2025.01.14
債務整理
債務整理後の賃貸借契約はどうなる?審査と借金の影響を解説
債務整理を行った後に賃貸物件を借りたいと考えた際、審査への影響を心配される方は多いでしょう。賃貸住宅にお住まいの方は、家を追い出されるのではないかと不安になるかもしれません。
特に、債務整理後の信用情報が審査にどのように影響するのか、借金の記録が不動産会社や保証会社にどれだけ共有されるのか、気になるところでしょう。この記事では、債務整理後に賃貸借契約を結ぶ際の注意点や、審査の詳細についてわかりやすく解説します。
債務整理前に契約していた賃貸借に及ぼす影響
債務整理を行った場合でも、既に契約している賃貸借には直接の影響はありません。ただし、契約更新時に影響が出ることがあるので注意が必要です。債務整理の事実が信用情報機関に登録されることで、不動産会社の審査が厳しくなることがありますが、家賃の支払いが遅れていない場合、通常は問題なく更新ができることが多いです。
債務整理前に契約した賃貸借には影響しない
債務整理を行う前に契約した賃貸借は、基本的に債務整理の対象外です。そのため、債務整理を行っても既存の賃貸借には影響がありません。
ただし、家賃の支払いが滞っている場合や、信用情報が影響して契約更新が難しい状況になることもありますので、早期に問題を解決し、信用回復に努めることが大切です。債務整理後も家賃の滞納がないように心掛けて生活を送りましょう。
家賃の滞納があるときのリスク
家賃の滞納が続くと、さまざまなリスクが生じ、家主から契約解除や退去請求を受ける可能性があります。賃貸契約では、滞納が一定期間を超えると「契約違反」とみなされるため、法的手続きを通じて退去を求められる場合があります。
さらに、滞納が長引くと次のようなリスクも考えられます。
1.裁判所からの支払い命令や強制執行
家主が裁判所に訴えを起こすことで、支払い命令や給与・財産の差押えを受ける可能性があります。
2.信用情報への影響
家賃保証会社が介入している場合、滞納情報が信用情報機関に登録され、将来の賃貸契約やローン審査に影響を及ぼすことがあります。
3.利息や損害金の増加
滞納期間に応じて遅延損害金が発生し、支払額がさらに増えることがあります。
こうした事態を避けるためには、早めに家主と相談し、支払い方法の交渉や支援制度の活用を検討することが重要です。また、解決が難しい場合は、弁護士や司法書士に相談して適切なアドバイスやサポートを受けましょう。
立ち退き請求の可能性と対策
債務整理を行う際に、「賃貸契約がどうなるのか」「住まいを失うリスクがあるのか」といった不安を抱える方も多いでしょう。債務整理と賃貸契約には一定の影響があるため、注意が必要です。
自己破産や個人再生などの債務整理を行っても、家賃を滞納していない限り、立ち退きを求められる可能性は原則として、ありません。しかし、家賃を滞納している場合は、貸主から賃貸契約の解除や立ち退き請求を受けることがあります。これは債務整理とは直接関係なく、家賃の不払いによる法的措置となります。
こうした事態を避けるためには、次のような対策が考えられます。
1.家賃の優先支払い
債務整理を開始する前に、可能な限り家賃を滞納しないように努めましょう。これにより、貸主との信頼関係を維持できます。
2.交渉による和解
既に滞納がある場合でも、貸主に相談して分割払いや支払い猶予の交渉を行うことで、立ち退きを回避できる可能性があります。
3.保証人への連絡
保証人がいる場合は、事前に相談し、滞納分を一時的に肩代わりしてもらう選択肢も検討してください。
4.専門家のサポート
司法書士や弁護士に相談することで、債務整理と住まいの問題を同時に解決するためのアドバイスを受けられます。
住まいの確保は生活の基盤です。債務整理の影響が心配な場合は、早めに専門家に相談し、最適な対応を講じましょう。
債務整理後の賃貸借契約の更新
債務整理を行った後の賃貸借契約の更新には、いくつかの課題が生じる可能性があります。債務整理中・債務整理後は賃貸契約・更新ができない場合があります。これは、債務整理によって信用情報に影響が及んでいるためです。
賃貸借契約をスムーズに更新するためには以下の点が重要です。
1. 家賃の支払い履歴を確認する
家賃の滞納がない場合、大家や管理会社に対して信頼を保つことができます。滞納がある場合は、早めに支払いを済ませる努力をしましょう。
