任意整理とは?メリットとデメリットについて考える

借金問題の解決方法として任意整理は有効な手段です。しかし、具体的にどのような方法なのかをご存知の方はあまりいらっしゃいません。そこで、今回は任意整理がどのような手続きなのか、メリットとデメリットを併せてご紹介します。

任意整理を検討されているお客様の中には「クレジットカードを持てなくなるのでは?」「将来、ローンを組めなくなるのでは?」といったことを懸念される方も多いので、そちらも一緒に解説します。

■任意整理とはどのような手続きなのか?

任意整理とは、将来利息を減免した上で分割返済をしていけるように金融会社と交渉を行います。これにより月々の返済額を減らすことが可能です。概ね元金のみを36回~60回で分割返済をしていくことになります。

[将来利息とは?]

現在の借金に対して、完済するまで将来的に加算される利息を将来利息と言います。任意整理はこの将来利息を減免することで毎月の返済額を減らします。しかし、「利息を減免するだけではメリットが少ないのでは?」と疑問に思われるお客様もいらっしゃいますので詳しく解説していきます。

[将来利息の減免とはどういうことか?]

例えば、総額300万円の借金を毎月10万円ずつ返済したとします(年利18%)。任意整理をせずにそのまま返済を続けた場合、完済するまで約101万円の利息がかかります。任意整理はこの利息分を免除してもらうことによって月々の返済額を減らすことが可能です。 

下記の図のように、利息を除いた元金の300万円を60回分割で返済できるように和解が成立した場合、月々の返済額を10万円から5万円に減らすことが可能です。

これが、毎月の返済額を減らせる仕組みです。利息の減免だけでも十分なメリットが見込めるのではないでしょうか。

■任意整理のメリット

[ご家族や職場に知られずに手続きを進められる]

・必要書類が少ない

任意整理は裁判所を通さないため、必要書類が少なくて済みます。ご家族に関わる書類や源泉徴収票などの会社に関わる書類も必要ありません。

・お客様にやっていただく作業が特にない

任意整理の交渉は認定司法書士や弁護士が代理人となって進めていきます。そのため、仕事を休んで何度も事務所に来ていただく必要もなく、やって頂く作業も特にありません。

・ご連絡する電話番号や郵便物に配慮します

「家族や職場に借金のことを知られたくない」といったご相談を多く頂いております。そのため、アヴァンス法務事務所では、基本的にお客様ご本人の携帯電話にご連絡をさせていただきます。また、郵便物がある場合は郵便局留めにするなど、最大限の配慮をさせていただきます。

このように、手続きにご家族が関わることもありませんし、お客様にご負担いただく作業も特にありませんので、周囲の方に借金問題を知られるリスクは低くなります。

[一時的に督促と返済が止まる]

アヴァンス法務事務所と正式に委任契約を結ぶと、各債権者に対して、受任通知が送られます。受任通知を受け取った債権者は直接、債務者(お客様)に対して督促や取り立てを行うことが法律で禁止されています。

また、借金の金額を確定させる必要がある為、一時的に返済が止まります。督促と返済が止まっている間に生活再建の準備を行いましょう。

[車や住宅などの財産を残すことが可能]

任意整理は基本的に財産を処分されることがありません。また、手続きを行う債務と手続きをしない債務を選ぶことができるため、カーローンや住宅ローンなど、任意整理の影響を出したくない債務を手続きの対象から外すことが可能です。

■任意整理のデメリット

任意整理をすると信用情報機関に事故情報が登録されます。俗に言う「ブラックリストに載る」という状態になります。これにより5年~10年程度は新しくクレジットカードを作ったり、新たに借入をしたりということが難しくなります。具体的にどういう状況になるのか、ご説明していきましょう。

[クレジットカード・ETCカードが使えなくなる]

任意整理の手続きを行ったクレジットカードは強制解約になるため使えなくなります。残したいクレジットカードを任意整理の対象から外したとしても、更新など、クレジットカード会社が信用情報を照会したタイミングで使えなくなる可能性が高いです。

決済方法としてクレジットカードが必要なのであれば、デビットカードの利用を検討されてはいかがでしょうか。デビットカードは銀行口座の残高を利用限度額として即時、引き落とされるので、使い過ぎる心配がありません。普段のお買い物やインターネット決済も可能です。

また、クレジットカードと同様にETCカードも使えなくなります。ETCカードが必要な場合は、先入金のデポジット制で利用可能なETCパーソナルカードを利用してみてはいかがでしょうか。

[借入れが難しくなる]

任意整理後は、新たな借り入れが難しくなります。しかし、「借金をしないと生活できない」とおっしゃるお客様もいらっしゃいます。よくお聞きするのが、借入と返済を繰り返しているケースです。

この場合、毎月の返済ができていても返済した金額のほとんどが利息に充てられ、元金が減っていないことが多く、借金が常態化してしまいます。こうなると、「借金を返済すると生活費が足りなくなってしまい、また借金をする」という悪循環に陥ってしまいます。任意整理はこの悪循環の原因である利息を減免することで借金問題の解決を図ります。

[住宅ローン・カーローンの審査に通りにくい]

「住宅ローンを検討している」「カーローンを組みたい」という場合は少し考えていただきたいのですが、任意整理の手続きを検討されているということは、すでに借金の返済が苦しくなっているはずです。仮に、ローンの審査に通ったとしても返済ができるかどうかを考えてみてください。

また、信用情報機関にはお客様が何社からいくら借りているのかも登録されています。借入件数や借入総額が多い場合はローン審査に通りにくい傾向にあり、任意整理をしなかったとしても、現在の状態でローンの審査に通るかどうかもわかりません。

[月々の返済額がそれほど減らない場合もある]

任意整理は将来利息を減免することで月々の返済額を軽減します。しかし、元々の返済額が少ない場合は任意整理を行っても、それほど月々の返済額が減らない場合があります。どういうことか、先程の図でもう一度ご説明します。

例えば、総額300万円の借金を毎月5万円ずつ返済していたとします(年利18%)。任意整理をせずにそのまま返済を続けた場合、完済するまで約476万円の利息がかかります。さらに、完済するまで約13年かかります。

では、この状態から任意整理を行うとどうなるのか、考えてみましょう。

この場合、利息の免除と60回の分割返済で和解が成立したとしても、月々の返済額は5万円のままです。しかし、全体的な総額を見ると476万円の利息が免除されることになります。また返済期間も13年から5年と、ぐっと短くなります。

任意整理をしなければ毎月50,000円を返済していても、ほとんどが利息分の返済に充てられ、元金がなかなか減らずに借金が長期化してしまいます。ですが、ここで任意整理を行うことで、着実に元金を返済していくことができ、返しても、返しても終わらない借金から抜け出すことが可能です。

■任意整理のご相談はアヴァンス法務事務所にお任せください。

任意整理は月々の返済額を軽減できるというメリットがある反面、デメリットもあります。ご不安に思われる点がございましたらお気軽にアヴァンス法務事務所にお問い合わせください。

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