任意整理(債務整理)をしても携帯やスマホを分割払いで購入することはできる?審査の仕組みを解説

任意整理を検討中、あるいは現在手続きを進めている方は、「スマホの分割購入はできるのか?」という疑問を持たれるかもしれません。日常生活に欠かせないスマートフォンが、分割で購入ができるかどうか、不安ではないでしょうか。

結論から言えば、任意整理後は 分割購入(割賦契約)の審査が厳しくなるのは事実ですが、すべてのケースで不可能になるわけではありません。スマホの分割払いは、携帯会社ではなく 信用情報機関による「割賦審査」を通過する必要があり、ここに任意整理の情報が影響します。

この記事では、スマホの分割購入が難しくなる理由、審査の仕組み、そして任意整理後でも利用できる代替手段について解説します。ぜひ参考にしてください。

なぜ任意整理すると携帯の分割購入が難しくなるの?

任意整理をすると、スマホの分割購入ができなくなる、この理由を正しく理解していますか?

多くの人は「携帯会社にバレるから」と考えがちですが、実は問題の核心はそこではありません。スマートフォンの「端末代の分割払い」は、携帯会社との売買契約ではなく、クレジット契約(割賦契約)として信用情報機関に登録される仕組みになっています。任意整理を行うと、その記録が信用情報に「事故情報」として登録されるため、端末代の分割審査に通りにくくなります。その仕組みについて、解説していきます。

信用情報機関に事故情報が登録される仕組みと期間

任意整理を行うと、あなたの信用情報に「任意整理」やそれに類似した「異動情報」が登録されます。これが、いわゆる「ブラックリストに載る」状態です。

信用情報機関は日本に3つ存在し、それぞれ管理する情報の範囲に違いがあります。

・CIC(株式会社シー・アイ・シー):主にクレジットカード会社や信販会社の情報を管理し、携帯電話の分割購入審査でも重視されます。
・JICC(株式会社日本信用情報機構):消費者金融や銀行カードローンの情報を中心に扱っています。
・KSC(全国銀行個人信用情報センター):銀行の住宅ローンや教育ローンなどの情報を管理しています。

任意整理の場合、手続きを開始した時点でCICやJICCに「任意整理」または「信用事故」などの情報が登録されます。この記録は、一般的に任意整理が完了してから約5年間残り、この期間中は、新たなローンやクレジットカード、携帯電話の分割購入の審査に影響を与えることが予想されます。

ただし、登録される情報の詳細や更新タイミングは、債権者の状況や信用情報機関によって異なります。例えば、支払いを遅滞なく続けている場合と、遅れがあった場合とでは、信用情報の内容が異なるからです。したがって、同じ任意整理中でも、審査の結果は人によって差が出るかもしれません。

分割購入の審査で見られるポイントとNGのパターン

携帯電話の分割購入審査では、主に次のポイントについて総合的に判断されます。

・信用情報の内容
最も重視されるのはあなたの信用情報です。過去24ヶ月の支払い履歴、現在の借入状況、事故情報の有無などが詳しくチェックされます。
・現在の収入状況
正社員として安定した月収がある方と、アルバイトやフリーランスで収入が不安定な方では、審査の通りやすさに大きな差が出ます。特に任意整理中は、「返済能力が継続するか」を厳しく見られます。勤続年数や勤務先の規模なども審査の対象です。
・携帯電話料金の支払い履歴
今使っているキャリアで料金滞納の記録があると、たとえ他の条件が良くても審査に落ちる可能性があります。

NGのパターン

任意整理開始から6ヶ月以内の申し込みは、ほぼ確実に審査落ちと考えて良いでしょう。

現在も複数の債権者への返済が残っており、月々の返済負担が収入の3分の1を超えている場合も、審査は厳しい結果になりがちです。また、過去に同じキャリアで強制解約された経験がある方や、携帯料金の滞納で信用情報に傷がついている方も、審査通過は困難です。これらの情報は各キャリア独自のデータベースにも記録されており、信用情報機関の記録とは別に長期間保存されるので注意してください。

任意整理が携帯契約に与える具体的な影響

任意整理が携帯電話の契約に与える影響は、契約形態によって大きく異なります。特に影響が大きいのは、スマホ端末の分割購入です。10万円を超える高額なスマートフォンの場合、割賦販売法(分割払いを規制する法律)に基づき、厳格な審査が行われます。任意整理中や完了後5年以内の方にとっては、かなりハードルが高いといえます。

割賦販売法(分割払いを規制する法律)とは?