2. 保証会社との関係を見直す
保証会社の再審査は非常に厳しくなり、その多くは審査落ちとなる可能性があります。別の保証人を用意するなどの対策を考えることが必要です。
3. 大家や管理会社と事前に相談する
更新時に事情を正直に説明し、信頼を損ねないようにしましょう。誠意を持って対応することで、契約更新がスムーズに進む可能性が高まります。
債務整理の種類によっては、いわゆるブラックリストと呼ばれる「事故情報」が、削除されるまで5年〜7年かかる場合があることに注意してください。
債務整理後も同じ物件に住み続けるための注意点
債務整理を行った後でも、現在の賃貸物件に住み続けることは可能です。ただし、以下の点に注意することが重要です。
1.家賃の滞納を避ける
家賃の支払いが遅れると、貸主との信頼関係が損なわれ、契約解除のリスクが高まります。債務整理後は特に、家賃の支払いを確実に行うことが求められます。
2.保証会社の種類を確認する
信販系の保証会社を利用している場合、債務整理により信用情報が影響を受け、更新時に問題が生じる可能性があります。事前に保証会社の種類を確認し、必要に応じて不動産管理会社や大家さんに相談しましょう。
3.家賃支払い方法の見直し
家賃をクレジットカードで支払っている場合、債務整理によりカードが利用できなくなることがあります。口座引き落としや振込など、他の支払い方法に変更しておくと安心です。
4.不動産管理会社や大家さんへの相談
債務整理の影響で保証会社との契約更新が難しくなる場合、早めに不動産管理会社や大家さんに相談することで、別の保証会社の紹介や連帯保証人の設定など、柔軟な対応をしてもらえることがあります。
債務整理を行ったことで信用情報機関に登録される期間に注意しましょう。例えば、任意整理の場合は5年間が一般的です。この期間中、賃貸借契約の更新がある場合、審査が厳しくなることがあります。債務整理後も安心して住み続けるためには、これらの点に注意し、適切な対応を心掛けることが大切です。
債務整理が原因で契約解除されるケースはあるのか?
債務整理を行ったこと自体が直接の理由で、現在の賃貸契約が解除されることは通常ありません。賃貸借契約は借主の権利が強く保護されており、家賃の滞納など重大な契約違反がない限り、貸主から一方的に契約を解除されることは難しいとされています。
ただし、債務整理の影響で以下のような問題が生じる可能性があります。
1. 家賃支払いの問題
家賃の支払い方法がクレジットカード決済の場合、債務整理によりカードが利用停止となり、家賃の支払いが滞る可能性があります。家賃滞納が続くと契約解除のリスクが高まります。
2. 賃貸保証会社の問題
賃貸保証会社を利用している場合、特に信販系の保証会社は債務整理後の信用情報を考慮し、保証契約の更新を拒否する可能性があります。保証契約が更新されないと、新たな保証人を求められることがあり、対応が必要です。
3. 新規契約時の問題
債務整理後に新たな賃貸物件を契約する際、信販系の保証会社が信用情報を確認し、審査に影響を与えることがあります。このため、信販系以外の保証会社を利用する物件を選ぶなどの工夫が求められます。
重要な点として、一般的に3ヶ月以上家賃を滞納すると、信頼関係の破壊を理由に賃貸契約の解除のリスクが高くなります。そのため、債務整理を行う際は家賃の支払いを優先し、滞納を避けることが重要です。
債務整理後に新しく契約する賃貸借に及ぼす影響
債務整理を行うと、信用情報機関に事故情報として登録され、いわゆる「ブラックリスト」に載ることになります。この状態は、一般的に5年から7年間継続します。この期間中に新たな賃貸物件を契約する際、次のような影響を受ける可能性があります。
1. 保証会社の審査
賃貸契約時、多くの物件で家賃保証会社の利用が求められます。特に、信販系の保証会社(例:オリコ、エポス、アプラスなど)は信用情報を参照するため、ブラックリストに登録されていると審査に通らない可能性が高くなります。
2. クレジットカード払いの要件
一部の物件では、家賃の支払いに特定のクレジットカードの作成が必要とされることがあります。債務整理後は新規のクレジットカード発行が難しくなるため、このような物件の契約が困難になる場合があります。
対処法
1. 信販系以外の保証会社を利用する物件を探す
