2026.01.08
任意整理
任意整理(債務整理)で口座凍結されるケースとは?その前の対策を解説

任意整理(債務整理)を検討していると、「口座が凍結されることはあるのか」「給与や生活費が引き出せなくなったらどうしよう」と心配になる方も多いのではないでしょうか。実際、任意整理をしたからといって、すべての銀行口座が凍結されるわけではありませんが、特定の条件が重なると一時的に口座が使えなくなるケースは存在します。
口座凍結が起こるかどうかは、借入先や利用している銀行、手続きの進め方によって大きく左右されます。そのため、事前に正しい知識を持ち、適切な対策を取っておくことが重要です。
この記事では、任意整理で口座凍結が起こるケースを整理したうえで、凍結を防ぐための事前対策や、万が一凍結された場合について解説していきます。
任意整理で口座凍結される?基本的には凍結されません

任意整理を検討している方は、「銀行口座が凍結されて生活費が引き出せなくなるのでは?」と不安を感じているかもしれません。基本的に、任意整理では口座凍結は起こりません。しかし、一部例外的に凍結されるケースもあるため、正しい知識を持ち、事前に対策を講じることが重要です。
任意整理と他の債務整理の違い
任意整理は、債務整理の中でも比較的柔軟性が高く、生活への影響を抑えやすい方法です。そのため、多くの方が最初の選択肢として検討する手続きといえるでしょう。
債務整理にはいくつかの方法があり、それぞれ目的や手続きの進め方、生活への影響が異なります。任意整理を正しく理解するためには、他の債務整理との違いを把握しておくことが重要です。
自己破産・個人再生との違い
自己破産や個人再生は、いずれも裁判所を通じて行う法的手続きです。原則としてすべての借金が対象となり、申立ての際には財産状況や収支について詳細な調査が行われます。手続きの内容によっては、財産の処分や一定期間の制限が生じることもあります。
個人再生では住宅など一部の財産を残せる場合もあり、必ずしもすべての資産が失われるわけではありません。
任意整理の特徴
一方、任意整理は裁判所を通さず、弁護士や司法書士が債権者と直接交渉する私的な手続きです。整理の対象とする借入先を選べるため、「A社とB社のみ任意整理を行い、C社にはこれまで通り返済を続ける」といった対応も可能です。
このように、対象を限定できる点が、任意整理の大きな特徴であり、生活への影響を抑えやすい理由の一つです。
任意整理では、主に将来利息や遅延損害金のカットを交渉します。元本そのものを大幅に減額したり、免除したりする手続きではありません。そのため、債権者側も比較的合意しやすく、手続きがスムーズに進む傾向があります。また、過払い金が発生している場合には、返還請求を行うことで、払い過ぎた利息が戻る可能性があります。
ただし、自己破産のように借金が免責によりゼロになるわけではないため、和解後も計画的に返済することが必要です。この点から、安定した収入があり、利息負担がなくなれば返済が可能な方に向いている手続きといえるでしょう。
しかし、任意整理は裁判所を通さず、特定の債権者のみを対象として進める場合もあり、生活用の銀行口座に直接影響が及ぶケースは限定的です。こうした特徴から、任意整理では口座凍結が原則として起こりにくいと言えるかもしれません。アヴァンス法務事務所では、依頼される方の約8割が任意整理による債務整理を選択されます。
裁判所を通さないため口座への影響は最小限
前述のとおり、任意整理が銀行口座に影響を与えにくい理由の一つは、裁判所を通さない私的な交渉による手続きであることです。
自己破産や個人再生といった裁判所を通す種類の手続きでは、申立人の財産状況が広く調査され、場合によっては預金口座が管理や処分の対象となることがあります。その過程で、特定の口座が一時的に利用できなくなる事例もあります。
