2023.01.18
債務整理
債務整理をするとどうなる?しないとどうなる?返済額やデメリットを解説
借金問題を解決する方法に、債務整理と言う方法があるのはご存じでしょうか。
ほとんどの方が、債務整理がどのような手続きで、生活にどんな影響があるのか、いまひとつイメージが湧かないのではないでしょうか。
このコラムでは、債務整理で返済額をどれぐらい減らせるのか、デメリットはないのかを解説します。また、債務整理をしなかった場合はどうなるのか、についても解説します。
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産がある
債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産があります。それぞれ、借金の減額幅や財産の処分の有無など、生活への影響に差があります。
任意整理
任意整理とは、金融会社と直接、利息の減免と分割返済について交渉する方法です。概ね、元金のみを36回~60回分割で返済していくことになります。この方法によって、月々の返済額を減らせるケースが多いです。
任意整理の減額幅
任意整理は利息の減免がポイントです。
例えば、総額300万円(利息18%)の借金を毎月10万円ずつ返済していたとします。この場合、完済するまでに、約101万円の利息がかかります。
この借金に対して任意整理を行い、利息の免除と60回分割で和解交渉が成立した場合、月々の返済額を10万円から5万円に減額できます。また、約101万円の利息も免除されます。
任意整理は元金を減らすことはできませんが、利息を減免してもらうことで、着実に借金を減らしていくことができます。
任意整理の進み方
まずは、任意整理の手続きを開始した時点で、督促と返済が止まります。これにより、一旦は落ち着いていただけるのではないでしょうか。
その後、取引履歴の開示請求や和解交渉などの作業がありますが、これらはすべて、アヴァンスが行いますので、お客様にはお待ちいただくだけです。和解完了後は3〜5年程度で分割返済をします。
手続き開始から和解完了まで約4~6ヶ月です。
個人再生
個人再生とは、裁判所に申立てを行い、借金を1/5もしくは100万円に圧縮し、原則3年で分割返済していく方法です。利息も免除されるため、大幅に借金を減額することができます。
個人再生はすべての借金が手続きの対象になりますが、住宅資金特別条項と言う特則を利用すれば、住宅ローンを手続きから除外することができます(利用には条件があります)。
個人再生の減額幅
個人再生は元金を大幅に圧縮できることがポイントです。
例えば、先ほどの総額300万円(利息18%)の借金に対して個人再生を行った場合、借金が100万円に減額され、利息も免除されます。この場合、月々の返済額は約28,000円です。任意整理とは違い、元金を大幅に減額できます。
個人再生の進み方
まずは、任意整理と同様に手続きを開始した時点で、督促と返済が止まります。その後、お客様には書類収集の作業を行っていただきます。
裁判所に、家計収支表(家計簿)、給与明細、通帳のコピー、住民票、債権者の一覧、保険関係の書類、住宅関係の書類、退職金証明書、公共料金の領収書、など主だったものだけでもこれだけの書類を提出しなくてはいけません。
書類収集の作業を行っていただいている間に、アヴァンスは債権者への対応や、申立書類の作成などを行います。
書類作成の完了後、裁判所に申立てを行います。その後、裁判所が免責を認めれば、減額された金額で分割返済を開始します。返済期間は原則3年です。
手続き開始から完了まで約6~9ヶ月です。
自己破産
自己破産とは、裁判所に申立てを行い、すべての借金の返済義務を免除してもらう方法です。
車や住宅などの20万円以上の価値のある財産が差し押さえられます。よく、「自己破産=すべてを取り上げられる」と誤解されている方も多いのですが、処分されるのは換金性のある財産だけで、家具や家電などの生活に必要な財産は残すことが可能です。
自己破産の減額幅
自己破産はすべての借金の返済義務が免除されることがポイントです。
例えば、先ほどの総額300万円(利息18%)の借金に対して自己破産を行った場合は、すべての返済義務が免除されるため、返済額は0円です。
自己破産の進み方
任意整理・個人再生と同様に、手続きを開始した時点で、督促と返済が止まります。その後、お客様には書類収集の作業を行っていただきます。
個人再生と同様に、書類収集の作業を行っていただいている間、アヴァンスは債権者への対応や、申立書類の作成などを行います。
書類作成の完了後、裁判所に申立てを行い、裁判所が免責を認めれば、すべての借金の返済が免除されます。
手続き開始から完了まで約6~8ヶ月です。
債務整理のデメリット
借金問題を解決できる債務整理ですが、デメリットもあります。
クレジットカードや借入に影響が出る
任意整理・個人再生・自己破産のどの方法を選択しても、信用情報機関に事故情報が登録されます。俗に言うブラックリストに載る、と言う状態です。これにより、クレジットカードが使えなくなったり、新たな借入が難しくなるといった影響が出ます。