信用情報を参照しない保証会社を利用する物件であれば、審査に通る可能性が高まります。
2. 連帯保証人を立てる
信頼できる連帯保証人を用意することで、保証会社を利用しない契約が可能になる場合があります。ただし、保証人の責任は重大であり、慎重に検討する必要があります。
3. 公営住宅の検討
地方自治体が運営する公営住宅は、信用情報の影響を受けにくく、家賃も比較的安価です。ただし、収入制限や抽選などの条件があります。
4. 不動産会社への事前相談
債務整理の状況を正直に説明し、適切な物件を紹介してもらうことも一つの方法です。
債務整理後の新規賃貸契約には一定の制約がありますが、適切な物件選びや対策を講じることで、住まいを確保することは可能です。
入居審査の仕組み
賃貸物件への入居にあたっては、入居審査が行われます。この審査は、入居者が家賃を滞納しないか、またトラブルが起こらないかをチェックするためのものです。この審査を通過することで、正式に賃貸契約を結ぶことが可能になります。
入居審査で主に確認されるポイント
1. 家賃の支払い能力:安定した収入があり、家賃を滞りなく支払えるかが評価されます。一般的に、家賃は手取り月収の30%以下が望ましいとされています。
2. 雇用状況:勤務先や雇用形態、勤続年数などから、収入の安定性が判断されます。
3. 信用情報:過去の家賃滞納や金融事故の有無がチェックされ、信用力が評価されます。
4. 連帯保証人の有無:家賃保証会社の利用や、適切な連帯保証人がいるかが確認されます。
5. 人柄や生活態度:近隣住民とのトラブルを避けるため、入居者の人柄や生活態度も考慮されます。
入居審査の一般的な流れ
1. 申込書の提出:入居申込書に必要事項を記入し、提出します。
2. 書類審査:提出された書類を基に、上記のポイントが確認されます。
3. 保証人・保証会社の審査:連帯保証人や保証会社の審査が行われます。
4. 結果通知:審査結果が通知され、承認されれば契約手続きに進みます。
審査期間は通常3~7日程度ですが、状況により異なることがあります。必要書類の不備や連絡の遅れが審査期間を延ばす原因となるため、迅速な対応が求められます。
入居審査に通過するためには、正確な情報提供と誠実な対応が重要です。不安な点があれば、事前に不動産会社や管理会社に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
賃貸保証会社の種類と選び方
賃貸物件を借りる際、賃貸保証会社の利用が一般的になっています。保証会社は、入居者が家賃を滞納した場合に家主へ立替払いを行うことで、家主のリスクを軽減します。同時に、入居者にとっては連帯保証人を立てる必要がなくなるというメリットがあります。
主な賃貸保証会社の種類
1. 信販系保証会社
クレジットカード会社が運営し、信用情報機関のデータを基に審査を行います。審査基準が厳格で、信用度の高い入居者が求められます。
2. 独立系保証会社
独立した企業が運営し、独自の審査基準を持っています。柔軟な審査が特徴で、幅広い層の入居者に対応します。
3. 協会系保証会社
業界団体が運営し、地域密着型のサービスを提供します。地元の事情に詳しく、地域特有のニーズに応えることが可能です。
賃貸保証会社を選ぶ際のポイント
・審査基準:自身の信用状況に合った審査基準の会社を選ぶことが重要です。
・保証料:初回費用や年間更新料など、費用面を比較しましょう。一般的に、月額家賃の30%から100%程度が初回保証料として請求されることが多いです。
・サービス内容:家賃以外の費用(例えば、修繕費や共益費)の保証範囲も確認することが大切です。また、24時間対応のサポートサービスがあるかどうかも確認しましょう。
・対応地域:自分が住む地域での対応実績やサポート体制をチェックしましょう。
・口コミや評判:他の利用者の評価や経験談を参考にすることで、サービスの質や信頼性を判断する材料になります。
法的な注意点
賃貸保証会社を利用する際は、契約内容をよく確認することが重要です。特に以下の点に注意しましょう。
1. 保証の範囲と限度額
2. 保証会社への求償権の行使条件
3. 個人情報の取り扱いに関する規定
また、2020年4月の民法改正により、個人の極度額のない包括根保証契約が禁止されました。賃貸借契約においても、保証人の責任の上限となる極度額を設定することが必要となりました。賃貸保証会社との契約時にも、この極度額が明確に定められているか確認しましょう。