一方、任意整理では裁判所が関与しません。そのため、裁判所から銀行へ命令や通知が出されることはなく、銀行が第三者として自動的に手続きを把握する仕組みもありません。原則として、銀行が任意整理の事実を知るのは、当該銀行自身が債権者である場合に限られます。
たしかに、任意整理を行うと信用情報機関には事故情報が登録され、デメリットということができます。しかし、これは新たにローンやクレジットカードを申し込む際の審査に影響するものであり、現在利用している銀行口座が使えなくなることを意味するものではありません。
そのため、給与振込口座や公共料金・家賃の引き落としに使っている口座は、一般的に任意整理後も通常どおり利用できます。
また、任意整理では整理対象とする債権者を選べるため、銀行のカードローンを利用している場合でも、その銀行を整理対象から外すことができるというメリットがあります。この点は、口座への影響を避けるうえで重要なポイントです。
ただし注意すべきなのは、銀行が債権者である場合です。銀行カードローンや、銀行系列のクレジットカードを任意整理の対象に含めると、その銀行にある口座が一時的に凍結されたり、預金と借金が相殺されたりする可能性があります。そのため、どの債権者を任意整理の対象にするかは、慎重に判断する必要があります。
このように、任意整理そのものは口座に影響を与えにくい手続きですが、銀行との取引関係次第で例外が生じることもあるため、事前に専門家と相談しながら進めることが重要です。
ただし例外的に凍結されるケースもある
任意整理では、原則として銀行口座が凍結されることはありません。ただし、銀行のカードローンや銀行系クレジットカードを任意整理の対象に含める場合には、例外的に口座が一時的に凍結される可能性があります。
これは、銀行が貸し倒れリスクを回避するための措置です。銀行は、預金口座と貸付の両方を管理しているため、一定の条件を満たす場合には、預金と借入を相殺できる権利を有しています。そのため、任意整理の開始によって返済が止まる可能性が生じると、将来の相殺に備えて口座を凍結する対応が取られることがあります。
実務上は、弁護士や司法書士から受任通知が銀行に届いた時点で、その銀行の口座が一時的に利用できなくなるケースが多く見られます。
たとえば、A銀行のカードローンで50万円の借入があり、同じA銀行に30万円の預金がある場合、口座が凍結されたうえで、その預金が借入の返済に充てられる(相殺される)可能性があります。その結果、給与の振込や公共料金の引き落としが一時的に止まり、生活に影響が出ることもあります。
こうした事態を防ぐためには、任意整理を依頼する前の準備が非常に重要です。まず、弁護士や司法書士に相談する際には、利用している銀行口座や借入先を正確に伝えてください。専門家はその情報をもとに、「その銀行を任意整理の対象に含めるかどうか」といった判断を行います。
やむを得ずその銀行を整理対象に含める場合には、受任通知を送る前にどのような対応を取るべきかを、必ず専門家と相談したうえで判断することが必要です。状況によっては、給与振込口座を別の銀行に変更するなどの対策によって、生活への影響を最小限に抑えられることもあります。
また、任意整理後は信用情報に事故情報が登録されるため、新たなクレジットカードの作成は難しくなります。そのため、事前にデビットカードやプリペイドカードを用意しておくことも、日常生活を安定させるうえで有効です。
このように、任意整理による口座凍結は想定外の事態ではなく、事前に正しい知識と準備をしておけば回避・軽減できるリスクです。自己判断で進めるのではなく、必ず専門家に相談しながら、状況に合った手順を踏むことが大切です。
任意整理で口座凍結される可能性がある場合の条件とは?