割賦販売法とは、商品を分割払いや後払いで購入するときのルールを定めた法律です。特に、クレジットカード会社や信販会社を経由して支払う「クレジット契約」や「ショッピングローン」、スマートフォンの端末代の「分割購入(割賦契約)」などが、この法律の対象になります。

目的は、
・利用者が過剰な借金を負わないようにすること
・不当な販売勧誘や高額契約から消費者を守ること
・クレジット会社側の健全な審査や管理を促すこと
といった、消費者保護と信用取引の健全化にあります。
そのため、割賦販売法に基づき、端末代の分割購入をする際には、携帯会社ではなく「信販会社による審査(割賦審査)」が行われます。任意整理するとこの審査に通りにくくなる理由も、割賦販売法が関わっているからです。

一方で、回線契約そのものへの影響は比較的限定的です。現在利用中のキャリアで料金滞納がなく、月額基本料金の支払い能力に問題がなければ、プラン変更や機種変更時の回線契約は継続できます。

ただし、新規契約や他社への乗り換え(MNP)は注意が必要です。新しいキャリアではあなたの利用履歴がないため、信用情報をもとに審査されます。そのため、現在のキャリアでの機種変更に比べ、新規契約や乗り換えでの分割購入は難しくなるかもしれません。

家族割引やシェアプランなども、主契約者に信用情報の問題があると、新規加入が制限されるケースがあります。信用情報に問題のない家族名義で契約し、利用者登録を行うことで実質的に端末を利用する方法も考えられますが、この場合は家族の同意と理解が不可欠です。

キャリア決済(携帯料金と合算して商品代金を支払うサービス)についても、利用限度額の減額や利用停止措置が取られる可能性があります。これは月々の携帯料金に加えて追加の支払い負担が発生するため、返済能力の観点から慎重な判断が行われるからです。

任意整理中の方が携帯電話を確実に利用し続けるためには、現在の契約を維持しつつ、端末は一括購入や中古端末の活用を検討することが現実的な選択肢といえます。

今使っている携帯はどうなる?使い続ける際の注意点

任意整理をしても、いま使っている携帯が突然利用停止になることは基本的にありません。ただし、端末代の支払い状況や契約内容によっては、思わぬトラブルが起きる可能性があります。特に「端末代を分割払い中の人」は要注意で、返済の遅れが続くと強制解約や端末の利用制限(いわゆる「赤ロム化」)につながることもあります。まずは、任意整理と携帯契約の関係について、詳しく見ていきましょう。

携帯料金を任意整理に含めた場合の影響

任意整理を行う際、多くの方が気になるのが「今使っているスマホはどうなるのか」ということです。携帯電話の取り扱いは携帯電話に関連する料金を、任意整理の対象に含めるかどうかで大きく変わります。適切な判断のためには、それぞれのケースでどのような影響があるのかを理解しておくことが大切です。

携帯料金の滞納分を任意整理の対象に含めた場合、今の契約は強制解約となるのが基本です。これは、任意整理の和解交渉が成立した時点で、携帯会社が「契約継続のリスクが高い」と判断するためです。

強制解約となると、まず電話番号が使えなくなり、データ通信も停止します。さらに、端末代金を分割で支払っている場合は、残債の一括請求を受ける可能性があります。ただし、任意整理に含めることで、この残債も、他の債務と同じように減額や分割払いの交渉が可能になります。

また、携帯会社には「不払い者情報」を共有するシステムがあります。大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)間では、料金滞納や強制解約の情報が共有されるため、一定期間は他の大手キャリアでの新規契約が困難になることも覚えておいてください。この情報共有期間は通常5年程度と言われています。完済後は徐々に契約しやすくなる傾向にあります。

携帯料金以外を任意整理した場合

携帯料金に滞納がない場合、または携帯料金を任意整理の対象から除外した場合は、今の契約を継続できる可能性が高いです。任意整理は「選択的な債務整理」であり、全ての債務を対象にする必要はないのが大きなメリットです。

この場合、携帯料金さえしっかりと支払い続けていれば、通常通りスマホを使用できます。ただし、いくつか注意点もあります。端末代金を分割で支払っている場合、これは実質的に「ローン」と同じ扱いです。そのため、信用情報に影響が出る可能性があるので注意が必要です。