賃貸保証会社の選択は、入居後の安心感に直結します。各社の特徴やサービス内容を比較検討し、自身の状況やニーズに最適な保証会社を選ぶことが重要です。
信販系保証会社の審査基準
賃貸物件を借りる際、信販系保証会社の審査を受けることがあります。信販系保証会社とは、クレジットカード会社などの信販会社が提供する家賃保証サービスを指し、主な特徴は以下のとおりです。
・信用情報の重視
CICやJICCなどの信用情報機関のデータを基に審査を行います。過去のクレジットカードやローンの利用履歴、滞納履歴が審査に影響を与えます。
・年収と家賃のバランス
一般的に、家賃は月収の3分の1以下が望ましいとされています。収入に対して高額な家賃の物件は、審査が厳しくなる可能性があります。
・雇用形態の確認
正社員、契約社員、アルバイトなどの雇用形態や勤続年数も審査の対象となります。安定した収入があるかどうかが評価されますが、非正規雇用やフリーランスでも審査に通ることがあります。
・他社借入状況
消費者金融や他のローンの借入状況もチェックされ、多重債務者と判断されると審査に不利となります。
・その他の考慮事項
保証会社によっては、家族構成やペットの有無なども審査対象となることがあります。子どもやペットがいる場合、一部の物件に入居できないことがあります。
信販系保証会社の審査は、信用情報を重視するため、過去の金融取引に問題がある場合、審査に通過しにくい傾向があります。そのため、過去のクレジットやローンの利用状況を見直し、必要に応じて信用情報の開示請求を行うことをおすすめします。
また、審査に不安がある場合は、信販系以外の保証会社(協会系や独立系)を利用する物件を検討することも一つの方法です。信販系保証会社の審査基準は、会社ごとに異なるため、複数の会社に相談して、自分に合った保証会社を見つけることが重要です。
連帯保証人を立てることでの対応策
債務整理を行った後、新たな賃貸契約を結ぶ際には、信用情報の影響で審査が厳しくなることがあります。特に、信販系の賃貸保証会社を利用する物件では、審査に通らない可能性が高まります。このような状況で有効な対策の一つが、連帯保証人を立てることです。
連帯保証人を立てるメリット
・信用補完:連帯保証人がいることで、貸主や管理会社に対して家賃支払いの信頼性を示すことができます。
・審査通過の可能性向上:連帯保証人の信用力により、審査に通る可能性が高まります。
連帯保証人の要件
・安定した収入:家賃支払い能力を補完するため、安定した収入が求められます[3]。
・信用情報の良好さ:連帯保証人自身の信用情報に問題がないことが重要です[3]。
・親族関係:一般的には、2親等以内の親族(両親、子ども、兄弟姉妹、祖父母、孫)が適任とされます。
注意点とデメリット
・連帯保証人の責任範囲:連帯保証人は、滞納家賃だけでなく、原状回復費用や損害賠償も含めた責任を負う可能性があります。
・事前の了承:連帯保証人となる方の十分な理解と同意を得ることが必要です。
・法的制限:2020年4月の民法改正により、個人の極度額のない包括根保証契約が禁止されました。賃貸借契約においても、保証人の責任の上限となる極度額を設定することが必要となりました。
代替案:賃貸保証会社の利用
連帯保証人が見つからない場合、賃貸保証会社の利用も選択肢の一つです。ただし、債務整理後は信販系以外の保証会社を探す必要があります。
債務整理後に新しい賃貸物件を選ぶときのポイント
債務整理後に新しい賃貸物件を選ぶ際には、以下のような7つのポイントを考慮することが重要です。
1. 保証会社の種類を確認する
信販系の保証会社は債務整理の履歴を確認できるため、審査が厳しくなる可能性があります。独立系の保証会社を利用している物件を探すことをお勧めします。
2. 連帯保証人の検討
保証会社を利用しない物件や、連帯保証人を立てることで契約可能な物件もあります。ただし、連帯保証人には大きな責任が伴うため、十分な説明と同意が必要です。
3. 公営住宅やUR賃貸の検討
公営住宅やUR賃貸は、保証人不要で入居できる場合があります。ただし、収入条件などの入居要件があるため、事前に確認が必要です。
4. 不動産会社への直接相談