クレジット決済ができないと、日常生活に不便が生じます。また、キャッシングやリボ払いを利用して、生活費を補填されている方も多く「クレジットカードが無いと生活が立ち行かない」と言うお声もよく聞きます。
クレジットカードの他、住宅ローン、カーローンも組みにくくなるため、債務整理を躊躇される方もいらっしゃいます。
個人再生・自己破産は制約が多い
任意整理は裁判所を通さないため、事故情報に載ること以外は特にデメリットと言えるものはありません。任意整理であれば、ご家族にも内緒で手続きを進められますし、車や住宅を残すことも可能です。
しかし、裁判所に申立てを行う個人再生・自己破産は制約が多いです。
まず、同居のご家族に内緒で手続きを進めることが難しいです。裁判所に提出する書類の中には、ご家族の協力が必要な書類もあります。特に家計簿や住宅・保険関連の書類など、ご家族が管理しているような書類です。また、ご家族に収入がある場合は、ご家族の収入証明も提出しなくてはいけません。
次に、財産を手放す可能性があります。自己破産の場合は、車や住宅など、20万円以上の価値の財産は処分されます。個人再生の場合は、財産を処分されることはありませんが、車などのローンが残っている財産は債権者によって引き上げられる可能性が高いです。
最後に、裁判所の免責許可の判断が厳しいことです。裁判所は、個人再生・自己破産によって、経済的な更生ができそうかを判断します。個人再生によって借金が大幅に減っても、それを返済できる見込みがなければ、免責は認められません。
自己破産の場合も、返済義務を免除すれば借金をせずに生活ができそうかを審査します。裁判所に家計簿や給与明細などを提出するのはこのためです。
債務整理をしないとどうなるのか
上記のデメリットを懸念して、債務整理をしない、という判断をされる方もいらっしゃいます。では、債務整理をしなかった場合、どうなるのか考えてみましょう。
延滞を出せば結局、事故情報が登録される
クレジットカードや借入への影響を懸念して、債務整理を断念した結果、借金問題がそのままになってしまいます。しかし、一度は債務整理を検討したということは、すでに返済が苦しくなっているはずです。
そこから、自力で返済を続け、借金を完済することができるでしょうか。クレジットカードや借入には限度があり、いつかはお金を借りられなくなってしまいます。
事故情報は借金の返済が滞った場合も登録されます。つまり、債務整理をしてもしなくても、延滞を出してしまえば、クレジットカードや借入に影響が出るのは同じです。
最終的に財産を差し押さえられる可能性がある
もしも、このまま返済が滞ってしまい、解決できないまま放置してしまうと、最終的に裁判を起こされ、財産を差し押さえられる可能性があります。
差し押さえられるのは、主に、給与、預貯金、車や住宅と言ったものです。財産を手放したくないからと、債務整理をしなかったとしても、差し押さえにまで発展してしまえば、同じことです。
また、差し押さえを受けてしまうと、ご家族に内緒にしておくことも難しいのではないでしょうか。
債務整理を先延ばしにすると、余計に解決のハードルが上がる
事故情報や財産への影響についてご説明させていただくと、「じゃあ、延滞してから債務整理します。」「もう少しこのまま返済します。」とおっしゃる方が時々いらっしゃいます。
この考えは、大変危険です。
それは、解決を先延ばしにしている間に、借金を増やす行動をとってしまう方が多いからです。例えば、お金が足りなくなって追加で借入をしてしまったり、リボ払いを繰り返し利用したり、延滞して遅延損害金が加算されたりと、借金を増やしてしまいます。
借金が増えてからでは債務整理の選択肢が狭まってしまいます。多くのお客様は、ご家族に内緒にしたいというご事情から「任意整理」を希望されます。
しかし、任意整理は利息の減免は見込めますが、元金は減りません。借金の総額が増えればそれだけ返済額も増えます。任意整理後の返済額で返済を継続できる見込みがなければ、任意整理はできません。
この場合は、さらに手続きの負担が大きい、個人再生・自己破産を検討するしかありません。これらの方法は、ご家族に内緒にできなかったり、財産を処分されたりといったことが考えられます。
そのため、債務整理はできるだけ借金が少ないうちに、少しでも返済が危ういと感じた時点で手続きをされたほうが良いでしょう。
債務整理を迷っているなら、一度ご相談ください。
ここまでで、任意整理・個人再生・自己破産、それぞれの方法について解説しました。どの方法も借金問題の解決に有効な手段です。しかし、その反面デメリットがあるのも事実です。デメリットを懸念して不安になるお気持ちも分かります。
債務整理をするかしないか、迷われるなら、一度、アヴァンス法務事務所にご相談ください。ご相談の段階でどれぐらい返済額を減らせそうか、ご家族や財産に影響は出ないか、ある程度の見込みをお伝えします。
その上で手続きをする、しないを決めていたただいて結構ですし、その場で決めていただく必要もございません。「相談したから即契約」ということもありませんのでご安心ください。
アヴァンス法務事務所は、これまで多くの借金問題を解決してきました。債務整理に対する不安を私たちにお話しください。ご自身にあった方法をご提案いたします。