多重債務に陥ってしまったら、どうやって解決すればいい?

最初は、1万円、2万円だったキャッシングやリボ払いも、繰り返し利用していく内に、払いきれない金額に膨れ上がってしまう方が多いです。

そして、さらに借金問題を深刻化させるのが「多重債務」です。いつの間にか2社、3社と借入先が増えていき、自転車操業になってしまう例です。

このコラムでは、多重債務に陥る原因とその解決方法を解説します。

なぜ多重債務に陥ってしまうのか

多重債務に陥ってしまう例を解説します。よくお聞きする原因は「借金を返すために借金をする」という行為です。

A社から100万円を借りていた方が、返済が追い付かなくなり、B社から借りて返済してしまいます。これが多重債務の始まりです。

A社の返済は間に合ったものの、B社の借金が増えたため、借金の総額が増えています。A社、B社の返済に追われているうちに、どちらの返済も追い付かなくなり、さらにC社から借りて返済をしてしまいます。

キャッシングやカードローンの利息は高額です。残高が減っていないのに、追加の借入を繰り返していくため、どんどん借金が膨れ上がり、自転車操業から抜け出せなくなってしまいます。

そして、いつかは3社とも限度額に達してしまいます。ここで、さらに別の金融会社からお金を借りてしまうと、余計に深みにはまってしまいます。また、借入審査に通るかどうかも分かりません。

ついには、お金が借りられなり、自転車操業すらも破綻してしまいます。

これが、多重債務のよくある例です。他の金融会社からお金を借りて「何とか今月を乗り切れた」と一安心しても、すぐに翌月の返済が待っています。そのため、再びお金を借りてしまい、借金が増えていきます。

多重債務はどうやって解決すればいいのか

多重債務を解決するには、まず、これ以上の借入を止めることです。そのために、ご家族に援助を求めたり、収入を増やす、支出を減らすなどの対応が有効です。

しかし、返済に追われてしまい、借りざるを得ない状況になっている方もいるでしょう。また、借金の金額が大きくなり過ぎて、ご家族の援助や収支を見直しても返済が追い付かないところまで、借金問題が悪化している方もいらっしゃいます。

このような多重債務・借金問題を解決する方法として債務整理があります。

債務整理とは、借金を減額したり、支払いに猶予を持たせたりすることによって、借金問題を解決する方法です。

債務整理にはいくつか方法があります

債務整理と聞くと、「財産をすべて取り上げられる」「会社や家族に知られる」「世間体が悪い」など、様々な悪いイメージを思い浮かべて不安になってしまう方が多いです。しかし、これらはすべて間違いです。

債務整理にはいくつか種類があり、手続き方法によっては日常生活への影響を最小限に抑えられます。ご家族に内緒で、車や住宅といった財産を残したまま解決できるケースも多いです。

債務整理の手続きの違いについて解説します。

任意整理

金融会社と直接、利息の減免と支払い回数について交渉し、返済の負担を軽減する方法です。概ね、元金のみを36回~60回程度で分割返済していきます。これにより、月々の返済額を減らすことが可能です。

任意整理にはこのような特徴があります。

・家族に内緒で手続きを進められる
・車や住宅を残すことが可能
・手続きをする債務としない債務を選べる

個人再生

裁判所に申立てを行い、債務を1/5もしくは100万円に圧縮できる方法です。住宅資金特別条項という特則を利用すれば、住宅ローンを維持したまま借金を大幅に減額することが可能です。

個人再生にはこのような特徴があります。

・借金を大幅に減額できる
・裁判所に返済能力を厳しく判断される
・住宅ローンを維持することが可能

自己破産

裁判所に申立てを行い、すべての債務の返済義務を免除してもらう方法です。20万円以上の価値のある財産は処分されますが、生活に必要な家具・家電・日用品などは残すことが可能です。また、99万円未満の現金も残すことが可能です(裁判所の規定あり)。

手続き中は警備員や保険募集人など、一部の職業に就くことが制限されます。また、浪費やギャンブルが原因の借金は免責が認められにくいなど、制約が多いです。

自己破産にはこのような特徴があります。

・すべての借金の返済義務が免除される
・20万円以上の価値の財産が処分される
・一部の職業に制限がある
・浪費やギャンブルによる借金は自己破産が認められにくい

債務整理で多重債務を解決した方の体験談

任意整理で解決「旦那に内緒で借金問題を解決できました。」

<30代 女性の例>

ご相談内容

クレジットカードのリボ払いをよく理解しないまま無計画に使用し続けた結果、気が付くと残高が膨れ上がってしまったとのことでした。その後、ご結婚され、ご主人に借金を内緒にしたまま返済を続けておられました。

パートの収入から返済を続けておられましたが、いつしか返済が滞るようになってしまいました。督促の電話や郵便がきっかけで、ご主人に借金がバレてしまうのではないかと、不安な毎日を過ごされていました。バレたら離婚問題になるのではなかと、気が気ではなかったそうです。