債務整理後の物件探しは、ネットではなく不動産会社に直接相談することをお勧めします。審査に通りやすい物件を紹介してもらえる可能性があります。
5. 現在の生活費に合った家賃設定
債務整理後の生活を見据え、無理のない家賃設定の物件を選ぶことが重要です。
6. 交通アクセスと生活環境の確認
通勤・通学に便利で、生活をサポートする施設やサービスが近隣にある物件を選ぶことで、新生活をスムーズにスタートできます。
7. 家賃支払い方法の確認
クレジットカード決済のみの物件は避け、口座振替や現金振込など、他の支払い方法が選択できる物件を選ぶことが望ましいです。
債務整理後でも、適切な対応と準備を行うことで、新たな賃貸物件への入居は可能です。不安な点があれば、専門家である司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。
信販系以外の賃貸保証会社で入居できる物件を選ぶ
債務整理後、新たな賃貸物件への入居を検討する際、信販系以外の賃貸保証会社を利用する物件を選ぶことが一つの選択肢となります。信販系の保証会社は、信用情報機関と連携しており、債務整理の履歴が審査に影響を与える可能性が高いです。一方、独立系の保証会社は、独自の審査基準を持ち、信用情報を参照しない場合があるため、審査に通りやすい傾向があります。
ただし、LICC(一般社団法人全国賃貸保証業協会)に加盟する保証会社は、会社間で滞納歴や入居中のトラブルなどの情報を共有しているため、過去に家賃滞納やトラブルがあった場合は注意が必要です。
物件選びの際には、不動産会社に保証会社の種類と審査基準を確認し、自身の状況に適した保証会社を利用している物件を選ぶと良いでしょう。また、連帯保証人を立てることで、保証会社の審査を回避する方法もあります。
債務整理後の賃貸契約には不安が伴うかもしれませんが、適切な物件選びと準備で入居の可能性を高めることができます。
賃貸保証会社不要の物件を選ぶ
債務整理後、新たな賃貸物件を探す際、信用情報の影響で賃貸保証会社の審査が厳しくなることがあります。このような状況では、賃貸保証会社を利用しない物件を選ぶことが有効です。
賃貸保証会社不要の物件の特徴
・公営住宅:市営・県営・都営などの公営住宅は、保証会社や連帯保証人を必要としない場合が多く、債務整理後でも入居しやすい選択肢です。ただし、収入制限や入居資格があり、通常は抽選方式で入居者が決定されます。
・連帯保証人制度の活用:親族や知人に連帯保証人を依頼できる場合、保証会社を介さずに契約できる物件も存在します。2020年4月の民法改正により、連帯保証人の責任範囲には限度額(極度額)が設定されるようになりました。
・保証不要の物件:一部の不動産会社(例:めぐみ企画)では、保証人や保証会社を必要としない物件を提供しています。
物件探しのポイント
・不動産会社への相談:債務整理後の状況を正直に伝え、保証会社不要の物件を紹介してもらうことが重要です。
・公営住宅の申し込み:各自治体の公営住宅募集情報を定期的に確認し、条件に合致する場合は申し込みを検討しましょう。
・家賃支払い方法の確認:クレジットカード払いが必須の物件は避け、口座振替や現金払いが可能な物件を選ぶと良いでしょう。
債務整理後でも、適切な物件選びと準備を行うことで、賃貸契約をスムーズに進めることが可能です。
公営住宅も検討する
債務整理後の住居確保の選択肢として、公営住宅(都営・県営・市営住宅)の入居を検討することも有効です。公営住宅には以下のような特徴があります。
・家賃: 収入に応じて設定され、一般的に民間の賃貸物件より低価格です。
・入居条件: 収入基準や住宅困窮理由など、厳格な条件があります。
・審査: 信用情報機関への照会を行わないため、債務整理歴の影響を受けにくいです。
・入居手続き: 定期的な募集があり、多くの場合抽選方式で入居者が決定されます。
注意点
1. 収入基準: 一定以下の収入であることが条件です。
2. 住民税: 滞納がないことが条件となる場合が多いです。
3. 競争率: 人気が高く、入居までに時間がかかる可能性があります。
4. 家賃滞納: 続くと退去を求められる可能性があります。
公営住宅の詳細や申込方法については、各自治体の住宅担当窓口や公式ウェブサイトで確認できます。
賃貸契約時に注意すべき契約内容
債務整理後に新たな賃貸契約を結ぶ際、以下の点に注意することが重要です。
1. 保証会社の種類
