借金の総額が300万円を超えた!解決するにはどうすればいい?

いつの間にか、借金の総額が数百万円にまで増えてしまった、、、このような場合、どうやって借金問題を解決すればいいのでしょうか。

今回のコラムでは実際に300万円以上の借金を当事務所で解決された方を例に、具体的にどのように手続きを進めていったのかを解説します。

手順1:借金と生活のご状況を整理します

まずは借金を、「どこから」「いくら借りているか」を洗い出します。ショッピングのリボ払いやキャッシング、カードローン、消費者金融からの借入の他、携帯代の滞納、奨学金、住宅ローン、カーローンなどすべての借入について伺います。

これらすべての借金の状況を伺うのは、債務整理の手続きの進め方によって、住宅や車を残せるか、保証人の方に影響がでないか、ご家族に内緒で解決できるか、などを考慮し、できるだけ日常生活に影響を出さない方法を検討するためにお聞きします。

さらに、「収入」と「支出」について伺い、返済可能な金額を計算します。この時の返済可能な金額が債務整理の進め方に大きく関係してきます

今回のケースのPoint
今回のAさんのケースは、消費者金融とリボ払いの借入がほとんどでした。8社から約350万円を借りておられ、利息も18%程度と高額だったため、借金を借金で返す自転車操業のご状況でした。

また、ご自身は非正規雇用で収入が少ない中で、ご家族の入院治療費、生活費を補填されていたため、返済の余力がありませんでした

手順2:債務整理の手続き方法を検討する

債務整理には任意整理、個人再生、自己破産があります。それぞれの方法にメリット・デメリットがあり、借金の減額幅にも違いがあります。どのように検討していくのか、それぞれの方法と併せて解説します。

任意整理

まず初めに検討するのは任意整理です。任意整理とは、金融会社と直接交渉し、今後の利息を減免してもらい、36回~60回程度で分割返済する方法です。

仮に、Aさんが総額350万円(利率18%)の借金をこのまま毎月11万円ずつ返済し続けた場合、利息だけで約129万円かかる計算です。ここで任意整理をして利息の免除と60回分割で和解交渉が成立した場合、月々の返済額を約58,000円まで下げることが可能です。

この約58,000円の返済を継続できる見込みがあれば、任意整理で進めていくことが可能です。

今回のケースのPoint
今回のAさんのケースでは、収支のご状況を考えると、任意整理で返済額を減らせたとしても、返済を継続できる見込みが立たなかったため、任意整理以外の方法を検討することになりました。

個人再生

任意整理をしても返済を継続できそうにない場合は、次に個人再生を検討します。

個人再生は、借金を1/5もしくは100万円まで圧縮し、それを原則3年で分割返済する方法です。利息も免除されます。(※預貯金や住宅、車など大きな財産をお持ちの場合は返済額が上がる可能性があります。)

先程の総額350万円の場合ですと、約129万円の利息が免除され、元金が100万円に圧縮される見込みでした。この場合、月々の返済額は約28,000円になります。

今回のケースのPoint
今回のAさんのケースでは、個人再生の減額幅でも返済を継続することが困難でした。そのため、任意整理・個人再生以外の方法を検討しました。

自己破産

任意整理でも個人再生でも借金問題の解決が難しい場合は、自己破産を検討します。

自己破産はすべての債務の返済義務が免除されます。そのため、自己破産後の返済額は0円です。ただし、住宅や車など、20万円以上の価値のある財産は処分されます。

今回のケースのPoint
今回のAさんのケースでは、任意整理・個人再生の減額幅では返済を継続することが難しく、車や住宅などの大きな財産もお持ちではなかったため、自己破産を選択することになりました。

任意整理・個人再生・自己破産の違い

それぞれ、どの手続きを行うかによって、借金の減額幅が異なります。

任意整理は最も減額幅が小さいです。しかし、その分柔軟な対応が可能です。裁判所を通す個人再生や自己破産に比べると手続きが簡易なため、ご家族に内緒で手続きを進められる、車や住宅などの財産を残すことが可能、と言った特徴があります。

