リボ払いの繰り返しで返済が苦しい。借金を借金で返しているがどうすればいい?

借金問題の原因によく見られるのが、「リボ払い」です。

毎月の返済を一定の金額に抑えられるため、リボ払いで買い物をされる方もいらっしゃいます。しかし、毎月返済をしているのに残高がなかなか減らず、返済が長期化してしまう傾向があります。

さらに、リボ払いはキャッシングの返済方法にも使われています。ショッピングのリボ払いと同様に毎月の返済額を少額に抑えられるため、便利なように見えます。しかし、実際はこのリボ払いが原因で借金が膨れ上がってしまう方が多いです。

生活費が足りなくなってリボ払いで返済を遅らす、そのリボ払いの返済が間に合わず、キャッシングで補う。キャッシングの返済が追い付かなくて他のカードでキャッシングをする。このような「借金を借金で返す」状況に陥ってしまうと、自力で抜け出すことは困難です。

このコラムでは「ショッピングのリボ払い」と「キャッシングのリボ払い」の元金が減らない理由とその解決方法をご説明します。

ショッピングのリボ払いの残高が減らない理由

「リボ払いの残高がなかなか減らない…」このように思われる方も多いのではないでしょうか。では、リボ払いはなぜ残高が減りにくいのか、解説していきましょう。

まず、リボ払いとは「リボルビング払い」という支払い方法のひとつです。毎月の支払額を一定の金額に固定する方法で、概ね18%程度の手数料が加算され、月々の支払額の中に含まれます。

下記の図のように、高額な買い物をしても、月々の支払額を一定に抑えることができます。

例えば、5万円のバッグをリボ払いで購入して、毎月1万円ずつ支払いをしたとします(手数料18%)。そうすると、6ヶ月で支払いが完了し、かかる手数料は合計で2,411円です。支払合計は52,411円です。

この数字だけを見ると、手数料の負担もそれほど大きいようには見えません。一見、便利な支払方法に見えるリボ払いですが、問題はここからです。頻繁にリボ払いで買い物をした場合は状況が変わります。

リボ払いを繰り返し利用すると、当然、利用残高は増えます。しかし、支払額は一定のままです。そして、リボ払いの手数料は利用残高に対してかかるため、毎月の支払額の内、手数料が占める割合が増えてしまいます

毎月きちんと返済していても、ほとんどが手数料の支払いに充てられてしまいます。そのため、残高がなかなか減らず、リボ払いの支払いが長引いてしまいます。

さらに、利用残高が増えると支払いの設定金額も上がります。そして、そのままリボ払いの限度額まで買い物を続けてしまうと、限度額を超えた分の請求が一括で来ます。これがリボ払いの返済が行き詰まる原因です。

キャッシングのリボ払いの残高が減らない理由

先述のショッピングのリボ払いと同様の仕組みが、キャッシングの返済方法にも取り入れられています。キャッシングの返済方法は概ね「1回払い」か「リボ払い」です。多くの方がリボ払いを選択されるのではないでしょうか。

ショッピングのリボ払いと同様に、お金を借りて返済だけをしていればそれほど大きな借金問題にはならないでしょう。しかし、キャッシングも繰り返し利用すると雪だるま式に借金が膨れ上がってしまいます

具体的な金額を例に解説していきます。

キャッシングのリボ払いの返済例

当事務所にご相談いただくお客様の多くが、3社、4社とキャッシングを利用されています。下記の表は、3社から借入をしている例です。

3社から合計160万円を借り入れて(利率18%)、5万円ずつ返済した場合です。特に注目していただきたいのが、5万円を返済しても、ほぼ半分の24,000円が利息に充当され、借金の残高がそれほど減っていない点です。

さらに問題なのが、「今月5万円返済したから、翌月に再び5万円借りる」ことです。利息の負担が大きく、それほど元金が減っていないにも関わらず追加で借入をしてしまうため、借金がさらに増えています