任意整理を検討する際、「現在使っている銀行口座が凍結されたらどうしよう」と不安に感じていらっしゃる方もいるでしょう。しかし、すべての銀行口座が凍結されるわけではありません。凍結されるかどうかは「その銀行やグループ会社に借入があるか」で決まります。「その銀行、またはそのグループ企業に対して借金がある場合に限り、凍結される可能性がある」というものです。つまり、借入のない銀行口座は原則として凍結されることはありません。
ここでは、どの銀行が凍結リスクを持つのか、どういう関係性があると凍結対象になるのかを具体的に見ていきましょう。
借入がある銀行の口座は凍結リスクあり
任意整理を行う際の重要な注意点としては、借入がある銀行の口座は、例外的に凍結される可能性があるということです。たとえば、三菱UFJ銀行でカードローンを利用しており、同じ三菱UFJ銀行に普通預金口座を持っている場合、任意整理の手続きが始まると、その口座が一時的に利用できなくなるケースがあります。
この背景にあるのが、銀行の相殺権です。銀行は、利用者に対する貸付債権(借金)と、預金という債務を同時に持っています。一定の条件を満たす場合、銀行はこれらを差し引きして処理する、いわゆる相殺を行うことが認められています。
たとえば、三菱UFJ銀行から50万円を借りており、同じ銀行の普通預金口座に20万円の残高がある場合、任意整理の開始に伴い、銀行がその預金20万円を借入金の一部返済に充てる(相殺する)ことがあります。この相殺手続きに備えて、口座が一時的に凍結されることがあるのです。
口座が凍結されると、その間は入金や引き出しができず、給与の振込や公共料金の引き落としにも影響が出る可能性があります。凍結期間はケースによりますが、数週間から数か月程度となることが多いのが実情です。
なお、凍結が起こりやすいタイミングは、弁護士や司法書士から銀行へ受任通知が届いた前後です。これは法律上の義務ではなく、相殺に備えた銀行側の判断による対応です。そのため、依頼した当日や翌日など、早い段階で口座が使えなくなることもあります。
このような事態を避けるためには、任意整理を始める前に、給与振込口座や生活費用の口座を、借入のない銀行へ変更しておくことが重要です。借入先と口座の銀行が一致している場合は、必ず事前に専門家へ相談し、適切な対策を取るようにしましょう。
銀行系列の消費者金融を任意整理する場合
注意が必要なのは、銀行本体ではなく、銀行グループ傘下の消費者金融から借入をしているケースです。たとえば、「三菱UFJ銀行の口座は持っているが、借入先はアコムのみ」という場合でも、手続きの進め方によっては口座に影響が及ぶ可能性があります。
ただし、銀行グループに属しているという理由だけで、直ちに銀行口座が凍結されるわけではありません。重要なのは、銀行がその債務についてどの立場にあるかです。
口座に影響が出る可能性がある仕組み
銀行系列の消費者金融には、次のような関係があります。
・銀行が消費者金融の親会社・関連会社
・銀行が消費者金融の保証会社になっている
・任意整理後、保証履行により銀行が債権者となる
このような場合、保証会社による代位弁済が行われた後に、銀行が債権者として預金と借入を相殺する可能性があります。その準備として、銀行口座が一時的に利用制限されるケースが実務上見られます。
よくある銀行グループの例(※関係性が重要)
・三菱UFJ銀行 ↔ アコム
・三井住友銀行 ↔ SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)
・りそな銀行 ↔ オリックス・クレジット
・イオン銀行 ↔ イオンフィナンシャルサービス
※ 「系列=必ず凍結」ではなく、「保証・債権移転があるか」が判断基準です。
具体例
たとえば、プロミスから50万円を借りており、給与振込口座が三井住友銀行にある場合、プロミスを任意整理の対象に含めた後、保証関係の処理次第では、三井住友銀行が債権者となる可能性があります。その結果、銀行口座が一時的に利用できなくなるかもしれません。
消費者金融が保証会社の場合も要注意
地方銀行のカードローンでは、保証会社がアコムやプロミスといった消費者金融になっていることがあります。この場合、延滞や任意整理をきっかけに保証履行が行われると、債権が保証会社へ移り、その後の対応次第で銀行口座に影響が出る可能性があります。
事前確認が最も重要
こうしたグループ関係や保証関係は、契約書や公式サイトに記載されていますが、普段は意識しづらい情報です。そのため、任意整理を検討する際には、
