自己破産できない?自己破産以外にも選択できる手段はある

自己破産が裁判所によって認められる割合は、実は9割を超えています。アヴァンス法務事務所で行った自己破産の手続きも、ほとんどのケースで免責が認められています。では、なぜここまで高い割合で認められているのでしょうか。

理由は、ほとんどの方が認定司法書士や弁護士に依頼をして自己破産を行うためです。認定司法書士や弁護士は、正式にご依頼を受ける前に「自己破産が認められる見込みがあるか」をしっかり精査します。

自己破産が難しそうであれば、任意整理や個人再生など他の解決方法も検討します。そのため、裁判所が自己破産を認めなさそうなケースの場合は、そもそも申立て自体を行いません。これが、9割以上の方が自己破産を認められている理由です。

これは、依頼人の手続にかかる時間や費用など、余分な負担がかかることを防ぐためでもあります。もし、事前の見立てをしないまま、自己破産の手続きを進めてしまうと、自己破産が認められなかった後に、もう一度、別の手続きを検討しなくてはいけなくなるためです。

また、裁判所が自己破産を認める基準は以下の通りです。

・借金が返済不能な状態かどうか
・免責不許可事由に該当していないかどうか
・自己破産をすれば借金をせずに生活できるかどうか

認定司法書士や弁護士は、これらの条件をもとに自己破産が認められる見込みがあるかどうかを判断します。

また当事務所では自己破産まではせず、任意整理や個人再生といった、自己破産以外の借金問題の解決方法で解決される方の方が多いです。実は、自己破産を選択される方は全体の1割以下です。

自己破産以外にも借金の解決方法があり、それぞれメリット・デメリットがあります。やみくもに不安になるのではなく、落ち着いて解決していくことが大切です。

まずは気になる自己破産について詳しく解説し、その後任意整理や個人再生についてもご説明していきます。

自己破産は、しっかり取り組めば認められることがほとんど

自己破産は、借金の原因を解決し、家計の改善を行うことで借金をしなくても生活できることを裁判所に証明できれば、認められることがほとんどです。

しっかりと借金問題に向き合い、取り組むことができれば、「自己破産ができなかったらどうなってしまうのか」と心配しすぎる必要はありません。

アヴァンス法務事務所が自己破産の手続きを行なったお客様で、裁判所の認可が下りなかったケースはほとんどありません。

ではどういったことに取り組んでいけばよいのか、見ていきましょう。

注意するべき点を押さえて自己破産手続きを進める

では、自己破産手続きを進めるにあたっては、どういった点に注意するべきなのでしょうか。

浪費やギャンブルをやめ、借金の原因を解決する。

裁判所は経済的な状況を改善する意欲があるか、努力をしているかどうかを判断材料の一つにしています。

偏頗弁済(へんぱべんさい)をしない。

偏頗弁済とは、ある特定の債権者にだけ借金を返済する行為です。偏頗弁済は自己破産手続きのルールを破ることになります。よくあるケースが知人や親族、会社に対して優先的に借金を返済してしまうものです。

クレジットカードやスマホ決済などの後払いをやめる。

後払いは借金と同等の性質があるため、裁判所に「返済する能力がないのにさらに借金をした」と見なされる場合があります。

自己破産の手続き中に借金を増やさない・闇金から借金しない。

後払いと同様、裁判所に「返済する能力がないのにさらに借金をした」と見なされる場合があります。

書類収集・債権の調査に協力する。

自己破産手続きを行なうためには、様々な書類を裁判所に提出する必要があります。そういった書類はご本人に集めて頂いたり、ご家族の協力が必要な場合もあります。書類が集まらないと、自己破産の申立て自体が行なえません。

音信不通にならない。

こちらも書類収集や債権調査の協力と同様で、本人とのやり取りなしには、自己破産手続きが進められません。

うそをつかない、隠ぺいをしない。

裁判所に提出する書類に虚偽の内容を記載したり、借金の原因や財産を隠して申立てをする行為は禁止されています。裁判所は書類内容の矛盾点を見つけ、うそを見破る可能性が高いです。最悪の場合、詐欺罪に問われることもあります。

