引き続き返済の責任が残ることになります。
信用情報、保証人への影響、官報への公告に関しては個人再生と同様です。
「選挙権を失う」などは大間違い!債務整理を迷う人が抱く誤解とは?
債務整理について、多くの人が持っている「誤解」とは、個人の社会生活や法的権利に大きな悪影響を及ぼすというものです。例えば、「選挙権を失う」や「一生借金ができなくなる」といった誤解が広がっていますが、これは事実ではありません。債務整理を行っても、選挙権を失うことはありませんし、破産宣告をした後でも一定の期間が経過すれば、新たにローンを組むことが可能になるケースもあります。
債務整理は金融的な負担を軽減し、経済的な再出発を助けるための法的な手段です。任意整理、個人再生、自己破産などの方法があり、それぞれの状況に応じた選択が可能です。これらの手続きは、過度の借入れによる精神的なストレスを解消し、財政的なバランスを取り戻す助けとなります。
戸籍に載る
多くの人が、「債務整理を行うと戸籍に記録が残る」という誤解を持っています。しかし、これは誤りです。債務整理は戸籍に記載されるものではなく、信用情報機関に登録されます。
信用情報機関は、金融機関が利用者の信用状態を確認するために利用する機関です。債務整理を行った場合、一定期間その情報が残り、新たな借入やクレジットカードの利用が制限されることがあります。
ただし、債務整理が完了し、一定期間が経過すれば、その情報は消去されます。そのため、債務整理による信用情報への影響は、一時的なものであることを理解しておくことが大切です。
財産を必ず没収される
借金問題において、「財産は必ず没収される」と思われがちですが、実際には違います。
債務整理の方法には、任意整理や個人再生などがあります。任意整理では、債務者と債権者が話し合いを行い、返済計画を再編成するため、財産が没収されることはありません。一方、個人再生では、所定の手続きによって債務の減額が認められるため、財産を守りつつ返済計画を立て直すことができます。ただし、注意点としては、ローンが残っている車などの財産は引き上げの対象になる可能性があります。
自己破産の場合でも、裁判所の規定内の必需品は残すことができます。例えば、生活に必要な家財道具や衣類などです。ただし、高額な財産や不要な財産は処分される可能性があります。
財産が没収されることを懸念している方は、まずは無料の法律相談を利用して、専門家に相談することをおすすめします。
家族や職場にバレる
債務整理を検討する際、多くの人が「家族や職場に知られてしまうのではないか」と心配しますが、債務整理の手続きは、基本的に個人のプライバシーが守られるように進められます。
債務整理をする際、司法書士や弁護士は秘密保持義務を持っており、依頼した人の情報を他人に漏らすことはありません。また、債務整理の手続き自体が公的な記録に残ることはありますが、これは特定の専門家や関係者以外には公開されるものではありません。例えば、任意整理の場合、交渉は債権者と直接、または代理人を介して行われるため、家族や職場の人に知られることは基本的にありません。ただし、手続き中に郵便物が届くこともあるため、家族と共に暮らしている場合には注意が必要です。
自己破産の場合も、原則として家族や職場に知られたり、自己破産によって解雇されることはありません。ただし、一部の業種では就業規則で破産手続きの報告が義務づけられている場合があるため、事前に確認しておくことが重要です。
また、信用情報機関には個人情報が登録されますが、これを利用できるのは金融機関や審査関連業者など限られた範囲であり、家族や職場では基本的には情報を得ることはできません。
選挙権がなくなる
借金問題において誤解として、「選挙権がなくなる」と考えられがちですが、実際には関係ありません。債務整理で自己破産を行った場合でも、選挙権がなくなることはありません。
日本国憲法第15条では、選挙権が国民に保障されており、この権利は重要な公民権の一つです。そのため、選挙権がなくなることは基本的には考えられません。
債務整理や自己破産の手続きによって借金が減額されたり、免責されることがありますが、これらはあくまで個人の経済的問題であり、選挙権には影響しません。また、選挙権を失う原因となるのは、刑事罰による懲役刑や公民権停止処分など、法律で明確に定められた場合に限られます。
