女性のための借金相談 債務整理のご家族への影響

アヴァンス法務事務所は女性専用窓口を設けているため、毎日女性のお客様からのご相談をたくさんお受けしています。その中でよくご質問いただくのが【債務整理のご家族への影響】です。

ご自身が債務整理をすることで、ご家族に迷惑がかかるかもしれない。このような不安を抱え、債務整理を躊躇されるお客様も多いです。そこで今回は債務整理とご家族への影響についてご紹介します。

■債務整理の間違った情報にご注意!

債務整理のことを詳しく知っているというお客様はほとんどいません。「債務整理」という言葉自体を知らない方も多いです。そのため、インターネットやSNSで債務整理について調べても、その情報が正しいのか、間違っているのかを判断するのは難しいかと思います。

例えば、債務整理のこのようなイメージをお持ちではないでしょうか。

・家族もローンを組めなくなる
・家族もクレジットカードを持てなくなる
・教育ローンが組めなくなる
・将来、子供が奨学金を借りられなくなる
・ご家族の職場や学校にも知られる
・将来、お子様の進学や就職が不利になる
・ご近所の目が気になる

このような情報を目にすれば、どなたでも不安になるかと思います。では、どの情報が正しいのか、また、間違っているのかを解説していきます。

■まずは債務整理の仕組みについて解説します

正しい情報かどうかの前に、債務整理がどのような仕組みなのかを簡単にご説明します。債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」があり、どの方法をとるかによって答えが変わってきます。

[任意整理]
裁判所を通さず、金融会社と直接交渉を行い、毎月の返済の負担を軽減する方法です。具体的には、今後、返済にかかってくる利息を減免してもらい、3年から5年程度で分割返済できるように交渉します。概ね元金のみを36回~60回分割で返済していきます。

[個人再生]
裁判所に申立てを行い、債務を概ね1/5もしくは100万円まで圧縮し、原則3年で分割返済をしていく方法です。任意整理よりも毎月の返済額の減額幅は大きいですが、裁判所に提出する書類が多いなど、手続きがやや複雑です。

[自己破産]
裁判所に申立てを行い、全ての債務の返済義務を免除してもらう方法で、住宅や車など一定の財産を処分する必要があります。また、裁判所を通すため、個人再生と同様に手続きがやや複雑です。

このように、債務整理には裁判所を通さない「任意整理」、裁判所に申立てを行う「個人再生」「自己破産」に分かれ、どの方法をとるかによって債務整理後の生活への影響が異なります。では、詳しく見ていきましょう。

■債務整理をすることでご家族にどのような影響が出るのか

[周囲に知られるリスク]

債務整理をしたことを周囲の人に知られたらどうしよう、このようなご心配をされているのではないでしょうか?

×ご家族の職場や学校にも知られる
×将来、お子様の進学や就職が不利になる
×ご近所の目が気になる

これらは全て間違いです。債務整理を行うことで、ご家族が後ろ指を指されるのではないかと、ご不安に思われる方も多いので解説していきます。

・裁判所を通さない【任意整理】の場合

裁判所を通さない任意整理の場合、手続きに関わるのは「ご本人」「債権者」「代理人」の3者です。債権者とは借入先の金融会社のことですが、金融会社が債務とは無関係の人間に任意整理を行った事実を勝手に漏らすことはありません。そんなことをすれば当然、問題になります。

代理人とは、お客様に代わって金融会社と交渉を行う、認定司法書士や弁護士のことです。認定司法書士や弁護士には守秘義務がありますので、ご家族であっても依頼内容を勝手にお話することはできません。

・裁判所を通す【個人再生】【自己破産】の場合

裁判所を通す【個人再生】【自己破産】の場合は、「ご本人」「債権者」「代理人」に加え「裁判所」が関係してきます。さらに、「再生委員」「管財人」と呼ばれる人が関わるケースもありますが、いずれにしても守秘義務がありますので、第三者に勝手に情報を漏らすことはありません。

また、個人再生や自己破産の場合は、官報という国の機関紙に個人情報が掲載されます。

官報とは、国の法令の公布や告示、官庁の報告と言った内容が掲載されており、この中に個人再生や自己破産などの裁判の内容も掲載されます。しかし、一般の方が官報を毎日チェックしている可能性は低いでしょう。仮に官報を見たとしても、毎日数百人の情報が掲載されているため、そこから特定の個人を見つけることは困難です。そもそも、官報の存在すら知らない方のほうが多いです。

このように、債務整理を行った事実を周囲の方に知られる可能性は低いです。周囲の方が勝手に調べようとしても難しいでしょう。

[ご家族の借入はどうなるのか?]

