債務整理をするとスマートフォンや携帯電話は使えなくなるの?

借金問題のご相談をお聞きしている中で、「債務整理をすると携帯電話は使えなくなるのでしょうか?」というご質問を時々いただきます。機種代金やキャリア決済の利用により、携帯料金が高額になっているケースも多いため、このようなご質問が増えてきました。

スマホを含め携帯電話は日常生活に必要不可欠なものです。使えなくなると生活への影響も大きいかと思います。そこで今回は、債務整理と携帯電話の関係について解説していきます。

機種代金が残っている、携帯料金の滞納がある場合は注意が必要

携帯料金の滞納もなく、機種代金の支払いもすべて終わっているのであれば、債務整理をしても携帯電話の契約に影響はありません。現在お使いの携帯やスマホをそのまま使えますし、機種変更、キャリアの乗り換えなどの契約にも影響はありません。

しかし、逆に

・携帯料金を滞納している
・機種代金の支払いが残っている

このような場合に携帯電話を債務整理の手続きに含めると強制解約になる可能性があります。しかし、スマホや携帯電話の機種代金を分割払いで購入していて、残高が残っている方も多いのではないでしょうか。

「つまり、債務整理をすると携帯電話は持てなくなるってこと?」と不安になるかもしれませんが、【任意整理】という方法を選ぶことで、手続き後もスマホや携帯電話をそのまま使い続けることが可能です。

それでは、次の項目で任意整理について詳しく解説していきます。

任意整理を選択することで携帯電話やスマホの強制解約を避けることが可能

債務整理には【任意整理】【個人再生】【自己破産】があります。

この中の任意整理は裁判所を通さないため、個人再生や自己破産に比べて柔軟な対応が可能です。

そして、任意整理の特徴の一つに、手続きを行う債務と行わない債務を選べるという点があります。つまり、携帯の機種代金が残っていても、任意整理の手続きに含めなければそのまま携帯電話を使い続けることが可能です。

また、任意整理には他にもこのような特徴があります。

・月々の返済の負担を減らすことが可能
・家族や職場に内緒で手続きを進められる
・必要な書類が少なく手続きに係る負担が少ない

任意整理は金融会社と直接、将来利息の減免と分割回数を交渉します。これにより、月々の返済額を減らすことが可能です。概ね元金のみを60回分割で返済していくことになります。

このように、任意整理は柔軟な対応が可能で、お客様の作業の負担も少ないです。そのため、当事務所にご依頼いただくお客様の約8割以上の方が任意整理を選択されます。

携帯料金を任意整理の手続きに含めたほうがいい場合もある

携帯電話は生活する上で欠かせません。できれば任意整理の手続きに含めず、そのまま利用したい方も多いでしょう。しかし、場合によっては任意整理の手続きに含めたほうがいいケースもあります。

それは、携帯料金の請求が20万円、30万円と高額になっている場合です。ゲーム課金やキャリア決済などで高額な請求が発生してしまった、というご相談が最近増えています。

もしも、この請求金額が払えないのであれば任意整理の手続きに含めたほうがいいでしょう。このまま携帯料金を払えずに滞納してしまうと、だいたい1~2ヶ月で利用停止になり、そこから2ヶ月程度で強制解約になることが多いです。

さらに、15%程度の遅延利息が加算されます。この利率はキャッシングやカードローンと同等の利率で、このまま放置してしまうと借金が増えていくだけですし、裁判を起こされて給与や財産を差し押さえられるリスクもあります。

携帯料金の支払いを滞ったままにしていると、いずれは強制解約になります。それであれば、任意整理をして返済の負担を軽くする方が現実的ではないでしょうか。

債務整理後、一定期間は機種代金の分割購入が難しくなります

債務整理と携帯電話の契約に関して、ご注意いただきたいポイントがあります。それは、債務整理をしてから一定期間はスマホや携帯電話の分割購入が難しくなることです。では、なぜ分割購入が難しくなるのか解説していきましょう。

機種代金の分割購入ができる、できないには信用情報が関係しています。債務整理をすると信用情報機関に事故情報が登録され、新しくクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりと言った信用取引が難しくなります(俗に言うブラックリストの状態)。

機種代金の分割購入も信用取引にあたるため、分割購入の審査に通らない可能性が出てきます。ただし、事故情報は一生残るわけではありません。債務整理をしてから概ね5年~10年程度で消えますので、その後でしたら携帯の分割購入が可能になりますのでご安心ください。

また、機種代金を一括払いで購入する場合は問題ありません。比較的価格が安い機種を選ぶ、SIMフリーの中古携帯を探すなど、一括で払える価格帯のものを見つければ新しい携帯電話を購入することが可能です。

※携帯料金の支払方法にご注意ください。

クレジットカードで支払っている場合

債務整理の手続きをしたクレジットカードは強制解約になるため、使えなくなります。また、手続きをしなかったクレジットカードも更新の時期など、金融会社が信用情報を確認したタイミングで使えなくなることが多いです。そのため、クレジットカードが止まったことに気づかず、うっかり携帯料金を滞納してしまわないようにご注意ください。

銀行引き落としで支払っている場合

銀行からの借入に対して債務整理をすると、その銀行口座は一時的に凍結されます。そのため、携帯料金の引き落としに使用している場合は別の口座を指定するか、支払い方法を変更しておきましょう。

任意整理で解決したいなら、早めの行動がポイントです。

スマホや携帯電話を残したまま借金問題を解決するには、任意整理を選択する必要があります。しかし、希望すれば誰でもできる訳ではありません。

任意整理は手続き後の返済額で返済を続けられる見込みが無ければ行うことができません。任意整理の減額幅では借金問題の解決が難しい場合は、より減額幅の大きい個人再生や自己破産を検討することになります。

しかし、個人再生と自己破産の場合は全ての債務を手続きの対象にしなくてはいけないため、携帯電話を手放す可能性が出てきます。これを回避するには、少しでも借金の金額が少ないうちに認定司法書士や弁護士に相談し、解決を図ることが重要です。

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