比べてみよう!債務整理と「おまとめローン」

テレビやインターネットで「おまとめローン」という言葉を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?「借金の返済がラクになる」というイメージがある「おまとめローン」ですが、果たして本当にそうなのでしょうか。解説していきます。

■まずは「おまとめローン」を正しく知ることから

「おまとめローン」とは、複数の金融会社からの借入を、一つの金融会社で「まとめて」借り換えることで、借金を一本化する方法です。この「おまとめローン」が注目されるのは「現在の借金に比べて、低い金利で借り換えることができれば返済が楽になる」というメリットがあるからです。 

たとえば、消費者金融などからの金利の高い借入を、銀行などからの低金利の「おまとめローン」に借り換えることができれば、利息を減らすことが可能になります。また、複数ある借金を一本化できるため、返済の管理がラクになります。

ただし、デメリットもいくつかありますので、メリット・デメリットをまとめておきます。

[おまとめローンのメリット]

・複数の借金を一本化できるので、返済の管理が楽になります。
・借入の内容によっては、利息の負担を減らせます。

[おまとめローンのデメリット]

・カードローンやキャッシングに比べ、借入の審査が厳しい傾向にあります。延滞がある場合は審査に通らない可能性が高いです。
・月々の返済額が少ないと、最終的に返済総額が増える可能性があります。
・「新たな借金」であることに変わりはなく、利息の負担は今後も続きます。
・金利があまり下がらなければ、メリットも小さくなります。
・借金を一本化できても、返済できなければ問題の根本的な解決になりません。

上記を理解したうえで、「おまとめローン」を上手に利用すれば、借金問題の解決につなげることができるかもしれません。しかし、メリット・デメリットを理解せず、借入内容の精査もせずに「おまとめローン=借金返済が楽になる」という安易な考えで利用してしまうと、借金問題を返って深刻化させてしまうとことになりかねませんのでご注意ください。

■簡単チェック!債務整理と「おまとめローン」の違い

続いて、債務整理と「おまとめローン」の違いをチェックしてみましょう。誰もが気になる「金利」「返済総額」「信用情報」「完済までの期間」という4つの項目で、債務整理と「おまとめローン」それぞれの違いをチェックできます。

[金利の違い]

債務整理/原則0%
おまとめ/3%~18%程度と金融会社によって様々。

[返済総額の違い]

債務整理/減らすことが可能です。
おまとめ/減らすことは可能ですが、借入内容をしっかり精査しないと、逆に増える場合があります。

[信用情報の違い]

債務整理/事故情報が登録されます(俗にいうブラックリストに載る)。
おまとめ/事故情報が登録されません。

[完済までの期間の違い]

債務整理/任意整理なら概ね3年~5年、個人再生なら原則3年、自己破産なら免責確定後にすべて免除。
おまとめ/債務の総額と契約条件によって異なります。

このように、債務整理と「おまとめローン」には違いがあります。それぞれの違い、メリット・デメリットをきちんと把握したうえで、借金問題の解決に役立てていきましょう。「誰にも聞けない」「専門家に相談したい」という方は、アヴァンス法務事務所にいつでも遠慮なくご相談ください。

■債務整理の種類とメリット・デメリットを知ろう

債務整理とは、借金を減額したり、支払いに猶予を持たせたりすることにより、借金問題を解決するための方法です。債務整理にはいくつかの方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。まずは、債務整理の種類から見ていきましょう。

[任意整理]

裁判所を通さず、利息の減免や返済回数について金融会社と直接交渉し、返済の負担を軽減してもらうための手続きです。アヴァンス法務事務所に債務整理をご依頼いただく8割以上のお客様が、任意整理の手続きを選択されています。

[個人再生]

裁判所を通して借金を概ね1/5または最低弁済額の100万円まで圧縮し、原則3年で分割返済をしていくことで生活再建を目指す手続きです。

住宅資金特別条項を利用することで住宅ローンを残すことが可能です(条件あり)。しかし、返済能力を裁判所から厳しく判断され、手続きもやや複雑になります。

[自己破産]

裁判所を通してすべての借金の返済義務を免除してもらう手続きです。家や車などの一定の財産を処分する必要がありますが、生活に必要な家具・家電を残すことが可能です(裁判所の規定あり)。

また、弁護士や警備員、生命保険募集人など、一部の職業の方は免責確定まで一定期間は仕事に就けなくなります(資格制限)。

[債務整理の手続きそれぞれのメリット]

【1】任意整理のメリット

・家族や職場に内緒で手続きが可能。
・将来利息の減免により返済の負担が軽くなる。
・概ね3年~5年で分割返済をするので完済の目途が立つ。
・財産を処分する必要がない。
・対象にする債務を選ぶことが可能。

【2】個人再生のメリット

・債務を概ね1/5もしくは100万円まで減額。
・原則、3年で分割返済をするので完済の目途が立つ。
・住宅資金特別条項を利用することで住宅を残すことが可能(条件あり)。

【3】自己破産のメリット

・すべての債務の返済義務が免除される。
・一定の財産を処分する必要があるが、裁判所の規定内の生活に必要な、家具などの財産を残すことが可能。

[債務整理の手続きそれぞれのデメリット]

【1】任意整理のデメリット

・信用情報機関に登録され、5年程度は新たな借り入れが難しくなる可能性がある。

【2】個人再生のデメリット

・信用情報機関に登録され、5年程度は新たな借り入れが難しくなる可能性がある。
・すべての債務が対象。
・官報に公告される。(国が発行する新聞のようなもので一般の人が目にする機会は稀です。)
・裁判所に返済能力を厳しく判断される。

【3】自己破産のデメリット

・信用情報機関に登録され、10年程度は新たな借り入れが難しくなる可能性がある。
・すべての債務が対象。
・一定の財産を処分する必要がある。
・借入理由を問われるため、誰でも行えるわけではない(免責不許可事由)。
・職種によっては、一時的に仕事に就けなくなる(資格制限)。
・官報に公告される。(国が発行する新聞のようなもので一般の人が目にする機会は稀です。)

■「おまとめローン」で本当に借金問題を解決できるか考えてみましょう

おまとめローンは、うまく利用することができれば確かに返済の負担を軽くすることができます。しかし、内容をよく確認せず、「おまとめローン=借金返済が楽になる」という安易な考えで利用することは避けましょう。重要なのはおまとめローンを利用すれば返済を続けていくことができるかどうかです。 

さらに、現在の状況でおまとめローンの審査に通るかどうかも考えてみましょう。延滞が続いている場合は信用情報機関に事故情報(俗に言うブラックリスト)が載っている可能性が高く、審査に通りにくくなります。

また、返済能力を問われるため、複数の債務を抱えている場合も審査に通りにくい傾向にあります。 

最後に、おまとめローン以外にも借金問題を解決する方法があることを覚えておいてください。おまとめローンと任意整理のどちらを選べばいいのかを迷っているのであれば、まずはアヴァンス法務事務所にご相談ください。 

任意整理で月々の返済額がどれぐらい減らせるのか、信用情報がどうなるのか、不安に思うことや疑問などをお聞かせください。任意整理の説明を聞いた上でどちらを選択するのかを決められても遅くはないかと思います。

いつでもお気軽にお問い合わせください。

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