ご家族の借入に関して、このようなご心配をされているのではないでしょうか?

×家族もローンを組めなくなる
×家族もクレジットカードを持てなくなる
△教育ローンが組めなくなる
×将来、子供が奨学金を借りられなくなる

この答えには【信用情報】が関係してきます。日本には信用情報機関というものが存在し、ここにはお客様の借入先、借入金額、返済状況といった情報が登録されています。

債務整理を行うと、信用情報に事故情報が登録されます(俗に言うブラックリストの状態)。そのため、債務整理を行うと、概ね5年~10年は新しくローンを組んだり、クレジットカードを作ったりすることが難しくなります。これは、「任意整理」「個人再生」「自己破産」のどの方法であっても同じです。

ですが、債務整理後に借入が難しくなるのは、債務整理を行ったご本人名義のものだけです。ご家族がローンを組んだり、クレジットカードを作ったりする際に影響が出ることはありません。

将来、お子様が奨学金を借りる際も影響はありません。ただし、保証人にはなれないかもしれませんので、その場合は、他のご家族に保証人になってもらうか、保証人がいらない機関保証を検討されてはいかがでしょうか。

教育ローンに関しては、信用情報の関係で借入れは難しいと考えられます。ですが、金融会社によって審査基準が異なり、ローンを申し込んだ時点での収入状況もローン審査の判断材料になりますので、「100%ローンが組めない」とも言い切れません。

■家族にも知られたくない場合はどうすればいいのか?

債務整理のご家族への影響を心配されている方の中には、「借金を家族に知られたくない」というお悩みが含まれていることが多いので併せて解説していきます。

[家族や職場にも内緒で解決しやすい任意整理]

ご家族や職場にも内緒で借金問題を解決しやすいのは、裁判所を通さない任意整理です。さらに、任意整理の場合は、金融会社と代理人が直接交渉を行うため、比較的柔軟な対応が可能です。

・手続きに係る手間が少ないため、ご家族に気づかれる可能性が低い

任意整理は裁判所を通さないため、手続きに必要な書類が少なくて済みます。また、金融会社との交渉も認定司法書士や弁護士が代理人となって行いますので、お客様にやって頂く作業も特にありません。そのため、ご家族に任意整理の手続きを行っていることを気づかれにくいです。

・手続きの対象にする債務を選ぶことが可能

任意整理を行うことで、ご家族や職場に借金問題を知られてしまう可能性がある債務を、手続きの対象から外すことが可能です。例えば、ご家族が保証人になっている債務や、会社からの借入、商品のローンが残っている債務などです。

ただし、手続きの対象から外した債務は、そのまま返済を続ける必要があるため、よく考えて判断しましょう。

このように、任意整理は比較的、柔軟な対応が可能なため、ご家族や職場の方に知られずに借金問題を解決することが可能です。

[個人再生・自己破産の場合は家族に内緒にできない?]

裁判所を通す個人再生や自己破産の場合は、同居のご家族に内緒で手続きを進めることは難しいです。これは、裁判所に提出する書類の多さが理由です。

個人再生と自己破産の場合は家計全体の収支が問われます。そのため、同居のご家族に収入がある場合は、ご家族の給与明細も提出する必要があります。さらに、家計の収支表や通帳のコピー、財産や保険に関わる書類など、必要な書類が多く、ご家族に内緒でこれらを集めていただくことが現実的ではありません。

そのため、アヴァンス法務事務ではご家族にも協力していただくようにお願いしております。

■それでもやっぱり、家族への影響が気になる…

債務整理がご家族にどのような影響があるのかをご説明させていただきましたが、不安や疑問は解消されたでしょうか?債務整理はお客様のご状況によって、おひとりおひとり対応が異なってきます。

「私の場合も当てはまるの?」と気になる方も多いかと思います。どんな小さなことでも結構です、一度アヴァンス法務事務所にご相談ください。

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