・借入先
・保証会社
・利用している銀行口座
を専門家と一緒に整理・確認することが現実的かつ安全です。事前に関係性を把握しておくことで、予期せぬ口座凍結を防ぐことができます。
銀行が保証会社になっている借入の場合
見落とされやすいのが、銀行カードローンや地方銀行のフリーローンにおいて、別の金融機関が保証会社となっているケースです。銀行は、返済が滞った場合に備え、外部の保証会社と保証委託契約を結んでいることがあります。この保証関係は、任意整理を進める際に重要なポイントとなります。
たとえば、地方銀行Aのカードローンで100万円を借りており、その保証会社がアコムである場合を考えてみましょう。任意整理をきっかけに返済が困難になると、条件が整った段階で、保証会社であるアコムが銀行Aに対して代位弁済(返済の肩代わり)を行うことがあります。これにより、債権は銀行から保証会社へ移転します。
この過程において、銀行Aが債権者である段階で預金口座が存在する場合、銀行が相殺に備えて口座を一時的に利用制限するケースが実務上見られます。ただし、これは自動的に行われるものではなく、相殺の要件や銀行の判断による対応です。
重要なのは、保証会社が銀行系列の消費者金融であっても、他行の口座まで連鎖的に凍結されるわけではないという点です。たとえば、保証会社がプロミスであっても、三井住友銀行の口座が自動的に凍結されることはありません。相殺や凍結が可能なのは、あくまでその銀行自身が債権者となる場合に限られます。
保証会社の有無や名称は、契約書の「保証委託契約」「保証会社に関する事項」といった項目に記載されていますが、普段は意識されにくい情報です。そのため、任意整理を検討する際には、借入先だけでなく、保証会社の存在も含めて専門家と一緒に確認することが重要です。
借入先が複数ある場合や、地方銀行・銀行カードローンを利用している場合は、事前に保証関係を整理しておくことで、予期せぬ口座制限のリスクを避けるためにも、専門家へのご相談をおすすめします。
借入のない銀行口座は原則として安全
借入のない銀行の口座は、原則として凍結されることはありません。たとえば、三菱UFJ銀行やプロミスから借入があり、それらを任意整理の対象にする場合でも、借入関係のないゆうちょ銀行や地方銀行Bの口座は、通常どおり利用できるのが一般的です。
これは、銀行が口座を凍結する主な理由が、相殺(預金と借入の差し引き)を行うためだからです。相殺を行うには、銀行自身があなたに対して返済請求権(債権)を持っている必要があります。借入関係がない銀行にはその前提がないため、口座を制限する合理的な理由がなく、通常は凍結されません。
任意整理前に行っておきたい基本対策
そのため、任意整理を始める前に、借入のない銀行口座を生活用口座として整えておくことが重要です。具体的には、次の点を意識すると安心です。
・新規口座の開設は任意整理前に済ませる
任意整理後でも口座開設自体が法律上できなくなるわけではありませんが、銀行の内部判断により、キャッシュカードの発行などがスムーズに進まないことがあります。可能であれば、受任通知送付前に口座を準備しておくと安心です。
・給与振込先の変更は早めに申請する
会社の手続きによっては、変更までに1〜2か月かかることがあります。任意整理のスケジュールを踏まえ、余裕をもって対応しましょう。
・公共料金・サブスクの引き落とし先を変更する
電気・ガス・水道、携帯電話、保険料、各種サブスクリプションなど、生活に直結する支払いは、すべて新しい口座にまとめておくと安心です。
信用情報との関係について
なお、借入のない銀行口座であっても、任意整理を行うと信用情報には事故情報(いわゆるブラックリスト)が登録されます。そのため、将来的に住宅ローンや自動車ローンなどを申し込む際には、一定期間、審査に影響が出る可能性があります。ただし、これは口座の利用自体とは無関係であり、日常の入出金や引き落としが制限されるわけではありません。
このように、借入のない銀行口座は、任意整理においても生活を支える重要なインフラとして安全に使い続けられるケースがほとんどです。事前に口座や支払い先を整理しておくことで、任意整理後も安心して日常生活を送ることができるはずです。
口座凍結のリスクがある場合の事前対策

任意整理では原則として口座凍結は起こりにくいものの、特定の条件が重なると一時的に口座が使えなくなるケースは存在します。ここでは、口座凍結のリスクがあるケースを整理したうえで、任意整理を始める前に取っておきたい具体的な対策について解説していきます。