次に減額幅が大きい個人再生は、裁判所に返済見込みを厳しく判断されます。また、住宅資金特別条項を利用すれば住宅ローンを残すことが可能ですが、それ以外の借金はすべて手続きに含めなくてはいけません。金融会社からの借金、友人、知人、会社からの借入、奨学金を含め、すべてを手続きの対象にしなくてはいけません。

最後に自己破産は、すべての借金の返済義務を免除してもらえますが、住宅や車などの大きな財産は処分されます。個人再生と同様に裁判所を通すため、すべての借金が手続きの対象になるなど、利用条件が厳しいです。

手順3:手続きを進める

債務整理の方針が決まれば、実際に手続きを進めていきます。正式にご依頼を頂いた後は、返済と督促が一旦止まります

任意整理の進み方

任意整理の場合は、ご自身にやっていただく作業は特にありません。当事務所が代理人となって、各債権者に対して返済の負担を軽減できるように交渉します。手続きに係る期間は概ね3ヶ月~6ヶ月程度です。その間、お客様にはお待ちいただくだけです。

個人再生・自己破産の進み方

個人再生と自己破産の場合は裁判所に申立てを行います。そのため、ご自身にやっていただく作業が多いです。特に書類収集の作業に時間を割いていただく必要があります。

裁判所に、家計収支表(家計簿)、給与明細、通帳のコピー、住民票、債権者の一覧、保険関係の書類、住宅関係の書類、退職金証明書、公共料金の領収書、など主だったものだけでもこれだけの書類を提出しなくてはいけません。

これらの書類をおひとりで用意していただくことが難しいため、同居のご家族に内緒で手続きを進めることが難しいです。

また、車や住宅など大きな財産をお持ちの場合は、査定に出していただき、申し立て時点での価値を調べなくてはいけません。

これらの書類をそろえた上で、裁判所に申し立てを行います。申立後は1回もしくは数回程度、裁判所に出向き裁判官と面談を行います。この後、裁判所は個人再生・自己破産を認める、認めない、を決定します。

手順4:手続き後の返済額で返済を再開する

任意整理・個人再生の手続きが無事に終わったら、減額された返済額で返済を再開します。自己破産の場合は返済が不要です。

アヴァンス法務事務所では債務整理後の返済管理をさせていただき、再び返済が滞ることのないよう完済までサポートさせていただきます。

今回、Aさんは総額350万円の借金を解決する方法として自己破産を選択されました。

ご相談当初は、ご家族に内緒で手続きを進めたいというご事情から、任意整理を希望されていました。しかし、非正規雇用で収入が少なく、生活費の捻出だけで精一杯のご状況でした。仮に任意整理をして、返済額が減ったとしても支払を継続できる見通しが立ちませんでした。再び返済が滞り、借金問題が振出しに戻ることが想定されました。

そして、個人再生の場合も同様に返済を継続できる見込みが薄かったため、最終的に自己破産をご提案させていただきました。また、住宅や車、預貯金など大きな財産をお持ちではなかったため、自己破産をしても処分される財産が特に無かったことも判断の一因です。

このように、「返済可能な金額がいくらなのか」が債務整理の進め方に大きく関係してきます。さらに財産の有無や、ご家族の協力が得られるかなど、様々な要因を鑑みて解決方法を検討します。

例えば、Aさんと同じように借金の総額が350万円のBさんがいたとします。借金の金額が同じであっても、Bさんも自己破産を選択するとは限りません。収入が多い、共働きで返済の余力がある、などのご状況であれば、ご家族に内緒のまま任意整理で解決を図ることも可能です。

このように、借金問題の解決方法は借金の金額や、生活状況によって判断が分かれます。一概にこれぐらいの金額だからこの方法、というように簡単に判断することは難しいです。

アヴァンス法務事務所では、お客様のご事情に合わせて、柔軟な対応を心がけております。借金の返済でお困りであれば、まずは当事務所にご相談ください。お客様に合った解決プランをご提案いたします。

今回の事例を詳しくご覧になりたい方はこちら

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