年金がもらえなくなる
年金がもらえなくなるという誤解は、借金返済や債務整理に対する不安からくるものですが、実際には年金受給に影響はありません。年金制度は国民を対象にした社会保障制度であり、借金の有無や返済状況とは関係がありません。
例えば、自己破産や個人再生などの手続きを行った場合でも、年金は受給できます。ただし、手続き中の期間においては、収入として計算されることがあります。
また、年金を担保に借り入れを行うことはできませんので、年金受給と借金返済は別々に考えることが大切です。
自力完済を目指して失敗した時のリスク
借金問題に取り組むうえで、自力での完済を目指すことは立派ですが、無理な返済により失敗するリスクもあります。失敗した場合、多重債務や信用情報の悪化など、さらなる問題が発生することがあります。
自力完済の失敗によるリスクを把握し、適切な対応を心がけましょう。自力完済を目指す際には節約や副業などで収入を増やし、借金返済に取り組むことが大切です。
多重債務に陥る可能性がある
自力完済を目指して失敗した場合、多重債務に陥るリスクがあります。多重債務とは、借金を返済するためにさらに借金を重ねるなど、複数の金融機関から借金を抱え、借金返済が困難になる状態を指します。
多重債務は返済額の増大や金利負担の増加といった問題を引き起こし、生活が苦しくなります。多重債務に陥らないためには、借金返済方法を見直し、返済計画を立てることが重要です。
弁護士、司法書士の専門家に相談して、適切な返済方法や債務整理手続きを検討しましょう。
債権者からの取り立ての可能性がある
借金返済が滞ると、債権者から取り立てのリスクが生じます。取り立ては電話や訪問督促、請求書の送付など様々な形で行われます。債務の総額や滞納期間、金融機関によって差はありますが、長期間滞納している場合、債権者は強硬な態度で取り立てを行うこともあります。
また、取り立てによる日常生活への影響も考えられます。家族や職場に債務の存在が知られることで、人間関係に悪影響が出ることがあります。まずは任意整理や過払い金請求、債務整理といった方法を検討し、弁護士や司法書士に相談することで、最適な解決策が見つかるでしょう。アヴァンス法務事務所では依頼者の約8割が人整理による債務整理を選択されます。専門家が受任することで、交渉を代行してもらえるため、受任通知が届いた時点で債権者からの督促を止めることが可能です。
無料相談も受付けており、土日でも対応可能、手続き費用も分割払いが可能なケースもありますので、気軽に相談してみてください。
ブラックリストに載る可能性がある
借金返済が滞り、債務整理や破産手続きを行うと、ブラックリストに載る可能性があります。ブラックリストとは、信用情報機関が管理する信用情報のリストで、過去の債務履歴が記録されています。このリストに載ってしまうと、次のような不利益が生じることがあります。
・金融機関からの借入が難しくなる
・クレジットカードが作れなくなる
・携帯電話の新規契約ができなくなる
ブラックリストに載る期間は限定されており、一定期間が経過すると情報が削除されます。しかし、自力での完済がうまく行かない場合は、再び多重債務に陥り、ブラックリストにすでに載っている場合には、より厳しい条件での借入を重ねるなどの悪循環も予想されます。その間は無理に借金をせず、貯金や副業など、自力で収入を増やす努力をしましょう。一人で悩まず、早めに専門家へ相談されることもおすすめします。また、公的な支援制度を活用することも一つの方法です。
最悪の場合は財産差し押さえも考えられる
借金返済が滞り続けた場合、最悪のシナリオとして財産の差し押さえが考えられます。差し押さえは、債権者が債務者の財産を法的手続きを経て手に入れることであり、例えば以下のような財産が対象となります。
・不動産
・預貯金
・車
ただし、差し押さえられる財産には制限があります。例えば、生活必需品や退職金の一部、国民年金などは差し押さえの対象外です。また、法律や弁護士の受任によって差し押さえを回避することができる場合もあります。