該当銀行の預金は事前対応が重要
任意整理を進める際、注意が必要なのが、整理対象となる銀行に預金口座がある場合です。弁護士や司法書士から受任通知が銀行に届くと、相殺に備えた措置として、口座が一時的に利用制限されることがあります。これは法律上の義務ではありませんが、実務上、早い段階で口座が使えなくなるケースも見られます。
そのため、生活費として必要な資金が該当銀行の口座にある場合には、事前にどのような対応を取るべきかを専門家と相談しておくことが重要です。たとえば、A銀行のカードローンを任意整理の対象に含める予定で、同じA銀行の普通預金口座に残高がある場合、その預金が一時的に引き出せなくなったり、条件が整えば借入と相殺されたりする可能性があります。
相殺によって借金が減る場合もありますが、その資金が家賃や食費、教育費など、直近の生活に必要なお金であれば、生活に支障が出るおそれがあります。そのため、生活に必要な資金を確保することを優先し、必要に応じて別の銀行口座へ移すなどの対応が検討されます。ただし、こうした資金移動は、必ず弁護士や司法書士の指示を受けたうえで行うことが大切です。凍結直前に預金を引き出す行為については、タイミングによっては「偏頗弁済(へんぱべんさい)」と見なされる可能性もあるため、専門家に相談してから行ってください。
また、同一銀行内に複数の口座を持っている場合、支店が異なっていても同一法人として一括で管理されるため、すべての口座が影響を受ける可能性があります。メガバンクや地方銀行を利用している場合は、口座の有無を事前に整理しておく必要があります。
さらに、資金を移動した場合には、いつ・どこに・いくら移したのかを記録として残しておくことも重要です。通帳記帳や取引履歴の保存などをしておくことで、後日の確認や専門家との相談がスムーズになります。
給料振込先を別銀行に変更する
口座凍結の影響で特に注意すべきなのが、給料の受け取りに支障が出る可能性があることです。任意整理の対象となる銀行口座に給料が振り込まれ続けている場合、口座が一時的に利用制限されると、入金された給料をすぐに引き出せなくなるおそれがあります。
たとえば、給料日直前に口座が利用できなくなった場合、振り込まれた給料が一時的に口座内で留保されたり、条件が整えば借入との相殺に充てられたりする可能性があります。その結果、家賃や生活費の支払いに支障が出るかもしれません。
こうした事態を防ぐために、任意整理を正式に依頼する前に、給料の振込先を借入のない銀行へ変更しておくことが非常に重要です。具体的には、次の手順で進めると安心です。
1.勤務先に給与振込口座の変更を申し出る
経理担当者や人事部に「給与振込口座を変更したい」と伝えれば、通常は問題なく対応してもらえます。理由を詳しく説明する必要はなく、「家庭の事情」や「口座整理のため」といった簡単な説明で十分です。
2.変更手続きは早めに行う
給与振込口座の変更は、会社の締日やシステムの都合により、反映まで1〜2か月かかることもあります。そのため、任意整理を検討し始めた段階で、できるだけ早く手続きを進めておくことが大切です。
3.新しい振込先は借入のない銀行を選ぶ
新たな振込先は、借入関係のない銀行を選びましょう。地方銀行、信用金庫、ネット銀行など、現在借入のない金融機関を選ぶと安心です。複数の銀行から借入がある場合は、それらすべてを避ける必要があります。
4.変更後は必ず入金を確認する
初回の給料が正しく新しい口座に振り込まれているか、給料日当日に必ず確認してください。万が一、旧口座に振り込まれてしまった場合には、すぐに状況を確認し、必要に応じて専門家や勤務先へ相談することが重要です。
給料は生活の基盤となる重要な資金です。任意整理を進める際には、給料振込先の変更を最優先の対策として行うことで、口座凍結による生活への影響を大きく減らすことができます。自己判断で進めるのではなく、弁護士や司法書士と相談しながら、計画的に準備を進めましょう。
自動引き落としの口座を変更する
給料と同様に見落とされがちなのが、公共料金や保険料、クレジットカードなどの自動引き落とし設定です。これらが、任意整理の対象となる銀行口座に紐づいたままになっていると、口座が一時的に利用制限された場合に引き落としができず、延滞扱いとなる可能性があります。