また、任意整理中は新たな借り入れが制限されるため、前述のとおり機種変更時の分割購入は、審査に通らない可能性が高いといえます。現在使用している端末の分割払いが完了するまでは、機種変更を控えるか、一括購入を検討することをおすすめします。携帯会社によっては、任意整理の事実を知った時点で分割販売を停止する場合もあるため、契約条件の変更通知には、注意深く目を通すようにしましょう。

強制解約されても他社で新規契約できる理由

携帯契約が強制解約されてしまっても、必ずしも、もう二度と携帯が使えなくなるわけではありません。その理由は、携帯業界の競争構造や各会社の審査基準の違いです。

まず、格安SIM会社(MVNO)では、大手キャリアとは異なる審査基準を採用していることが多く、過去の滞納歴があっても契約できる可能性があります。格安SIM会社は大手キャリアから回線を借りてサービスを提供しているため、リスク管理の方法も大手とは異なる傾向が見られます。特に、プリペイド式のサービスを提供している会社では、前払い制のため滞納リスクがなく、比較的審査が緩やかです。

また、任意整理による信用情報への影響と、携帯会社独自の「不払い者リスト」は別の管理システムです。信用情報機関(CICやJICCなど)の情報は主に金融関連の審査で参照されますが、携帯の新規契約では会社独自のデータベースが重視される傾向があります。そのため、滞納していた携帯会社以外では、意外にも契約できるケースも少なくありません。

さらに、代理店を通じた契約や、家族名義での契約、デポジット(保証金)を預ける条件付き契約など、様々な方法で携帯サービスを利用することは可能です。完全に携帯が使えなくなる、ということは、今の通信環境ではほとんどないと考えて良いでしょう。

やりがちな失敗例と注意点

任意整理と携帯契約について、多くの方が陥りやすい失敗があります。最も多い失敗は「とりあえず携帯料金も任意整理に含めてしまう」ケースです。確かに借金総額は減らせますが、日常生活への影響を十分考慮せずに決めてしまうと、後から困ってしまうこともあります。

特に仕事で携帯を頻繁に使用する方、高齢の家族との連絡手段として必要な方、子どもの安全確保のために家族全員が携帯を持っている家庭などでは、契約解除による影響は想像以上に大きくなる可能性があります。任意整理の相談時には、携帯の重要度と滞納額のバランスを慎重に検討するようにしてください。

また、「任意整理中は絶対に分割購入できない」と思い込んで、不要に高額な一括購入をしてしまうケースもあります。確かに審査は厳しくなりますが、携帯会社によっては少額の分割購入なら可能な場合もあります。無理に一括で購入して生活費を圧迫するより、状況に応じてまずは今の端末を大切に使い続けること等の対応をおすすめします。

さらに、家族名義で契約する際にも注意が必要です。名義貸しは携帯会社の利用規約に違反します。もし発覚すれば、家族の契約も解除される可能性があります。家族名義で契約する場合は、実際にその家族が使用することが前提です。

携帯電話については、以前、分割払いの契約をして、任意整理をしたいけれど残債がある場合には取り扱いが難しくなります。このような複雑な判断を適切に行うためには、債務整理に詳しい専門家に相談することをおすすめします。

任意整理中でも携帯を分割払いで購入するためのポイント

任意整理中は信用情報機関に「債務整理」の記録が残っているため、通常の割賦審査(分割払いの審査)は非常に厳しくなります。しかし、キャリアや端末価格、購入方法によって審査の難易度は異なり、新しいスマホを分割で購入できる可能性もあります。

端末価格10万円以下なら分割払いで購入できる可能性あり

携帯電話の分割購入には「少額特例」(割賦販売法に基づく、10万円以下の商品に対する簡易審査制度)という仕組みがあり、10万円以下の端末なら比較的審査が通りやすいと言われています。

任意整理中であっても、この少額特例の範囲内であれば分割購入が承認される可能性があります。例えば、iPhone SEやPixel 7a、Galaxy A54(※主に2023年5月頃発売の機種)など、ミドルレンジクラスのスマートフォンが対象となることが多いです。これらの機種は性能も十分で、日常使用には全く問題ありません。

ただし、10万円以下だからといって、必ず審査に通るわけではありません。任意整理の進み具合や、月々の支払い能力、これまでの携帯料金の支払い履歴なども総合的に判断されます。同じ10万円以下でも、できるだけ価格の低い端末を選んだ方が審査通過の可能性は高いはずです。

