家族に内緒で借金をなくせる?減らせる?借金問題の解決方法とその事例

カードローンやキャッシング、リボ払いなどで借金が膨らんでしまい、毎月の返済が苦しく、精神的にも追い込まれている方は少なくはありません。

「どうにか借金をなくせないか?」「どうやって返済をすればいいのか?」さまざまな考えに頭を悩ませている方も多いでしょう。そこで、このコラムでは、借金をなくせないか?減らせないか?という観点から借金問題の解決方法を、事例を交えてお伝えします。

借金を「なくす」方法は自己破産だけ

借金問題の解決方法として、最初に「自己破産」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。自己破産は、裁判所に申し立てを行い、認可を得ることで返済義務が免除される方法です。

自己破産のメリットとデメリット

自己破産のメリット
自己破産の最大のメリットは、全ての借金の返済義務が免除される点です。

自己破産のデメリット
自己破産のデメリットは、家・不動産・車・バイクなどの20万円以上の価値のある財産を差し押さえられることです。

次に、自己破産をするための条件を見てみましょう。

自己破産するための条件

自己破産は希望すれば誰でもできる手続き、という訳ではありません。自己破産をするにはいくつか条件がありますのでご紹介します。

①借金が返済不能の状態にあること
②借金が非免責債権ではないこと
③免責不許可事由に該当しないこと
④自己破産をすれば借金をせずに生活できること

難しい言葉が並んでいますが、簡単に言うと、未納の税金や慰謝料などは自己破産をしても支払い義務が残ります(非免責債権)。

また、浪費やギャンブルが原因の借金は自己破産が認められにくい傾向にあるなど、自己破産には条件があります(免責不許可事由)。詳しくは、下記の記事をお読みください。

自己破産の解決事例

アヴァンス法務事務所で扱った、自己破産の解決事例を抜粋して紹介します。

以上、借金の返済を免除してもらう自己破産について説明しました。

しかし先述の通り、自己破産には自宅や車など、20万円以上の価値のある財産を差し押さえられる可能性があります。

「自宅や車が差し押さえられたら困る」
「家族に内緒で借金を解決したい」

そういう方には、ご家族に内緒で手続き可能な任意整理や、ローンが残っている住宅を維持できる個人再生と言う方法もあります。どのような解決方法が最適なのか、それぞれの特徴を以下に解説します。

自己破産での解決が難しい場合は「任意整理」か「個人再生」を検討してみましょう

自己破産は、借金の返済義務を免除されることが最大のメリットです。しかしその反面、自宅や車などの財産が差し押さえの対象となるデメリットもあります。

このデメリットを見て、自己破産を躊躇される方も多いでしょう。しかし、借金問題の解決方法は「自己破産」だけではありません。他にも「任意整理」と「個人再生」があります。これらの方法なら住宅や車を手放さずに借金問題の解決が可能です。

それぞれの方法にもメリット・デメリットがありますので詳しく解説していきます。

任意整理

任意整理は、債権者と交渉し、毎月かかっている利息を免除してもらうことで月々の返済額を減らす方法です。一般的には、元金のみを50~60回程度の分割返済にすることで月々の返済額を減らすことが可能です。

例えば、総額300万円(利息18%)の借金に対して任意整理を行い、利息の免除と60回分割で和解が成立した場合は、月々の返済額を10万円から5万円まで減らすことが可能です。

元金を減らすことはできませんが、利息を免除してもらえるだけでも、かなり返済の負担を減らせることがお分かりいただけるかと思います。この例の場合は101万円分の利息が免除されます。

(※和解条件により必ずこの例の通りになるとは限りません。)

任意整理の場合は直接、債権者と交渉をしますので、裁判所を通す自己破産の手続きよりも比較的柔軟な対応が可能です。

任意整理の特徴としては以下があります。

・家族に内緒で手続きが可能
・財産(家、車など)を処分されない
・自身で行う作業がほとんどない

当事務所にご相談いただくお客様の8~9割程度の方が任意整理を選択されます。

任意整理の解決事例

アヴァンス法務事務所で扱った、任意整理の解決事例を抜粋して紹介します。

当事務所では、ご契約前に任意整理をした場合の返済額を概算で計算します。その金額で返済を継続できる見込みがあれば、任意整理は可能です。その返済が難しい場合は、次の個人再生を検討します。

個人再生

個人再生は、債務を1/5もしくは最低弁済額100万円まで圧縮し、3年間で返済する計画を裁判所が認可することによって、借金の元金自体を大幅に減らすことが可能です。

例えば、総額500万円(利率18%)の借金に対して個人再生を行ったとします。債務を1/5に圧縮し、3年での分割返済が認められた場合は、元金が100万円に減り、月々の返済額も約2.8万円まで減らせます。

(※借金や資産のご状況によって手続き後の返済額が上がる場合があります。)

ただし、任意整理とは違い、裁判所に対して申立てを行うため必要書類が多く、同居のご家族に内緒にすることが難しいです。

個人再生の特徴としては以下があります。

・住宅ローンを残すことが可能(住宅資金特別条項)
・財産を処分されない
・家族に内緒にすることが難しい
・裁判所に「返済見込み」を厳しく判断される

個人再生は自己破産とは違い、財産を処分されることはありません。しかし、清算価値保障原則という決まりがあり、持っている財産以上の金額を返済しなくてはいけません。

例えば、借金が500万円の場合、最低弁済額は100万円です。しかし、車や預貯金などの財産を合計300万円持っていたとします。この場合は、300万円を返済しなくてはいけません。このように大きな財産を持っている場合は、それほど借金を減らせないかもしれません。

また、裁判所に返済見込みを厳しく判断されるため、「履行テスト」というものが再生委員によって行われます。これは、個人再生後の返済額と同等の返済額を6ヶ月間、継続的に積み立てを行い、返済能力があるかどうかのテストをします。

個人再生の解決事例

アヴァンス法務事務所で扱った、個人再生の解決事例を抜粋して紹介します。

まとめ

これまでお話しましたように、任意整理・個人再生での返済が難しい場合は、自己破産を選択して借金を免除してもらう方法が可能です。

整理しますと、

任意整理・・・利息を免除してもらい返済額を減らす方法。元金自体は減らない。
個人再生・・・借金を5分の1に圧縮(減額)もしくは最低弁済額100万円まで減額する方法。
自己破産・・・借金をすべて免除してもらう方法。

ということです。

アヴァンス法務事務所では、お客様のご事情に合わせて、柔軟な対応を心がけております。また、お客様ご自身で解決方法を選択することは困難です。任意整理や個人再生、自己破産にもそれぞれ条件やメリット・デメリットがあります。

借金の返済でお困りであれば、まずは当事務所にご相談ください。お客様に合った解決プランをご提案いたします。

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