引き落としができない状態が続くと、電気・ガス・水道といったライフラインについては、督促を経たうえで利用停止となることもあります。特に小さなお子様や高齢の方がいるご家庭では、生活への影響が大きくなるため、早めの対応が重要です。
また、生命保険や医療保険なども、保険料の支払いが滞ると失効する場合があります。一度失効すると、再加入時に条件が厳しくなったり、保険料が上がったりする可能性があるため注意が必要です。
事前に確認しておきたい支払い項目
任意整理を依頼する前に、どの口座からどの支払いが引き落とされているかを整理しておきましょう。以下のような項目は特に重要です。
・公共料金:電気・ガス・水道・NHK受信料
・通信費:携帯電話・インターネット回線・固定電話
・保険料:生命保険・医療保険・自動車保険・火災保険
・定期購読・サブスクリプション:新聞・雑誌・動画・音楽配信
・クレジットカードの引き落とし:分割払いやリボ払い
・家賃・駐車場代:管理会社・不動産会社への支払い
なお、クレジットカードは任意整理対象に含めると利用停止になります。
変更手続きは受任通知前が理想
これらの引き落とし口座は、受任通知が送られる前に、新しい銀行口座へ切り替えておくのが理想です。多くのサービスはオンラインで変更できますが、保険会社や不動産会社などでは書面での手続きが必要な場合もあるため、余裕を持って進めましょう。
もし変更が間に合わなかった場合でも、一時的にコンビニ払いや振込用紙で支払うことで延滞を防ぐことができます。特にライフラインについては、支払い方法を柔軟に切り替えることで、生活への影響を抑えられます。
変更後の確認も忘れずに
口座変更後も、最初の数か月は引き落としが正しく行われているかを必ず確認してください。設定ミスや反映遅れによって引き落としが失敗することもあるため、通帳やアプリでチェックする習慣をつけると安心です。
もしも口座が凍結されてしまった場合の対処法

任意整理では原則として口座凍結は起こりにくいものの、条件が重なると、実際に一時的な利用制限がかかるケースもあります。ここでは、口座が凍結されたときにまず確認すべきポイントと、取るべき具体的な対処法について解説していきます。
専門家に相談して状況を確認
口座が凍結されたことに気づいたら、まず最優先で行うべきなのは、任意整理を依頼している弁護士または司法書士に連絡し、状況を確認することです。凍結の原因が、任意整理に伴う受任通知の影響なのか、それとも別の理由(たとえば延滞や税金など他の債務による手続き)なのかを、冷静に切り分ける必要があります。
専門家に相談することで、次のような点について整理・確認が可能です。
・凍結されている範囲や金額の確認
相殺に備えて一時的に制限されているのか、どの程度の残高が対象となっているのかを把握できます。
・保証会社への移行(代位弁済)の見通し
債権の移動が進んでいるか、凍結解除までのおおよその流れについて説明を受けることができます。
・凍結口座の残高の扱い
相殺が行われた場合や、相殺後に残高が生じた場合の取り扱いについて確認できます。
・今後の生活資金確保の方法
給与振込先の変更や、利用すべき口座について具体的な助言を受けられます。
また、専門家からのアドバイスを受けることで、焦って不適切な行動を取ってしまうリスクを避けることができます。状況を正確に把握しないまま銀行へ強く抗議したり、勤務先や家族に過度な不安を与えたりすると、かえって対応が難しくなることもあります。指示を仰ぎながら進めることで、最も穏やかで確実な解決につながります。もし事前に口座凍結の可能性について十分な説明がなかった場合でも、その点を含めて改めて相談し、今後の対策を確認することが大切です。
代位弁済の完了を待つ|通常1-3ヶ月
専門家に状況を確認した後、次に必要となるのが、保証会社による代位弁済の手続きが進むのを待つことです。代位弁済とは、銀行カードローンなどの借入について、保証会社が銀行に代わって返済を行い、債権者が銀行から保証会社へ移る手続きのことを指します。
この代位弁済や関連する処理が進むことで、相殺の必要がなくなり、一時的に制限されていた銀行口座が解除されるケースが多く見られます。ただし、解除のタイミングは銀行や保証会社の事務処理によって異なり、代位弁済が完了した直後に必ず解除されるとは限りません。
解除までの期間は、受任通知が銀行に届いてからおおむね1〜3ヶ月程度が目安とされますが、これはあくまで一般的な傾向です。銀行や保証会社の対応スピード、債務額、関係する契約の数などによって、前後することがあります。