毎月、ご自身がどれぐらい利息を払って、どれぐらい元金が減っているか、把握していない方も多いため、このような状態になってしまいます。

実際は返済額の半分程度しか返済できていないにも関わらず、追加で借入をしてしまったために、今月よりも翌月の残高が増えています。

このような返済と借入を何ヶ月、何年と繰り返してしまい、いつの間にか返しきれない金額にまで借金が膨れ上がってしまいます。

借金を借金で返す借入

さらに、下記のような状況が自転車操業に繋がります。

最初はA社から100万円を借りていた方が、A社の返済が追い付かないため、B社から借りて返済してしまいます。

A社の借金は減ったものの、B社の借金が増えたため、借金の総額自体は増えてしまいます。A社、B社の返済に追われているうちに、どちらの返済も追い付かなくなり、さらにC社から借りて返済をしてしまいます。

先程の例のように、借金の元金が減っていないのに追加で借入をしてしまうため、借金の総額自体も増えてしまいます。このような「借金を借金で返す」行為が常態化してしまい、自転車操業から抜け出せなくなってしまいます。

クレジットカードが限度額に達してしまうと、遅かれ早かれ自転車操業も破綻してしまいます。返済が遅れないように何とかしようと、借入を増やしてしまう方が多くおられます。

借金を借金でしか返せない場合の解決方法

借金を借金でしか返済できなくなっている場合は、どのように解決すればいいのでしょうか。解決に向けて、まずは現状を把握することが大切です。次の内容を参考にご自身の状況を整理してみましょう。

まずは自分の借り入れがどういう状態なのかを知る

アヴァンス法務事務所にご相談いただくお客様の中には、借金の返済は苦しいものの延滞はしていないため、「返済できているのでまだ大丈夫です。」とおっしゃる方も少なくありません。

しかし、たくさんの借金問題を見ていると、この考えがかえって借金問題を悪化させてしまう要因でもあります。つまり、借金の繰り返しを今後も続けてしまう可能性がある、ということです。そして、解決できないまま借金の金額だけが増えていきます。

このような場合は、一旦冷静になって、借金の状況を整理してみましょう。複数の金融会社から借入をしている場合は、借金の状況が分からなくなっている方もいらっしゃいます。

振り込みをした際の利用明細やアプリの管理画面を参考に、借金の残高が減っているのか、増えているのか、直近の数か月の残高を比較してみましょう。

この時に重要なのが「借金の合計金額」です。前の月と比べて

・残高が増えている
・残高がそれほど減っていない

という場合は危険信号です。

上の図のように、3か月たっても元金が1,500円しか減っていない場合は危険信号です。返済しても、すぐに借入をしてしまうと、このような状況になってしまいます。

状況を打開するためには、

・収入が増やせるか?
・支出を減らせるか?
・利息の低いところに借り換えができるか?

といったことを検討し、解決方法を考えてみましょう。

解決が難しい場合は債務整理を検討する

借金の返済が立ち行かなくなって、ご自身では解決できない場合に、取れる手段として債務整理と言う方法があります。債務整理には下記の方法があります。

・任意整理
金融会社と直接、利息の減免・支払い回数等を交渉し、返済の負担を軽減する方法です。

・個人再生
裁判所に申し立てを行い、住宅ローンを残して債務を大幅に圧縮できる方法です。

・自己破産
裁判所に申し立てを行い、すべての支払い義務を免除してもらう方法です。

当事務所であったケース

<50代 女性の例>

ご相談前
足りない生活費や教育費を複数のキャッシングで補っておられました。しかし、ついにはご自身の収入では返済が追い付かなくなってしまいました。

アヴァンスからのご提案
家計と収入のご状況を伺ったところ、利息を減免してもらい、分割で返済する方法であれば、ご自身の収入の中から返済が可能であったため、任意整理をご提案しました。

任意整理による解決後
任意整理は、元金を減らすことはできませんが、月々の返済額を65,000円から31,000円に減らすことができたため、返済を継続されています。また、利息を免除してもらえたことで、着実に借金を減らしていくことができ、これまでの「借金を借金で返す」ご状況から抜け出せました。

まとめ

リボ払いの残高が減らない理由、借金が増えてしまう理由を解説しました。

一見、便利なように見えるリボ払いですが、日常的に利用してしまうと借金問題につながりやすいです。ご自身で解決することが難しい場合は、債務整理を検討されてはいかがでしょうか。

大切なことは、状況がより深刻になる前に、早めに認定司法書士・弁護士に相談することです。まだ何とかなる、相談するにも腰が重い、と先延ばしにしてしまうと、解決がより難しくなってしまいます。

そうなる前に、お気軽にアヴァンス法務事務所にご相談ください。ご自身にあった方法をご提案いたします。

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