審査の際は、現在の任意整理が順調に進んでいることを示せるよう、必要に応じて和解書や支払い実績などの書類を準備しておきましょう。

家族名義での購入という選択肢

任意整理中の本人名義での分割購入が難しい場合、家族名義での購入という方法があります。配偶者や親、成人した子どもなど、信用情報に問題のない家族の名義で契約し、実際の使用者として本人が利用するケースです。

この方法を選ぶ際は、名義人となる家族の同意と協力が必要です。契約上の支払い責任は名義人にあるため、毎月の支払いや端末の管理について、事前にしっかり話し合っておきましょう。また、支払いが遅れた場合は名義人の信用情報に影響する可能性もあるため、返済の遅延には十分注意が必要です。

家族名義での契約では、ファミリー割引や家族間通話無料などの特典を活用できる場合もあり、結果的に通信費を抑えられることもあります。

ただし、この方法には注意点もあります。契約の主体はあくまで名義人であり、機種変更や料金プランの変更をする際には名義人の同意が必要です。任意整理が完了して本人の信用情報が回復した後は、自分名義で新たに契約し直すことも可能ですが、名義変更を必ず行う必要はありません。今後の契約方針については、家族とよく相談して決めるのが望ましいでしょう。

任意整理で完済から5年経過すれば分割購入ができる可能性

任意整理を完済してからおおむね5年が経過すると、信用情報機関(CICやJICCなど)に登録されていた「異動情報(債務整理の記録)」は、保有期限が満了し、原則として削除される仕組みになっています。

この時点で、過去の任意整理記録が信用情報上には表示されなくなり、一般的な分割購入やクレジット審査に通過できる可能性が高くなります。

ただし、「5年経過=必ず審査に通る」というわけではありません。携帯会社や信販会社ごとに独自の審査基準(社内情報・収入・勤務形態など)があり、信用情報が回復していても審査結果に差が生じることがあります。

また、信用情報の保有期間は「任意整理の和解日」からではなく、「全ての返済を完了した日(契約終了日)」を起点におおむね5年です。たとえば、3年間の返済計画で完済した場合、完済日からさらに約5年後までは記録が残ることになります。

完済から5年以上経過していても、過去の支払い遅延の頻度や整理後のクレジット利用履歴によっては、審査に影響が及ぶ場合もあります。審査前に、信用情報機関の開示請求によって自身の登録内容を確認することをおすすめします。

キャリア別のパターンとその違い

ドコモ、au、ソフトバンクといった大手キャリアでは、任意整理中の方に対する審査基準や対応に、それぞれ微妙な違いが見られます。これまでの利用実績や支払い履歴も審査に大きく影響するため、まずは今使っているキャリアでの購入を検討するのも一つの手です。

ドコモ

長期利用者に比較的柔軟な審査を行う傾向があります。特に10年以上の利用実績があり、過去に滞納履歴がない場合は、任意整理中でも分割購入が承認される事例が見られます。独自の信用情報管理ノウハウを持つ「dカード」の発行も影響しているかもしれません。

au

三大キャリアの中でも比較的審査が厳しいとされていますが、「かえトクプログラム」などの端末返却を前提とした割引プログラムを活用することで、実質的な負担を軽減できる場合があります。また、UQモバイルという格安ブランドも展開しており、本ブランドより審査に通りやすい可能性もあります。

ソフトバンク

ワイモバイルやLINEMOといった複数のブランドを展開しており、選択肢の幅が広いことが特徴です。本ブランドでの審査が通らない場合でも、ワイモバイルでの契約を提案されることがあります。比較的新しい審査システムを導入しており、従来とは異なる基準で判断される場合もあるようです。

どのキャリアを選ぶにしても、正直に状況を説明して相談することが大切です。任意整理中であることを隠して申し込みを行うと、後々トラブルになる可能性があります。専門の店頭販売なら、スタッフに直接相談をすることもできます。その人の状況に応じた最適な方法を提案してくれる場合も多いので、まずは気軽に相談してみてください。

分割購入できない場合の4つの対処法

任意整理中は信用情報に事故情報が登録されているため、スマホの分割審査は厳しくなります。しかし、分割購入以外にも、現実的な選択肢はたくさんあります。あなたの経済状況や使い方に合わせて、様々な角度から比較検討してみてください。

