2020.05.13
債務整理
「債務整理をした方がいい目安は?」手続きを迷った時に考えるポイント
「私の場合は債務整理をしたほうがいいのでしょうか?」先日、お客様からこのようなご質問を頂きました。借金は苦しいが、まだなんとか払えている。こういった状況で債務整理をするかどうかを迷われている、というご相談でした。
確かに、債務整理のことを詳しく知っているというお客様はほとんどいません。そのため、何をどう検討すればいいのか分からないというお気持ちも分かります。
そこで、今回は債務整理をするかどうか迷った時に考えるポイントを解説していきます。
■「○○○万円以上の借金なら債務整理」といった目安はありません
借金の返済に充てられる金額は人それぞれです。そのため、借金が○○○万円になったら債務整理を検討するといった目安はありません。年齢や収入ごとの統計といったものもありません。
例えば、同じ年齢で同じ年収でも、一人暮らしかご実家暮らしかで生活に必要な金額は異なります。既婚者の方でもお子様がいるかいないかで生活に必要な金額は異なります。
このように、お客様の生活状況によって返済可能な金額に差があるため、一概に「借金が○○○万円になったら危険です。」といった目安がありません。
では、具体的にどのような状況になったら債務整理を検討したほうがいいのかを解説します。
■こんな状況に当てはまったら危険信号
結論から言うと、「借金の返済が苦しい」と感じたタイミングで債務整理を検討されたほうがいいでしょう。
ですが、このタイミングが分からず、借金を繰り返してしまったり、長期間延滞してしまったりと、どんどん借金問題を深刻化させてしまう方も少なくありません。
では、どのような場合が危険なサインなのか、具体的に見ていきましょう。当事務所にご依頼いただくお客様のほとんどが、これらの条件に当てはまっています。ご自身の状況と照らし合わせて、一つでも当てはまるものがあれば、一度、アヴァンス法務事務所にご相談ください。
[毎月、返済しているのに借金が減らない]
毎月きちんと返済しているのに、借金が減っていない。そう感じることはないでしょうか?
その原因の多くは【利息の負担が大きい】【借入と返済を繰り返している】の2点です。よくお聞きするのが、返済額の半分以上が利息の支払いに充てられてしまい、元金が減らないケースです。これはキャッシングやカードローン、ショッピングのリボ払いを利用している方に多くみられる傾向です。
例えば、キャッシングやカードローンで20万円を借りて、翌月に6,000円を返済したとします(利率18%)。この返済額の内訳は元金2,943円、利息3,057円と、ほぼ半分が利息の支払いに充てられてしまいます。
さらに、もう一つ注意していただきたいのが少額の借入を繰り返しているケースです。最初は数百円だった利息が、借入を繰り返すうちに、どんどん増えていきます。
例えば、キャッシングで50,000円を借りて(利率18%)、翌月に6,000円を返済したとします。ここでかかる利息は764円で、それほど利息の負担は大きくないかと思います。しかし、問題は翌月以降も借入を繰り返した場合です。利息がどのように増えていくか見てみましょう。
このように、借入残高が増えると利息の負担も大きくなります。そのため、元金がなかなか減りません。毎月、少し返しては借りて、少し返しては借りて、ということを繰り返すうちに、借金の金額がどんどん増えていきます。
これが、「毎月、返済しているのに借金が減らない」原因です。このような借入と返済を繰り返している場合は、一度、当事務所にご相談ください。この状態を放置してしまうと、借金が減らずに延々と借金問題を抱えることになってしまいます。
[3社以上の金融会社から借入れをしている]
3社以上の金融会社から借金をしている場合、すでに返済に追われていないでしょうか?すでに自転車操業になってはいないでしょうか?
借入件数が多いと返済額も大きくなります。お給料が入ってもそのまま返済に消えてしまい、すぐに生活費が足りなくなってまた借りる。このような悪循環を繰り返している方が多いように感じます。
この時点で、債務整理をして悪循環を止められた方がいいのですが、このような状況でも返済自体はできているので「まだ、払えているから大丈夫」とおっしゃるお客様も多いです。
ですが、借りられる金額には限界があります。4社、5社と借入が増えるごとに金融会社の審査に通りにくくなり、いつかは借りられなくなる可能性が高いです。
もし、今の時点で返済が苦しいのであれば、返済が行き詰ってから債務整理を検討するよりも、これ以上、借入を増やす前に根本的な解決を図ることをお勧めします。
[今月の返済ができない、延滞している]
今月の返済ができそうにない、すでに返済が滞っている、という場合はすぐにご相談ください。解決策がないまま今のご状況を放置してしまうと、余計に借金問題が深刻化してしまいます。
もしも、延滞を放置してしまうと、下記のようなリスクが考えられます。
・遅延損害金が加算される
・督促の電話が入る、郵便が届く
・カードが利用停止になる、借り入れが難しくなる
・督促を無視し続けると勤務先に電話がかかってくる
・一括請求をされる
・裁判を起こされ、給与や財産を差し押さえられる
このようなリスクがあることから、延滞を回避するために別の金融会社からお金を借りて、なんとか返済しようとされる方も多いです。しかし、それは大変危険な行動です。余計に借金が増えるだけで根本的な解決にはなりません。
■債務整理ってどんな方法?返済額を減らせる?
債務整理には【任意整理】【個人再生】【自己破産】があります。今回はその中の【任意整理】という方法を解説していきます。任意整理は、個人再生や自己破産に比べて柔軟な対応が可能なため、アヴァンス法務事務所にご依頼いただくお客様の約80%が任意整理を選択されます。
任意整理とは、裁判所を通さず金融会社と直接、将来利息の減免と分割返済について交渉を行い、月々の返済額を減らす方法です。
例えば、総額300万円の借金を毎月10万円ずつ返済した場合(利率18%)、利息だけで約101万円かかる計算になります。任意整理はこの約101万円の利息を免除してもらえるように交渉を行います。
仮に、利息の免除と60回分割で交渉が成立した場合、月々の返済額を10万円から5万円に減らすことが可能です。(※延滞の有無など、取引内容によって和解条件が変わるケースがあります。)
そして、任意整理のもう一つのポイントは裁判所を通さないことです。
裁判所を通さないため、手続きに必要な書類が少なくて済みます。また、金融会社との交渉も認定司法書士や弁護士が代理人となって行いますので、お客様にやって頂く作業も特にありません。そのため、ご家族や職場の方に知られずに手続きを進めることが可能です。
さらに、任意整理は手続きをする債務としない債務を選ぶことができます。例えば、カーローンや住宅ローンを手続きの対象から外すことで財産を残すことが可能です。このように、任意整理は柔軟な対応がしやすいため、この方法を希望されるお客様が多いです。
しかし、借金の金額が大きくなり過ぎて、任意整理の減額幅では返済を継続することが難しい場合は、個人再生や自己破産を検討する必要が出てきます。個人再生と自己破産は裁判所を通すため、ご家族に内緒で手続きを進めることが難しくなります。また、車や住宅などの財産を手放す可能性も出てきます。
そうならないためにも、借金の金額が少ないうちに解決することが重要です。少しでも返済が苦しいと感じているのであれば、ご相談だけでも結構です。すぐにアヴァンス法務事務所にご相談ください。