信販系の保証会社は、信用情報を基に審査を行います。債務整理後は審査に通らない可能性があるため、信販系以外の保証会社を利用する物件を選ぶと良いでしょう。
2. 家賃の支払い方法
クレジットカード払いの場合、カードの利用停止により家賃の支払いが滞るリスクがあります。口座振替や現金振込など、他の支払い方法が選択可能な物件を検討してください。
3. 連帯保証人の有無
保証会社の審査が厳しい場合、信頼できる連帯保証人を立てることで契約がスムーズに進むことがあります。2020年4月の民法改正により、個人の根保証契約には極度額(上限額)の設定が必要となりました。
4. 公営住宅の検討
公営住宅は、信用情報の影響を受けにくく、入居しやすい場合があります。ただし、収入制限や住宅困窮理由などの入居条件があり、多くの場合抽選方式で入居者が決定されます。各自治体の条件を確認しましょう。
賃貸契約時に注意すべき契約内容は、以下のポイントです。
・家賃の支払い日や滞納に対するペナルティ
・敷金・礼金・保証金の取り決めと返還条件
・入居審査の基準や審査期間
・契約期間と更新料
・敷地内や共用部分の利用ルール
・退去時の原状回復義務の範囲と費用負担
・契約解除条件と解約予告期間
これらの契約内容をしっかり理解し、自分のライフスタイルや金銭面に問題がないか確認しましょう。特に、原状回復義務の範囲や契約解除条件については、賃借人の権利保護の観点から慎重に確認することが重要です。
また、賃貸契約に不慣れな方は、契約書の内容が難しく感じるかもしれません。そのような場合は、仲介不動産会社や司法書士や弁護士などの法律の専門家に相談することが大切です。
新規契約が難しい場合の代替案
債務整理後、新たな賃貸契約が難航する場合は、いくつかの代替案を検討することで解決できる可能性があります。
まず、信販系以外の保証会社を利用する物件を選ぶことは有効です。これらの保証会社は個人の信用情報を参照しない場合が多く、審査に通りやすくなります。また、家族や信頼できる知人に連帯保証人を依頼すれば、保証会社を利用せずに契約できる場合がありますが、民法改正により連帯保証契約には極度額の設定が必要です。
公営住宅やUR賃貸は保証人や保証会社を必要としない場合が多く、信用情報の影響を受けにくいという特徴があります。ただし、入居には条件や抽選があるため注意が必要です。短期的な住まいとしては、審査が緩やかなシェアハウスやマンスリーマンションを利用する方法もあります。家賃の支払いについても、クレジットカード払い以外の振り込みや口座引き落としに対応した物件を選ぶとよいでしょう。
また、不動産業者に状況を正直に伝え、適切な物件を紹介してもらうことも効果的です。
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まとめ
債務整理を行った後でも、賃貸借契約の更新や新規契約は可能ですが、いくつかの注意点があります。
債務整理を行うと信用情報に事故情報(いわゆるブラックリスト)が登録されます。この情報を主に信販系の保証会社が審査の際に確認するため、新しい賃貸物件の契約時に影響を受けることがあります。
一方で、すべての保証会社が信用情報を確認するわけではありません。不動産会社や大家が信販系以外の保証会社を利用している場合や、親族など第三者を保証人に立てる場合は、審査に通る可能性が高くなります。また、更新時には通常、信用情報が改めて確認されることは少ないため、現在の賃貸借契約が継続できる場合がほとんどです。
家賃の支払い方法がクレジットカード払いの場合、カードの利用停止により支払いが困難になることが考えられます。そのため、口座引き落としや振り込みなど、他の支払い方法への変更を検討することが重要です。さらに、家賃の滞納は契約解除や立ち退き請求の原因となるため、債務整理後も家賃の支払いを確実に行うことが求められます。口座引き落としや振込など、支払い方法の変更が必要な場合は早めに対応することが重要です。
新たな賃貸物件を探す際には、信販系以外の保証会社を利用する物件や、公営住宅の検討も有効です。
もし審査に不安がある場合は、事前に大家や不動産会社に状況を正直に伝えたり、保証会社の条件を確認することが役立ちます。
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