2018.07.25
自己破産
「自己破産するとどうなる?」知っておきたい、破産後の影響
借金の返済が、困難になったときの解決方法として「債務整理」があります。債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」があり、「自己破産」は、任意整理でも個人再生でも生活の再建が難しい場合の最終手段になります。
自己破産は裁判所を通してすべての借金の支払い義務を免除してもらう手続きですが、手続きを開始した後に、「生活」「仕事」「家族」などに影響を及ぼす場合もあります。これは自己破産を考えている方にとって一番心配な点でしょう。
それでは、自己破産をするとどのような影響が考えられるのか、ご説明します。
■日常生活や仕事への影響
自己破産をすると具体的に日常生活や仕事にどのような影響が及ぶのかをご説明します。
[ローン・クレジットカード]
自己破産の申し立てを行うと、「信用情報機関」に「事故情報」として登録されます。事故情報が保存される一定期間は「ローンを組む」「クレジットカードを作る」など新たな借り入れが制限される可能性があります。また、マンションやアパートなどの賃貸契約を結ぶ際に、信販系の保証会社(クレジットカード会社による家賃保証サービス)の審査に通らない可能性があります。
[財産の処分]
自己破産をすると、不動産や生命保険など一定の財産を処分することになり、車や自宅を手放すことになります。但し、20万円以下の価値の財産と裁判所の基準を超えない範囲の、生活に必要な財産は手元に残すことができます。
[転出の届出]
自己破産の手続き中は裁判所の監督・指揮による制限がかかる場合があり、引っ越しや転勤などで裁判所の管轄の地域外に転出する場合は裁判所へ届出が必要になります。
[携帯電話]
携帯払いのショッピング利用やゲーム課金などの代金が残っている場合は、破産後に携帯電話が使えなくなる可能性があります。
[保険の解約返戻金]
生命保険や学資保険など、積み立て型の保険に加入していて、「解約返戻金」がある場合は財産とみなされ、処分の対象になります。
[職業の制限]
自己破産の手続き中は「資格制限」があり、申し立てをしてから免責が確定するまでの3か月~6か月程度は生命保険の募集人や警備員など一定の職業に就けなくなります。
■家族への影響
自己破産による家族への影響は、以下の事柄が考えられます。
- 持ち家が処分されるため転居をしなければならない。
- 家族が借金の保証人(連帯保証人)になっている場合は、家族に支払い義務が生じる。
- 子供の奨学金の保証人や連帯保証人になれない。
■自己破産の影響を受けないもの
[年金]
自己破産をしても年金の差押えは法律で禁じられているため、支給に問題はありません。
[生活保護]
最低限の収入に満たない、仕事ができないなどの証明があれば、生活保護を受けることは可能です。
[公共の書類]
住民票や戸籍に自己破産の履歴が載ることはありません。
自己破産は、債務を整理することで生活再建を図ることが目的です。自己破産をすると「普通の生活が送れなくなる」「人生のやり直しができない」という誤ったイメージがあるようですが、そのような心配はありません。むしろ、その後の人生をやり直すためにある制度であるということを理解しましょう。
しかし、自己破産は債務整理の最終手段であり、日常生活や仕事に全く影響がないとは言えません。
借金問題の解決方法には自己破産以外にも「任意整理」「個人再生」といった方法もあります。どの債務整理方法が最適か、まずはアヴァンス法務事務所にご相談ください。