アヴァンスからのご提案

ご主人に内緒で借金問題を解決したいとのご相談でした。まずは、債務と収支の状況をお伺いしましたところ、パートの収入があったため、任意整理で利息の減免と分割返済を交渉すれば、返済の継続が可能なご状況でした。

また、ご家族にも内緒で手続きを進められるため、任意整理での解決をご提案しました。

任意整理にて解決後

総額200万円の借金に対して任意整理を行った結果、今後の利息を免除してもらい、60回程度の分割返済ができるように和解が成立しました。その結果、月々の返済額を81,000円から36,000円に減らすことができました

これなら、ご主人に内緒のまま、返済の継続が可能です。

任意整理で解決「任意整理で月々の返済額が半分になりました。」

<30代 男性の例>

ご相談内容

仕事関係の付き合いや友人との飲み会のために、キャッシングを利用したことが借金のきっかけでした。

最初は「足りない分を少し借りるだけ、すぐに返せばいい」と軽い気持ちで借りてしまったそうですが、繰り返し利用するうちに、自分のお金が増えたような錯覚に陥り、まるでATMで自分のお金を引き出しているような感覚で頻繁に利用してしまったそうです。

しかし、毎月の返済はやってきます。月3万円のお小遣いでは返済できず、別のカード会社からキャッシングをして返済に充てる「借金を借金で返す」状態となってしまいました。

カードの限度額に達すると、別のカードでキャッシングを繰り返して返済に充てる、自転車操業になっておられました。最終的には7社から借金をされていました。

アヴァンスからのご提案

借金のご状況をお聞きしたところ、毎月返済している金額の内、そのほとんどが利息分の支払に充てられ、元金が減っていない状態でした。また、「なんとかマイホームは残したい」というご要望から任意整理での解決をご提案しました。

任意整理にて解決後

総額400万円の借金に対して任意整理を行った結果、利息を免除してもらい、60回分割で返済できるように和解が成立しました。その結果、月々の返済額を143,000円から68,000円に減らすことができました

返済額が減っただけでなく、約100万円の利息が免除されたため、「払っても、払っても、減らない借金」から抜け出すことができました。

個人再生で解決「借金が大幅に減額され、返済の目途が付きました。」

<30代 男性の例>

ご相談内容

20歳の頃からパチンコにはまり借金を繰り返されていました。そのたびに親御さんの援助で返済をされていましたが、結婚後もパチンコを止められず借金を繰り返しておられました。

しかし、借金の総額が400万円近くに膨れ上がり、月2万円のお小遣いでは到底返済できないご状況でした。

アヴァンスからのご提案

ご相談当初は「過払い金請求ができないか」というお問合せでしたが、お借入れの状況を伺ったところ、過払い金は発生していませんでした。また、任意整理での解決も検討してみたのですが、返済の余力が少なく、任意整理も困難なご状況でした。

そのため、個人再生をご提案しました。

個人再生にて解決後

総額約400万円の借金に対して個人再生を行った結果、無事に免責が認められ、債務が100万円に減額されました。その結果、月々の返済額を70,000円から28,000円に減らすことができました

借金が大幅に減額され、利息も免除されているため着実に借金を減らしていくことができます。この場合、3年で完済できる見込みです。

まとめ

借金問題を抱える方の多くが、多重債務に陥っておられます。

そして、その原因は借金の繰り返しです。最初は1社だった借入先が、返済が追い付かなくなって、2社、3社と新しい借入先を増やしてしまいます。利息の負担も大きいことから、どんどん残高が増えていきます。

なんとか返済を間に合わせようと、借入を繰り返していく内に、返済しきれない金額になってしまいます。追加の借入を考えた時点で、ご家族に援助を求めたり、収支を見直すなど、解決を図られるのが理想的です。

しかし、すでに3社、4社から借り入れをされており、返済がどうにもならなくなっているなら、債務整理を検討されたほうが良いでしょう。

債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産があり、借金や財産の状況によってどの方法がベストなのかが異なります。事例でご紹介したように、任意整理の場合は、元金は減りませんが、ご家族に内緒にできたり、住宅を残したりと柔軟な解決が可能です。

もし、借金の金額が大きすぎて、任意整理ではどうにもならないなら、借金を大幅に減額できる個人再生を検討するなど、方法は様々です。

お客様ご自身でどの方法がいいのか、選択するのは困難です。「債務整理をした場合、私ならどうなるのか?」ご契約前でも、借金と生活の情報をお教えいただければ、ある程度の見通しをお伝えすることは可能です。

アヴァンス法務事務所は、相談料は何度でも無料ですし、相談したから即契約、と言うこともありません。まずは、お電話・メールでご質問いただくだけでも結構です。お気軽にお問い合わせください。

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