「過払い金を借金の返済に充てたい…」でも、過払い金がなかった場合はどうすればいい?

一時期に比べてかなり少なくなったものの、過払い金請求のテレビCMやインターネット広告を今でもよく見かけます。そして、アヴァンス法務事務所にも毎日、過払い金請求のご相談が寄せられています。

そのご相談の中で多いのが、「戻ってきた過払い金を借金の返済に充てたい」というご相談です。しかし、ご相談いただくほとんどのお客様に過払い金は発生していません。

過払い金が発生するのは、2007年より前に借入を始め、利息が20%を超えていた方が対象です。最近では、この条件に当てはまる方はほとんどいらっしゃいません。

しかし、世の中には未だに「過払い金で借金がこんなに減った!」「お金が何十万円も戻ってきた!」などと謳っている広告が出回っているため、ご自分の借金も過払い金で解決できるのではないかと誤認してしまう方が多いです。

期待していた分だけ、落胆の度合いが大きいせいでしょうか、債務整理のご提案をしようとしても、「過払い金が無いならいいです…」と、なかなかお話を聞いていただくことができません。債務整理という言葉を出すと、どうしても難しく捉えられ、必要以上に怖がってしまう方が多いのが実情です。

一般の方で債務整理に詳しい方はほとんどいません。そのため、債務整理=よく分からないけど怖いものと思われているようです。

ですが、過払い金が無くても借金は無くなりません。返済が苦しくなっているのであれば、何かしらの解決方法を考える必要があります。債務整理がどのような方法か、過払い金が発生しない理由と併せて解説していきます。

債務整理がどんな方法か知ってから、借金の解決方法を検討されても遅くはないかと思います。

なぜ!?過払い金が発生しない理由

金融会社がお客様に貸し付けを行う際に、利息が発生します。そして、その利率は法律で上限が定められています。

2010年の法改正前は利息制限法(15%~20%)と出資法(29.2%)の2つの上限金利が存在しており、多くの金融会社が高い方の金利である出資法の上限金利で貸し付けを行っていました。この利息制限法と出資法の間の金利をグレーゾーン金利と言い、「払い過ぎた利息=過払い金」となります。

このグレーゾーン金利での貸し付けが多重債務者の増加につながり、社会問題化していました。そして、2006年1月の最高裁判所の判決でグレーゾーン金利は「違法」とする判決が出ました。

その後、2010年に出資法が改正され、上限金利が20%に引き下げられました。このことから、2010年以降の借入には過払い金は発生しません。さらに、大手の消費者金融は2007年頃からすでに金利を引き下げていたため、2007年以降の借入も、過払い金が発生する可能性はかなり低いです。

また、過払い金が発生するのは、カード会社からの借入が対象です。住宅ローンやカーローン、奨学金など最初から低い金利が設定されている貸し付けには発生しません。クレジットカードのリボ払いは、借金ではなく立替金の扱いになるため、こちらも過払い金は発生しません。

これらの理由から、最近では“2007年より前に20%を超える金利でお金を借りていた方”はほとんどいらっしゃいません。これが、過払い金が発生しない理由です。

過払い金が無いなら借金はどうすればいい?

過払い金が見込めないのであれば、他の解決方法を考えなくてはいけません。アヴァンス法務事務所がお手伝いできる方法としては、債務整理があるのですが、どうしても「怖い」「よく分からない」と敬遠されがちです。

しかし、世間一般の方が思っているほど債務整理は怖いものではありません。債務整理は借金問題の救済措置です。債務整理をして日常生活を送れなくなってしまっては本末転倒です。

債務整理をなぜ怖いと思うのか、お客様に聞いてみると、自己破産のイメージを連想される方が多いです。それも、テレビや漫画で描かれるような間違ったイメージです。例えば、「自己破産は世間体が悪い」とよく言われますが、他人に自己破産をしたことを知られる可能性は極めて低いです。

テレビの中で自己破産をしたことがご近所で噂になっているシーンがよく描かれていますが、なぜそのようなことになるのか疑問で仕方がありません。他にも、債権者が自宅に押し掛けてくるシーンもよくありますが、これも間違いです。このようなことは闇金でない限りあり得ません。

また、債務整理には【任意整理】【個人再生】【自己破産】があり、自己破産をせずに借金問題を解決できる場合もあります。実際にアヴァンスにご依頼いただくお客様の8割以上の方が任意整理を選択されます。(実は過払い金請求も任意整理の一種です。)

任意整理は債権者と交渉し、返済の負担を軽くする方法です。裁判所を通さないため、比較的手続きが簡易です。ご家族に内緒で手続きを進めることもできますし、財産を取り上げられることもありません。

今回はこの任意整理について解説していきましょう。

家族や職場に知られない?