自力で無理に解決しようとせずに、まずは弁護士や司法書士に相談し、適切な手続きを行いましょう。無料相談や分割払い対応の事務所も多く存在しますので、ぜひ専門家にご相談ください。無理な借金を避け、自力で収入を増やす努力を続けることも大切です。
債務整理をせずに完済するための具体的方法
債務整理を行わずに借金を完済する方法としては、毎月の支出を見直し節約し、収入を増やすことで無理なく返済していくことです。その方法として、毎月の支出を見直す方法と、転職や副業などで収入を増やす方法があります。
毎月の支出を見直す
まず、毎月の支出を見直すことで節約が可能になり、返済に充てられるお金を増やすことができます。具体的には以下のような対処法が挙げられます。
・家計簿をつけて無駄遣いを抑える
・食費を抑えるために、外食を控える
・電気やガス代を節約するために、家電の使用を最小限に抑える
・スマホやインターネットの通信費を見直す
・クレジットカードの利用を控える
転職や副業などで収入を増やす
収入を増やすことも、借金返済のためには効果的です。転職を検討することで、給与アップが見込める場合があります。また、副業を始めることで、毎月の収入が増加し、借金返済の負担が軽減されます。具体的な副業としては、以下のようなものが考えられます。
・インターネットを活用した副業(ライティングやデザインなど)
・スキルを活かして教える(家庭教師や習い事の先生など)
・物品の販売(中古品の売買やハンドメイド商品の販売)
繰り上げ返済をおこなう
繰り上げ返済は借金返済の効果的な方法です。繰り上げ返済をおこなうことで、返済期間を短縮し、利息負担を軽減することができます。
繰り上げ返済の具体的な方法は、返済日以外に追加で借金を返済することです。例えば、給料日に余裕がある場合や、ボーナスが出たときに、返済額を増やしておこないます。
また、繰り上げ返済をおこなう際は、まず債務の総額を確認し、金利が高い債務から優先的に返済しましょう。これにより、無駄な利息が発生するリスクを減らすことができます。
ただし、繰り上げ返済にもデメリットがあります。一部のローン会社では、繰り上げ返済に対して手数料がかかる場合があるので、事前に確認しておくことが重要です。また、一括での返済をする場合は、一時的にある程度まとまったお金を確保する必要があるため、注意が必要です。
公的融資・公的給付金を利用する
借金返済の支援策として、公的融資や公的給付金の活用があります。これらの公的支援を利用すれば、返済負担を軽減させることが可能です。
公的融資には、国民生活基金や地方自治体の低利貸付制度があります。これらの融資は、審査が厳しく、金利も低いため、安心して利用できます。
公的給付金とは、生活保護や児童手当などの福祉の側面を持つ社会保障制度です。これらの制度を利用することで、一定の収入を得ることができ、返済の負担を減らすことができます。
ただし、公的融資や公的給付金は審査や手続きが必要です。また、受給資格がある場合でも、一定の要件を満たす必要があります。必要書類を揃え、確実に申請しましょう。
保険会社の「契約者貸付」を利用する
保険会社の契約者貸付は、借金返済の一つの手段として活用できるかもしれません。元手不足を解消し、返済をスムーズに進めることができるからです。
契約者貸付は、生命保険や年金保険に加入している人が利用できる制度です。保険料を積み立てている額に応じて、保険会社からお金を借りることができます。
契約者貸付のメリットは、利用が容易で金利が低いことです。また、審査が簡易で、迅速にお金を借りることができるため、急な返済資金が必要な場合にも便利です。
ただし、契約者貸付はあくまで一時的な手段であり、最終的には返済が必要です。また、貸付を受けることで保険金の受取額が減額されることがあります。
親族や友人に金銭的援助をしてもらう
借金返済のための方法の一つとしては、親族や友人に金銭的援助をしてもらうことです。金利や利息がかからず、返済の負担が軽くなるためです。家族や親しい友人に無利息で借り入れができれば、返済額が減らせる可能性があります。
ただし、親族や友人からの援助を受ける際は、以下の点に注意が必要です。
・返済計画を立て、相手に納得してもらうこと