自己破産の手続きが進められなくなった事例

お客様が収集した書類内容の確認を行なっていた際に、借金の原因であったギャンブルをやめていなかったことが判明しました。このままでは自己破産手続きを行なったとしても、裁判所は自己破産を認めない可能性が高いです。

再三ギャンブルをやめるようお伝えしましたが、ギャンブルをやめて頂けなかったため、自己破産の手続きが中断してしまいました。

裁判所には通帳のコピーや家計簿を提出する必要があるため、このまま手続きを進めても裁判所に矛盾点を指摘される可能性が高いです。

裁判所は何を基準に自己破産を認める/認めないを判断しているのか

裁判所が自己破産を認めるか認めないかの判断基準にしている点は、どのようなものなのでしょうか。

1.借金が返済不能な状態かどうか

返済能力がある人には、自己破産は認められません。提出書類を元に、返済能力の有無を確認します。大きな財産を持っていたり、家計を改善すれば返済できる見込みがある場合は自己破産が認められません。

2.免責不許可事由に該当していないかどうか

免責不許可事由とは、免責(借金の返済義務が免除される)が認められない理由のことです。例えば、浪費、ギャンブル、株やFX投資による借金、クレジットカードの現金化などが該当します。ただし、こういった行為をやめ、更生が認められると裁判所が判断した場合は、自己破産が認められるケースもあります。

3.自己破産すれば借金をせずに生活できるかどうか

借金をしないと生活できない状態であれば、自己破産は認められません。それは、もし自己破産をしたとしても、再度借金をしてしまうことになり、借金問題が解決されないためです。家計を見直したり大きな出費を無くしたりして、家計が黒字になるよう取り組む必要があります。

以上の点を裁判所は判断基準として持っています。

借金問題を考える順番は、任意整理、個人再生、自己破産の順番

借金の問題を解決するには自己破産しか選択肢はない、と思っておられる方が多いのではないでしょうか。実際アヴァンス法務事務所にも「自己破産するしかないのでしょうか」「自己破産ができなかったらどうなってしまうのか」と深刻に悩まれてご相談されるお客様が多くいらっしゃいます。

では本当に借金問題は自己破産でしか解決できないのでしょうか。答えは「NO」です。

借金問題の解決、つまり債務整理の方法には、以下の方法があります。

・任意整理
・個人再生
・自己破産

自己破産は債務整理のうちの1つです。

では、この解決方法のうちどれを選択すればいいのでしょうか。それは「解決方法をデメリットが少ない順に検討し、選択可能かを判断していく」のが基本的な考え方となります。

そのため、検討すべき手段の順番は

・任意整理
・個人再生
・自己破産

となります。自己破産を検討するのは最後で、まず任意整理、次に個人再生が選択できるかどうかを判断していきます。

任意整理とは

任意整理は、金融会社と直接、利息の減免・支払い回数等を交渉し、返済の負担を軽減する手続きです。

個人再生とは

個人再生は、裁判所に申し立てを行い、債務を大幅に圧縮する債務整理方法です。

まとめ

以上、裁判所が何を基準に自己破産を認めているのか、自己破産をするにあたって注意するべき点、借金問題を考える順番を見てきました。

裁判所が自己破産を認める基準

1. 借金が返済不能な状態かどうか
2. 免責不許可事由に該当していないかどうか
3. 自己破産すれば借金をせずに生活できるかどうか

自己破産をする際に注意するべき点

・浪費やギャンブルをやめ、借金の原因を解決する。
・偏頗弁済(へんぱべんさい)をしない。
・クレジットカードやスマホ決済などの後払いをやめる。
・自己破産の手続き中に借金を増やさない・闇金から借金しない。
・書類収集・債権の調査に協力する。
・音信不通にならない。
・うそをつかない、隠ぺいをしない。

借金問題の解決方法はいくつかある

1. 任意整理
2. 個人再生
3. 自己破産

では実際ご自身の借金問題がどの方法を利用するのか妥当なのか、それを個人で判断することは非常に難しいものです。判断に迷われる場合はアヴァンス法務事務所にご相談ください。ご自身にあった方法をご提案いたします。

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