待機期間中の注意点
この待機期間中は、凍結されている口座について、入出金が制限されることが多いため、生活への影響を避けるための対応が必要です。
・給与振込先の変更
勤務先に依頼し、借入のない別の銀行口座へ振り込んでもらうよう手続きを進めましょう。
・公共料金・家賃などの支払い方法の変更
凍結口座からの引き落としが設定されている場合は、別口座への変更や一時的な振込・コンビニ払いに切り替えることが重要です。
・クレジットカードの引き落とし口座の確認
同一銀行や系列のカードの場合、凍結の影響を受けることがあるため、事前に状況を整理しておきましょう。
この期間中、ATMで引き出せない状態が続くと、不安や焦りを感じるのは自然なことです。しかし、多くの場合、これは法的・事務的な手続きが進行している過程にすぎません。自己判断で動くのではなく、弁護士や司法書士と定期的に連絡を取り、進捗を確認しながら次の対応を準備することが大切です。
新しいメイン口座を開設する
代位弁済の進行を待つ間、あるいはその前段階として検討したい現実的な対策が、新しいメイン口座を開設することです。たとえ凍結されていた口座が後に解除されたとしても、任意整理の影響により、その銀行で新たなローンやクレジットカードを契約することは当面難しくなることが予想されます。そのため、生活用の口座は別の金融機関に移しておく方が安心です。
新しい口座を開設する際は、任意整理の対象となっていない銀行を選ぶことが重要です。たとえば、三菱UFJ銀行のカードローンを任意整理した場合、同銀行での新規口座開設がスムーズに進まない可能性もあります。そのため、これまで取引のなかった地方銀行、信用金庫、ネット銀行などを候補にすると、手続きが円滑に進みやすくなります。
口座開設時の注意点
新しい口座を開設する際は、次の点を意識すると安心です。
・本人確認書類を準備する
運転免許証やマイナンバーカードなどの公的身分証明書を用意しましょう。
・住所変更がある場合は先に手続きを済ませる
登録住所と本人確認書類の記載が一致していないと、開設を断られることがあります。
・給与振込に対応しているか確認する
ネット銀行などの場合、勤務先の規定で給与振込口座として利用できないケースもあります。
新しい口座が開設できたら、できるだけ早く給与振込先を変更し、公共料金や家賃、携帯電話料金などの引き落とし設定もすべて移行しましょう。なお、「任意整理をしていると口座が作れないのでは」と不安に思う方もいますが、普通預金口座の開設自体は、信用情報を直接参照しないことが多く、問題なく開設できるケースが一般的です。ただし、キャッシュカード一体型のクレジットカードやデビット機能付きカードなどを同時に申し込むと、審査に通らない可能性があるため、まずは純粋な普通預金口座のみを申し込むことをおすすめします。
まとめ

任意整理(債務整理)を検討する際、「口座が凍結されてしまうのではないか」と不安に感じる方は少なくありません。結論から言うと、任意整理をしたからといって、すべての銀行口座が凍結されるわけではありません。ただし、一定の条件が重なると、一時的に口座が使えなくなるケースがあるのも事実です。
口座凍結が起こりやすいのは、借入のある銀行の口座を、任意整理の対象に含めた場合です。特に、銀行カードローンや銀行が債権者となっている借入では、受任通知が届いた後、相殺に備えて口座が一時的に制限されることがあります。その結果、預金の引き出しや入金ができなくなり、給与の受け取りや公共料金の支払いに影響が出る可能性があります。
一方で、借入のない銀行口座まで凍結されることは原則ありません。そのため、口座凍結のリスクを避けるためには、事前の準備が非常に重要です。具体的には、任意整理を依頼する前に、借入のない銀行で生活用口座を用意し、給与振込先や公共料金の引き落とし先をすべて移しておくことが基本的な対策となります。
また、どの銀行や金融機関を任意整理の対象にするかによって、リスクの有無は大きく変わります。自己判断で進めるのではなく、弁護士や司法書士に事前に相談し、口座への影響を踏まえた手続きを選ぶことが、トラブルを防ぐ最大のポイントです。
アヴァンス法務事務所では、借金問題解決の専門家として、土日を問わず24時間、電話やメールでのご相談を無料で受付しております。東京・大阪のみならず全国からご相談いただいておりますので、借金に悩み、生活に不安がある方は、まずはお気軽にご相談いただきたいと思います。あなたの完済までサポートいたします。