・期限を守り、滞納しないこと
・お互いの人間関係に影響が出ないような配慮
このため、きちんとした形で契約書を交わしておくこともおすすめします。
低金利ローンへの借り換えをおこなう
借金返済を軽減するもう一つの方法は、低金利ローンへの借り換えを行うことです。この方法で借金返済が楽になる理由は、金利の差により返済総額が減ることが期待できるためです。例えば、高金利のクレジットカードや消費者金融の借金を、銀行などの低金利ローンに借り換える手続きを行います。
低金利ローンへの借り換えを検討する際のポイントは以下の通りです。
・金利差を確認し、借り換えが得策か検討すること
・金融機関の審査に通るか事前に調べること
・借り換えローンの契約条件をよく読むこと
これらのポイントを押さえて、計画的に借り換えを行えば、借金返済の負担が軽減される可能性があります。
おまとめローンを利用する
借金返済を効率的に行う方法として、おまとめローンを利用する方法もあります。複数の借金を一本化し、返済額や管理がしやすくなるためです。クレジットカードや消費者金融などの多重債務を、一つの低金利ローンにまとめることになります。
おまとめローン利用の際の留意点は以下です。
・金利や返済期間などの条件をきちんと比較検討すること
・信用情報が良好であるか確認し、審査に通る可能性を見極めること
・返済計画を立て、再び多重債務に陥らないよう注意すること
既存のローンやカードを解約する前に、おまとめローンを検討するときは、上記のポイントに注意してください。
完済するために押さえておきたい重要ポイント
借金を完済するためには、重要なポイントがあります。
まず、現状把握が大事です。借金の総額や利息がいくらになるのか正確に把握し、返済計画を立てましょう。次に、貯金や支出の見直しを行い、返済に充てられるお金を増やす努力が必要です。
専門家への相談も大切です。弁護士や司法書士に相談し、適切な方法を選択しましょう。
具体的な完済方法として、任意整理や自己破産、過払い請求などがあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に適した方法を選びましょう。アヴァンス法務事務所では、全国無料の相談ダイヤルでご相談を受付ています。また、女性専門の電話相談ダイヤルやメール等でのご相談も可能です。ぜひ、お早めにご相談いただきたいと思います。
借金について把握する
借金問題に直面した時、まずは借金について把握することが重要です。借金の総額や金利、返済期間、借入先などを具体的にリストアップしましょう。また、クレジットカードや消費者金融などの借入先からの明細書を取り寄せ、正確な情報を確認することも大切です。
把握した情報をもとに、返済計画を立てましょう。返済計画を立てる際には、自分の収入と支出を考慮し、無理のない範囲での返済額を設定しましょう。
また、借金の状況によっては、任意整理や自己破産などの法的な手続きを検討することもあります。その場合は、弁護士や司法書士と相談し、最適な解決策を見つけることが大切です。借金問題の解決に向けて、一歩一歩前進しましょう。
収支状況の把握
借金返済のためには、収支の状況を把握することが欠かせません。まずは、収入と支出を詳細にリストアップし、毎月の収支を明確にしましょう。
リストアップを行うことで、無駄な支出が見つかるかもしれません。無駄な支出を削減し、使えるお金を返済に充てることで、返済期間の短縮や利息負担の軽減が期待できます。
もちろん、収入を増やす方法も検討しましょう。副業や資格取得などで収入を増やせるかもしれません。無理のない範囲で収入を増やし、返済に取り組む姿勢が大切です。
元金が順調に減っているか
借金返済の進捗を確認する際、元金が順調に減っているかをチェックすることが大切です。
返済額が利息のみに充てられている場合、元金が減らず、借金がなかなか減らない状態に陥ります。そのため、元金も着実に返済していくことが重要です。
元金の減り方が少ない場合は、返済方法や返済額を一度見直ししてみましょう。無理のない範囲で返済額を増やすことや、返済方法を変更することが必要な場合もあります。
借金問題に対処するためには、自分の状況に適した返済方法やプランを見つけ、元金を減らすことが欠かせません。
