正しく理解しよう!自己破産の手続きと費用の相場について

自己破産を検討する前に必ず、「手続きの流れ」や「手続き費用」に関するチェックポイントをきちんと確認しておきましょう。自己破産の流れや費用について正しく理解しておくことで、手続きに向けた準備をしっかりと進めることができます。

■自己破産の手続きはどんな流れで進む?どのくらいの期間が必要?

まずは、自己破産の手続きの流れを確認しておきましょう。一般的に、自己破産の手続きは、裁判所への申し立てから手続きの終了までに3~4か月の期間が必要になります。ただし、弁護士や認定司法書士などの専門家に手続きを依頼すると、ただちに金融会社などからの取り立てを止めることができますので、依頼をした時点で平穏な毎日を取り戻せます。

自己破産の手続きは事務所によって多少流れが異なりますので、今回はアヴァンスにご依頼いただいた場合の手続きの流れをご紹介していきます。

[(1)受任契約・受任通知の発送]

自己破産をする方と、アヴァンス法務事務所との間で受任契約を結びます。受任契約が結ばれると、金融会社などの債権者に対して、認定司法書士から「受任通知(ご相談者様の代理人となることを知らせる書類)」が発送されます。これにより、債権者からの取り立て・催促が止まります。同時に、金融会社などへの返済もストップできますので、手続きや今後の生活再建に向けた準備を落ち着いて始められます。

[(2)申立書類の作成・必要書類の準備]

自己破産の申し立て、手続き開始に向けて、必要な書類の作成・準備をします。申立書類の作成方法やその他の必要書類の種類・収集方法については、アヴァンス法務事務所がわかりやすく、丁寧にサポート・アドバイスします。

[ご相談者さまに収集・提出をお願いする書類]

【身分を証明する書類】
住民票(世帯全員が記載されているもの・直近3か月以内のもの)、保険証の写し

【収入・支出に関する書類】
家計収支表、給与明細、賞与明細、通帳のコピー(2年分)、課税所得証明書(同居のご家族分も含め2年分)、源泉徴収票(2年分)

【各種支払い状況に関する書類】
電気・ガス・水道・携帯電話・市民税・健康保険料の領収書 ※未納の税金がある場合は、督促状など滞納税額がわかる書類

【自動車を所有している場合】
自動車の車検証、現在の自動車の価値(売却価格)がわかる査定表 ※ローンが残っている場合はローン契約書など残債がわかる書類

【生命保険に加入している場合】
保険証券、解約返戻金の有無と金額がわかる書類

【退職金が受給できる場合】
退職金額証明書もしくは就業規則(退職金規定項目)

【住まいが賃貸の場合】
賃貸借契約書

【住まいが持ち家の場合】
不動産登記簿謄本、住宅ローン契約書、保証委託契約書、償還表

なお、お客様のご状況によって、上記以外の書類をご用意いただく場合があります。聞きなれない書類の名前もたくさんありますので、アヴァンスがサポートいたします。

[(3)破産手続き開始の申し立て]

作成・準備した書類を裁判所に提出し、自己破産の申し立てを行います。ここでは申し立ての手続きのみで、破産手続きが始まるわけではありません。万が一、書類に不備があった場合には、アヴァンス法務事務所がお客様と裁判所の間に入って補正などの対応を行います。

↓この間、約2週間~1か月

[(4)債務者審尋]

相談者さまが裁判所に出向いて、自己破産に至った経緯などについての質問を受けます。質問は基本的に、事前に提出した書類の内容がもとになりますので、きちんと丁寧に答えるようにしましょう。なお、基本的には時間は10分~15分ほどと短時間ですので、落ち着いて対応してください。

※場合によっては裁判所に再度出向いて「免責審尋」を受ける必要があります。
※裁判所によっては書面で審査を行い、裁判所に出向かなくても良いケースがあります。

[(5)破産手続きの開始決定]

破産手続きの開始決定により、破産に向けた手続きが開始されます。ここから先はとくに何もしていただくことはありません。

↓この間、約2か月以内(債権者による免責についての意見申述が行われます)

[(6)免責決定・免責確定]

破産が認められない重大な問題がなく(免責審尋が行われた場合はその結果を経て)、裁判所での破産手続きが問題なく終了すれば、免責決定となります。ただし、免責決定の時点では手続きはまだ完了していません。免責決定から2週間後に官報にその旨が掲載され、さらにその2週間後に免責確定となり、すべての借金の返済義務が免除されます。

一定以上の財産がある場合は「管財事件」となるため、債権者集会などが必要になり、裁判所に複数回出向くことになります。また、管財事件の場合は管財人が選任され、管財人の弁護士との面談が必要になり、事案によっては手続き終了までに、1年以上の期間を要する場合もあります。

■手続きが途中で廃止になるかも…「自分で手続き」のリスクとデメリット

自己破産の手続きをご相談者さまご自身で行うことも可能です。しかし、弁護士や認定司法書士などの専門家のサポートを受けずに行うことは、かなり難しいと考えてください。

自己破産の手続きには、先に挙げたもの以外にも多くの書類の提出・作成が必要になります。そして、裁判所に提出する申立書、陳述書などの書類を、専門的な知識や経験がない状態で、間違いなく作成するには相当な時間と労力がかかります。

また、各種書類の提出期限は厳しく定められており、書類の作成・提出が期限に間に合わなければ手続きは途中で廃止となり、自己破産が認められません。さらに、ご自身で手続きを行う場合、金融会社などに対して弁護士や認定司法書士などからの受任通知も発送されないため、取り立てや返済を直ちにストップすることもできません。
 
このように、ご自身で自己破産の手続きを行う場合、リスクやデメリットだけが大きく膨らむことになりますので、やはり弁護士や認定司法書士などの専門家にサポートを依頼されることをお勧めします。専門家のサポートがあれば、「やってはいけないこと」もきちんと教えてもらえるので、手続き上のトラブルを回避できます。

[自己破産をする場合に「やってはいけないこと」]

・財産の名義を変更する(財産隠しとみなされ、自己破産が認められなくなります)
・財産を不当に処分する
・ローンを一括返済する
・知人や友人などの特定の借金だけを返済する(偏頗弁済=へんぱべんさい)
・特定の債権者を隠す
・所有している財産を隠す
・自己破産をする前提で新たに借金をする

上に挙げた「やってはいけないこと」に該当する行為を行うと、自己破産が認められなくなる場合があります。なお、財産隠しを行った場合は、刑事事件にまで発展する可能性もありますので、絶対にやってはいけません。

■大切なお金の問題はしっかりチェック!「費用の相場」と「料金体系」

自己破産の手続きを弁護士や認定司法書士などの専門家に依頼する場合、どなたも気になさるのが「手続き費用」です。自己破産の手続き費用については、弁護士に依頼する場合と、認定司法書士に依頼する場合で、費用に差が出る場合があります。

自己破産の手続き費用の「相場」を調べてみると、おおむね20万円~50万円程度になります。また、一般的に、弁護士に手続きを依頼するよりも、認定司法書士に手続きを依頼するほうが「費用が安く済む」傾向にあります。

各事務所の料金体系によっては、手続き費用のほかに、着手金や成功報酬、相談料などが別途必要になる場合もあります。手続き費用は大切なお金の問題ですので、しっかりと確認しておくようにしましょう。

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