任意整理をすると、ご家族や職場、ご近所の方に借金のことを知られてしまうのではないかと、心配されるお客様も多いのですが、借金に関係のない第三者に任意整理をしたことを知られることはありません。

任意整理に関わる認定司法書士や弁護士、債権者には守秘義務があるため、勝手に任意整理をした人の個人情報を漏らすことはありません。時々、「会社に債務整理をしたという連絡が入るのでは?」「債権者が嫌がらせでバラすのでは?」と思っておられるお客様もいるのですが、金融会社はそのようなことはしません。

これはご家族であっても同様です。債権者がわざわざご本人以外の人に、任意整理をしたという連絡をすることはありません。金融会社であれば、個人情報の取り扱いには細心の注意を払っているはずです。

他に、ご家族に借金のことを知られてしまう可能性があるのは、ご家族が借金の保証人になっている場合や、ローンが残っている商品がある場合です。例えば、奨学金、住宅ローン、車のローン、家電などをローンで購入した場合です。

保証人が付いている債務を任意整理の対象にすると、保証人の方に請求が行きます。ローンが残っている商品の場合はその商品は引き上げられる可能性が高いです。

車や家電のような大きな物を引き上げられると、ご家族に不審がられますし、住宅を失えば内緒にするどころの話ではなくなってしまいます。このような場合は、該当の債務を手続きの対象から外すことで、ご家族への影響を避けることが可能です。

仕事や家事・育児が忙しくて時間が取れない

任意整理は手続きに係る手間が少ないです。当事務所と正式に委任契約を結んだ後は、お客様にやっていただく作業は特にありません。仕事を休んで何度も事務所に来ていただく必要もありませんし、難しい書類を作って頂く手間もありません。

当事務所では概ね下記の流れで手続きが進みます。ご契約から手続き完了までの期間は約4~6ヶ月です。この間、お客様にやっていただく作業は何もありません。

ご契約いただいてからは、督促と返済が一旦ストップします。その間、手続きが完了するまでに、家計の見直しを行って頂いたり、副業を検討して頂くなど、生活再建の準備をしていただければと思います。

車や住宅などの財産は取り上げられない?

任意整理の場合は財産を取り上げられることはありません。先ほど少しご説明したように、住宅ローンやカーローンのように、ローンが残っている商品がある場合はそれらを手続きの対象から外すことで、財産を残すことが可能です。

ただし、手続きの対象から外したローンはそのまま返済を続ける必要がありますので、払い続けられるかどうか、よく考えてから判断しましょう。

借金をどれぐらい減らせるの?

任意整理は、借金の元金自体を減らすことはできません。ですが、今後の利息を減免してもらうことが可能です。

利息を減らしたところで返済が楽になる訳がない、意味がない、とおっしゃるお客様も多いのですが、むしろこの【利息の減免】が重要なポイントです。お客様の借金がなかなか減らないのはこの利息が原因です。

例えば、総額300万円の借金(利率18%)を毎月10万円ずつ返済したとします。この場合10万円の内、約5万円が利息の支払いに充てられています。さらに、完済するまで合計で約101万円の利息を払うことになります。

この借金に対して任意整理を行い、利息の免除と60回分割で交渉が成立した場合、月々の返済額を5万円に減らすことが可能です。月々の返済額をこれだけ減らせれば、かなり楽になるのではないでしょうか。

※延滞や取引期間によって返済額が異なる場合があります。
※概ね元金のみを60回程度で分割返済していきます。

詐欺じゃない?怪しい方法じゃない?違法じゃない?

任意整理にはこのような特徴があります。

  • 家族や職場に内緒で手続きを進められる
  • 手続きの手間が少ない
  • 車や住宅などの財産を残せる
  • 月々の返済額を減らせる

これだけを聞くと、「詐欺じゃないか?」「法律の抜け穴を突いたグレーな方法では?」「こんな都合のいい方法がある訳ない」と思われる方もいらっしゃるかと思います。

任意整理は、認定司法書士か弁護士が取り扱う借金問題の救済措置です。怪しい方法ではありませんので、そこはご安心ください。もちろん、法律の抜け穴をかいくぐるような方法でもありません。

任意整理は、金融会社と話し合いで借金問題を解決する方法です。金融会社側からすれば、債務者が自己破産をしてしまうと、貸したお金をほとんど回収することができません。それよりも、任意整理で元金だけでも回収できた方が損失を小さく抑えられるため、金融会社も交渉に応じてくれます。

任意整理は、自己破産のような法的な強制力はありませんが、ほとんどの金融会社は任意整理に応じてくれます。和解条件が厳しい債権者もありますが、任意整理に一切応じないという債権者は少ないです。

本当に過払い金はない?債務整理と同時に過払い金の有無も確認しますのでご安心下さい。

何年も前の借金であれば、お金を借りた時期や利率を覚えていない方も多いです。少しでも過払い金が発生する可能性があるなら調べてみたいと思う方もいらっしゃるかと思います。

アヴァンス法務事務所では、【任意整理】【個人再生】【自己破産】のどの方法を選んでも、債務整理の手続きの途中で必ず過払い金の有無を確認します。

債務整理の流れの中に「取引履歴の開示請求」と言うものがあります。これは正確な債務額を確定させるために、金融会社からこれまでの取引履歴を取り寄せる作業です。この時に過払い金が発生していないかを確認し、もし過払い金が発生していれば債務額を減らすことが可能です。

ただし、ここ数年の状況を見る限りでは、借金の金額が大幅に減るほどの過払い金が発生しているお客様はごくごく稀なケースです。過払い金請求だけで借金問題を解決するのは難しいかもしれません。

どのような方法で借金問題を解決するのがベストなのか、話を聞いてみたいというご用件だけでも結構です。一度、アヴァンス法務事務所までお問合せ下さい。

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