返済計画書を作成する
借金で苦しんでいる方への対処法として、返済計画書を作成することをおすすめします。返済計画書を自分で作成する場合、まず借金の総額を確認しましょう。次に、毎月の収入と支出を把握し、返済可能な金額を見積もっていきます。また、利息や金利も考慮に入れることを忘れないようにしましょう。
返済計画書には、以下のような項目を記載しましょう。
・借金の総額
・借入先の金融機関や業者名
・返済期間
・毎月の返済額
返済計画書を作成しておくことで、お金の流れを把握しやすくなり、借金の返済がスムーズに進みます。また、任意整理の相談を弁護士や司法書士に依頼する際にも、返済計画書があるとスピーディな対応が期待できます。
将来の見通しを立てる
借金返済を進める上で、将来の見通しを立てることも大切です。まずは自分の現在の生活費を見直し、節約や副業などで収入を増やす方法を考えましょう。また、節約だけでは返済が厳しい場合は、債務整理や過払い金請求などの法的な手続きを検討することも一つの方法です。無料相談窓口がある法律事務所も多いので、相談してみることをおすすめします。
また、返済が終わった後の将来設計も考えておくことが大切です。例えば、老後の生活費や年金受給額、保険の見直し、住宅ローンの返済方法など、今後の人生設計に大きく関わるさまざまな要素を検討しましょう。将来設計を立てることで、現在の借金問題を解決した後も安定した生活を送ることができます。
まとめ
債務整理を行うことは多くの借金問題を解決する手段ですが、いくつかのデメリットも存在します。これらを理解しておくことは、債務整理を検討する上で非常に重要です。
デメリットを見て、ご家族への影響や、手続き後の生活への影響が心配になる気持ちはよくわかります。しかし、このまま借金を放置していても何も解決はしません。むしろ状況は悪くなっていくだけです。
ここまで債務整理のデメリットについて解説しましたが、債務整理の目的は「借金問題を解決し、生活を再建させるための手段」であるということを忘れないでください。
間違った情報に惑わされないように
ネット上には間違った情報がよく散見されます、「戸籍に記録される」「選挙権を失う」「結婚や就職ができなくなる」というものですが、それらは根拠のない間違った情報ですので、心配する必要はないといえるでしょう。安易にネットの情報を信用せずに早く専門家へ相談することをおすすめします。
アヴァンス法務事務所ではお客様のご状況をよく伺った上で方針をご提案いたしますので、どんな小さなことでも結構です。「もっと早く相談しておけばよかった…」と後悔される前に、まずはお気軽にご相談ください。
よくあるご相談
・家族や職場にバレないか不安
任意整理や過払い金請求であれば、ご家族や職場に内緒にしたまま手続きを行うことが可能です。また、アヴァンス法務事務所からお客様にご連絡をさせていただく際も、ご指定の電話番号に連絡する、電話をかけないでほしい時間帯など最大限の配慮をさせていただきます。
・クレジットカードへの影響
クレジットカード払いが必須のサービスなどを利用できず、不便に感じられる場合は、クレジットカード加盟店などで利用できるデビットカードの利用を検討されてはいかがでしょうか。銀行口座の残高を利用限度額として、クレジットカードと同様に利用できます。
・信用情報(俗に言うブラックリスト)への影響
債務整理を行うと信用情報に登録され、5年~10年の間は新たな借り入れが難しくなる、ということがあり得ます。しかし、「将来の新たな借金」のことよりも「現在の借金を解決する」ことを優先させることをお勧めいたします。また、2回以上の延滞が発生している場合は、すでに信用情報に登録されている可能性が考えられます。
・ご家族への影響
債務整理のどの手続きをする場合も、ご家族が保証人になっていなければ基本的に影響はありません。影響が出るのは債務整理をするご本人のみで、ご本人以外の名義の財産や、今後のクレジットカードの作成、ローン審査などには影響しません。
考えられる影響としては、将来、お子様の奨学金の保証人になれない可能性があるということですが、保証人の要らない機関保障という制度もあります。