知っておきたい!過払い金請求から返還までの流れとポイント

金融会社と直接交渉することで、払い過ぎていた利息を取り戻せるかもしれない「過払い金請求」の手続き。今回のコラムでは、手続きの始め方から返還までの流れを確認しながら、過払い金請求の大切なポイントを理解していきましょう。

■過払い金は取り戻せる?手続きが可能な条件・期間をチェック

金融会社からの借金に、「払い過ぎていた利息=過払い金」が発生していれば、「過払い金請求」の手続きにより、全額または一部のお金を取り戻せる可能性があります。「過払い金って何?」「過払い金の仕組みを知りたい」という方はこちら↓

過払い金請求の手続きをするには、以下の条件・期間を確認しておく必要があります。

[借金を返済中の場合]

・金融会社との取引開始(借金の契約)が2007年(平成19年)以前であること
・取引時の金利が、利息制限法が定める上限金利(※)を超えていること
(※)利息制限法が定める上限金利
10万円未満の借入:20% 10万円以上100万円未満の借入:18% 100万円以上の借入:15%

【POINT】延滞している場合でも、過払い金請求の手続きは可能です。

[借金を全額返済(完済)している場合]

・金融会社との取引開始(借金の契約)が2007年(平成19年)以前であること
・借金を全額返済(完済)してから10年以内であること。
・取引時の金利が、利息制限法が定める上限金利(※)を超えていること
(※)利息制限法が定める上限金利
10万円未満の借入:20% 10万円以上100万円未満の借入:18% 100万円以上の借入:15%

[過払い金請求ができない場合]

・2007年(平成19年)以降の借入
・利息制限法の上限金利内の借入
・借入先の金融会社が倒産してしまっている場合。
・借金を全額返済(完済)してから10年以上が経過している場合。

【POINT】完済から10年が経過すると時効となり、過払い金請求はできません。

■過払い金請求の手続き開始から返還までの流れは?

過払い金請求の手続きは、通常、以下のような流れで進みます。ご自身で手続きする場合も、認定司法書士や弁護士が手続きをする場合も、基本的な流れ自体は同じです。しかし、これを見ると、ご自身で手続きをする方よりも、認定司法書士や弁護士に手続きを依頼する方のほうが多いことに納得できるのではないでしょうか。

[1:金融会社から取引履歴を取り寄せる。]

借金をしていた金融会社からこれまでの取引内容がわかる「取引履歴」を取り寄せます。取引履歴の取り寄せには、おおむね2週間~3ヶ月かかります。

[2:利息の再計算(引き直し計算)をする。]

取り寄せた取引履歴をもとに、利息制限法の上限金利に基づく利息の再計算(引き直し計算)をします。これで、払い過ぎていた利息がいくらかが分かります。自分で計算することもできますが、取引期間が長くなるほど膨大な量の計算が必要となり、気が遠くなるような作業になります。一般の方が正確に計算することは極めて困難です。

[3:金融会社と過払い金請求の交渉をする。]

金融会社に対して、過払い金を返してもらうよう交渉します。

[4:交渉が成立すれば、過払い金が返還される。]

金融会社と和解が成立すれば、過払い金が返還されます。

上記の一連の流れをご自身で行うことも可能ですが、「利息の再計算」と「金融会社との交渉」という2つの高いハードルがありますので、経験・知識・ノウハウを持つ認定司法書士や弁護士に手続きを依頼することをおすすめします。

■アヴァンス法務事務所に依頼するとどうなる?

アヴァンス法務事務所に手続きをお任せいただける場合、お客様ご自身で「取引履歴の取り寄せ」や「利息の再計算」などの煩わしい作業をしていただく必要はありません。金融会社との交渉も、より良い和解条件でスムーズに進めることができます。また、3ヶ月~6ヶ月程度で全ての手続きが終了します(裁判を行った場合は1年以上かかるケースもございます)。

■自分で集めるのは想像以上に大変!?過払い金請求に必要な書類

[アヴァンス法務事務所に手続きをお任せいただく場合]

お客様にご用意いただく書類は特にありません。お金を借りた金融会社の名前と、大体の取引期間について教えてください(正確でなくても構いません)。もしお持ちでしたら、借入時の契約書や取引履歴、支払い明細などをご用意ください。

お客様からご提供いただいた情報、書類の内容をもとに、アヴァンス法務事務所から金融会社に対して取引履歴の開示請求を行います。その後、取り寄せた取引履歴をもとに利息の再計算(引き直し計算)を行い、「払い過ぎていた利息=過払い金」を正確に算出します。

[お客様ご自身で手続きをする場合]

お客様ご自身での手続きの場合、以下の2点が必要になります。 

(1)全取引の履歴が記載された取引履歴
(2)利息制限法に基づく引き直し計算書

用意するのがとにかく大変なのは、(2)の利息制限法に基づく引き直し計算書です。すでにご説明した通り、引き直し計算をご自身の手で正確に行うことは、難しいと言えるでしょう。インターネット上などで入手できる「計算ソフト」などを利用しても、正確な金額を算出できる可能性は非常に低いです。 

ご自身での手続きについては、利息制限法に基づいて利息を再計算するという大変な労力が必要となるうえに、金融会社との交渉が大きなハードルとなります。過払い金請求自体に応じない金融会社もあり、過払い金を全額返還してもらえるかどうかもわかりません。

■手続きのリスク・デメリットをきちんと確認。トラブルにも注意!

過払い金請求をご検討中でしたら、手続きに関するリスクやデメリットを確認しておきましょう。具体的にどんなリスクやデメリットがあるか、以下に挙げてみます。

[借金を全額返済(完済)している方の場合]

・信用情報機関(俗にいうブラックリスト)に登録されることはありませんので、これは心配をする必要はないでしょう。
・完済から10年以上が経過すると、過払い金は時効になるため注意が必要です。

[借金を返済中の方の場合]

・取り戻せる過払い金で借金を全額返済できる場合、デメリットはありません。
・取り戻せる過払い金で残りの借金を全額返済できない場合、「任意整理」の手続きに移行するため、信用情報機関に登録されます。したがって、一定期間(5年~10年)借入が制限される可能性があります。

[お客様ご自身で手続きをする場合]

・手続きに必要な書類の収集・作成に、膨大な時間と手間がかかります。
・利息の再計算(引き直し計算)は膨大な量の計算になりますので、正確に計算することは困難を極めます。
・ご自身での交渉は可能ですが、必ずしも金融会社が交渉に応じるとは限りません。
・金融会社との交渉では、お客様に不利な条件で和解となる可能性があります。

最後に、「過払い金請求の詐欺」にもご注意ください。NPO法人を名乗ったり、過払い金請求を行う事務所の紹介をしたりする悪徳業者が存在しますので、くれぐれもご注意ください。なお、過払い金請求などの債務整理については、認定司法書士や弁護士などの資格を持たない者が、手続きを代行することはできません。

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