1.一括払いで購入する

一括払いは最も確実で、長期的に見ると実は経済的な負担が軽い選択肢です。分割審査がないため、任意整理中でも購入を断られる心配がありません。

新品のハイエンド機種であれば10万円以上の出費となりますが、手持ち資金があるなら検討する価値の高い方法です。一括払いの最大のメリットは、月々の支払い負担がなく、端末代金に利息や手数料が上乗せされないことです。分割払いでは通常、実質年利12〜15%程度の手数料が発生するため、同じ端末でも一括払いの方が総支払額は安くなります。

ただし、まとまった現金が必要になるため、任意整理中で生活費を切り詰めている状況では現実的でないことも考えられます。そんな時は、ボーナス時期まで待つなど、資金調達の方法も併せて考えてみてください。購入前には必ず家計への影響を慎重に検討し、生活に支障が出ない範囲で判断してください。

2.中古端末・格安端末を活用する

中古市場や格安端末を活用すれば、一括払いでも負担を大幅に軽減できます。特に1〜2世代前のモデルなら、日常使いに十分な性能を持っています。

中古スマホ市場では、新品時10万円超の機種が3〜5万円程度で購入できることも珍しくありません。フリマアプリ、中古端末専門店、大手キャリアの認定中古品など、選べる場所も豊富です。購入時は必ずネットワーク利用制限の状況を確認し、「○」マーク(制限なし)の端末を選ぶようにしましょう。「×」や「△」マークの端末は、将来的に通信できなくなるリスクがあるので注意してください。

格安端末という選択肢もあります。新品でも2〜4万円程度で購入できる機種が多数あり、通話、メール、SNS、動画視聴といった基本的な用途には十分な性能を持っています。最新ゲームや高度な画像編集を頻繁にしないなら、格安端末でも大きな不満は感じにくいものです。むしろシンプルな機能に絞られているため、バッテリー持ちが良く、動作が安定している機種も多く存在します。

3.スマホレンタル・リースサービスを活用する

近年注目を集めているのが、スマホのレンタル・リースサービスです。初期費用を抑えつつ、比較的新しい機種を利用できるため、任意整理中の方にも現実的な方法の一つです。

レンタルサービスでは、月額2,000〜5,000円程度で最新機種を借りることができます。契約期間は1ヶ月から数年まで様々で、短期間だけ使いたい場合や、将来的に購入資金が準備できるまでの一時的な「つなぎ」として活用する方もいらっしゃいます。故障時の保証が含まれているサービスも多く、万が一の時も安心です。

リースサービスの場合は、より長期的な契約が前提となりますが、契約満了時に端末を受け取れるプランもあります。実質的に分割払いに近い形で端末を取得できるため、審査に通らない方には魅力的な選択肢でしょう。ただし、途中解約時の違約金や、総支払額が一括購入より高くなる可能性もあるため、契約前には、必ず料金体系を詳しく確認するようにしましょう。

4.プリペイド端末という選択肢もある

プリペイド端末は、事前にチャージした分だけ通信できるシステムで、クレジット審査が一切不要であることが、最大のポイントです。任意整理中でも確実に利用できる方法として、検討する価値があります。

プリペイドサービスでは、端末代金は基本的に一括払いとなりますが、比較的安価な機種が中心となっているため、負担も軽減できます。通信料金も使った分だけの支払いなので、月額料金が家計を圧迫する心配もありません。普段あまりスマホを使わない方や、通信費を厳格にコントロールしたい方には、ぴったりな方法と言えるでしょう。

注意すべき点としては、データ容量の繰り越しができない場合が多いことや、大容量通信を頻繁に行う場合は割高になることです。また、プリペイド残高が不足すると突然通信できなくなるため、残高管理をこまめに行うようにしてください。それでも、確実にスマホを持てる方法として、特に通信量が少ない方には現実的な選択肢と言えます。

これらの方法を検討する際は、あなたの使い方や経済状況を客観的に把握することが大切です。

任意整理中でも携帯を分割購入したい人への注意点とアドバイス

任意整理中の携帯電話の分割購入は完全に無理なわけではありませんが、通常の審査よりも厳しくなるのは確かです。購入にあたっては、大切なポイントを押さえておきましょう。また、困った時の相談先を知っておくと、もしもトラブルがあった場合に役立ちます。

申込前にチェックすべきこと

分割購入の申し込みをする前に、必ず確認しておくべきポイントがいくつかあります。審査通過の可能性を高めるためにも、事前にこれらの項目をチェックしておくことをおすすめします。

・現在の携帯料金の支払い状況
最優先で確認しましょう。過去6ヶ月以内に携帯料金の滞納があった場合、分割購入の審査通過は非常に困難になります。もし直近で滞納があった場合は、最低6ヶ月間は確実に支払いを続けてから申し込みましょう。
・任意整理の対象となった債務の支払い状況
任意整理で決めた和解条件通りに支払いを続けているかどうか、そのことは審査で非常に重要な判断材料です。もし和解内容の支払いが滞っている場合は、まずそちらを優先して正常化させることが先決です。
・信用情報の確認
信用情報の確認も大切です。CIC(クレジットカード情報などを管理する信用情報機関)やJICC(消費者金融の情報を管理する信用情報機関)に開示請求を行い、ご自身の信用情報の現状を把握しておくと安心です。開示には手数料がかかりますが、審査に落ちるリスクや時間のロスを考えると、決して高い費用ではないはずです。
・購入予定の端末価格と月々の支払い可能額
任意整理中は家計管理が特に重要です。携帯の分割代金が家計を圧迫しないよう慎重に計画しましょう。一般的には、携帯料金と分割代金を合わせて月額1万円以内に収めることが理想的です。
・頭金として準備できる金額
頭金が多いほど分割対象額が下がり、審査通過の可能性が高くなります。ただし、頭金を支払った後の生活費に余裕があることも重要ですので、無理のない範囲で設定してください。
・複数のキャリアへの同時申し込みは避ける
短期間に複数の分割審査を受けると「申し込みブラック」状態になり、かえって審査に通りにくくなる可能性があるからです。まずは一つのキャリアに絞って申し込み、結果を待ってから次の行動を考えるのが賢明です。

相談できる窓口と専門家

任意整理中の携帯分割購入について不安がある場合、一人で悩まずに、専門家に相談することをおすすめします。適切なアドバイスを受けることで、より確実な方法を見つけられます。

まず相談したいのが、任意整理を依頼した弁護士や司法書士です。あなたの債務状況や信用情報の詳細を最もよく理解しているのは、任意整理の手続きを担当した専門家でしょう。携帯の分割購入が今の時期に適切かどうか、また審査通過の可能性がどの程度あるかについて、具体的なアドバイスを得ることができます。債務整理に詳しい弁護士事務所や司法書士事務所では、任意整理後の生活再建についても相談に乗ってくれます。携帯の分割購入だけでなく、将来的なクレジットカード作成や住宅ローンなどについても、総合的な視点からアドバイスをもらえるはずです。

消費生活センターも、気軽に相談できる窓口の一つです。携帯電話の契約に関するトラブルや疑問について、無料で相談に応じてくれます。特に、キャリアとの契約条件や審査の仕組みについて分からないことがある場合は、中立的な立場からアドバイスをもらえるでしょう。

法テラスでは、経済的に余裕のない方向けに無料の法律相談を実施しています。任意整理中の方であれば利用条件を満たす可能性が高いので、弁護士に相談したいけれど費用が心配という場合は、利用を検討してみてください。

また、意外に見落とされがちですが、家計管理の専門家であるファイナンシャルプランナーに相談するのも効果的です。携帯の分割購入が現在の家計にどのような影響を与えるか、また任意整理完済後の生活設計において携帯代金をどう位置付けるべきかなど、お金の専門家ならではの視点から、個別にアドバイスを受けられます。参考にしてみてください。

まとめ

任意整理をすると、スマホの分割購入(割賦契約)が難しくなる最大の理由は、携帯会社ではなく信用情報機関の審査を受ける仕組みにあります。任意整理を開始すると、CIC・JICCなどに「異動情報」が登録され、いわゆるブラック状態となります。この記録は完済から約5年間残り、その間はクレジット契約全般の審査が厳しくなります。スマホの端末代分割も例外ではなく、特に10万円以上の端末では割賦販売法により審査基準がさらに高くなります。

ただし、任意整理が携帯契約に与える影響は「分割購入」が中心であり、現在の回線契約は延滞がなければ、基本的に維持することが可能です。逆に、携帯料金を任意整理に含めた場合は強制解約となり、番号喪失や残債一括請求のリスクがあります。

もし分割審査に通らなくても、一括購入や格安SIMへの乗り換え、中古端末の活用など、さまざまな選択肢があります。

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